韓国ドラマの楽しみ方の一つが、韓国の”家族模様”である。日本のそれと比べたら、子供のしつけに厳しい親の登場シーンが多い。今回は、青春と家族愛を描いたtvNドラマ『応答せよ』シリーズで”パパ役”を専担した俳優ソン・ドンイルの”パパぶり”を振り返ってみる。
tvNドラマといえば、ヒョンビン主演で2020年最大のヒット作『愛の不時着』、コン・ユが再ブレイクした『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016)、そして2012年からスタートした『応答せよ』シリーズは外せない。『応答せよ』シリーズは、tvN放送局の株を一気に上げた作品だ。
『応答せよ』シリーズは、2012年から2015年までに3シリーズ制作されており、ヒロインの未来の夫探しが共通のテーマになっている。各シリーズに同姓同名の登場人物がいたり、実際の時代背景に合わせたストーリーで話が進んだりという、他の韓国ドラマとはひと味違う作風で、根強いファンがいることでも有名だ。
今回は『応答せよ』シリーズの中で、共通する登場人物であり、本名がそのまま役名に使われていて、頑固で怒りっぽい性格、でも家族愛や娘愛で視聴者の涙を誘った父、ソン・ドンイルと、その娘たちを紹介する。
『応答せよ1997』(2012)

『応答せよ1997』(画像出典:tvN)
33歳になった主人公たちが学生時代を過ごした90年代と、2012年の現在を行き来するシリーズ第一作となる『応答せよ1997』は、ガールズグループApinkのチョン・ウンジが主人公のシウォンを演じた。シウォンは、1997年当時の人気アイドルグループH.O.T(エイチオーティー)メンバー、トニー・アンの熱狂的なファンのおてんば娘だ。アイドルに夢中だったシウォンは、幼なじみのユンジェ(ソ・イングク)と、ユンジェの兄テワン(ソン・ジョンホ)との間で気持ちが揺れ動く。この三角関係の結末が、最大のテーマとなり物語は進んでいく。

『応答せよ1997』で娘役を演じたウンジ(画像出典:tvN)
一方、シウォンの父ソン・ドンイルは”釜山カモメ”という野球チームの2軍監督で、娘シウォンと父は気付けばいつもケンカの毎日。そんなある日、シウォンがラジオの景品欲しさに嘘を書いて投稿した「父親が癌」という内容が現実となってしまう。病に侵された父が一番心配していたのは、シウォンのことだ。喧嘩ばかりの親子だったが、シウォンは父の病をきっかけに、自分に対する愛情を改めて知ることになる。

『応答せよ1997』でのソン・ドンイル(画像出典:YouTube tvN D STORY動画キャプチャー)
(関連動画)父ドンイルの愛を知り号泣する娘シウォン(ウンジ)【応答せよ1997】
『応答せよ1994』(2013)

『応答せよ1994』(画像出典:tvN)
バスケットボール選手のおっかけをしている主人公、ソン・ナジョンを演じたのは、コ・アラ。デビュー10年目にして、ようやく女優としての転機が訪れ、本作で演技が評価されるようになった。コ・アラにとって節目の作品だ。ナジョンの周りには5人の男性が登場し、現実的な恋に目覚めた主人公の夫となる男性は、最終的に誰なのか‥が最大のテーマだ。

『応答せよ1994』で娘役を演じたコ・アラ(画像出典:tvN)
一方、前述作と同姓同名で、この作品ではナジョンの父であるソン・ドンイル。野球チーム・ヘテタイガースの元選手で、現在は”ソウルツインズ”のコーチをしている。ある日、免許を取ったばかりのナジョンは、国民的野球アイドルで、ナジョンに思いを寄せるチルボン(ユ・ヨンソク)を家まで送って行く。すると、そこへ父ドンイルがケガをしたとの連絡が入り大慌て。動揺して運転できそうにないナジョンを見かねたチルボンは、代わりに猛スピードで運転し病院に向かい、無事に父ドンイルのもとに駆けつける。まさに親子愛が確認できた瞬間だった。

『応答せよ1994』でのソン・ドンイル(画像出典:YouTube CJ ENM動画キャプチャー)
『恋のスケッチ~応答せよ1988』(2015)

『恋のスケッチ~応答せよ1988』(画像出典:応答せよ1988 公式HP)
俳優パク・ボゴムの出世作として有名な『応答せよ』シリーズ第3弾。Girl’s Dayのヘリが、頭は良くないがオシャレに敏感な主人公ソン・ドクソンを演じている。この作品では前述2作品と違い、ヒロインの夫が誰かということより、どちらかといえば家族の抱える問題に焦点が当てられている。

『恋のスケッチ~応答せよ1988』で娘役を演じたヘリ(画像出典:tvN)
一方、父ソン・ドンイルも今までの作品とは違い職業に野球は関係なく、銀行に勤める万年平社員。友人の保証人になってしまい、多額の借金を抱えても、他人を助ける姿で視聴者の共感を呼んだ。舞台となった1988年は、ソウルオリンピックの年。ドクソンはソウルオリンピックの開会式で、マダガスカルのプラカードを持って選手団を先導するはずだったが、同国の不参加でこれまでの努力が無駄になってしまう。そんな時、自分の誕生日を姉と一緒に祝われ、日頃の不満が爆発する。
そんな寂しい気持ちを察した父ドンイルは、娘ドクソンのためだけの誕生日会をセッティング。1話から娘を思う父の気持ちがよく描かれ、視聴者の心は一気に引き込まれた。

ヘリ演じる娘ドクソンと父ドンイル(画像出典:tvN)
この『応答せよ』シリーズは、第1弾となった『応答せよ1997』が大ヒットしたことにより、続編の制作が発表されると、当初は多くの人々から疑問の声があがった。それは、韓国ドラマは”続編は成功しない”というジンクスがあったからだ。しかし、その続編となった『応答せよ1994』が前作を超える人気を博し、このジンクスを打ち破る作品となった。さらに『応答せよ』シリーズに出演した女優、コ・アラや俳優チョンウ、パク・ボゴムなど、本作以降の出演作で、主演級の俳優として認められる俳優を多数生み出した。そんな作品を、ぜひ一度観て欲しい。
(関連動画)【応答せよシリーズ】ドクソン、ナジョン、シウォンの3人の娘と父ソン・ドンイルのケミ
パク・ボゴム
2011年映画『ブラインド』でデビュー。
以降、映画『コインロッカーの女』(2015)、ドラマ『君を憶えてる』(2015)などに出演。
『恋のスケッチ~応答せよ1988~』(2015-2016)で天才棋士チェ・テクを演じブレイク。2016年8月より放送されたドラマ『雲が描いた月明り』で地上波初主演を果たし、爆発的人気を得る。
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