映画やドラマに数字はつきものだ。映画は観客動員数、ドラマは視聴率‥。話題の韓国ドラマに出演しているK-POPアイドルは多いが、最近はなかなかヒット作に恵まれず良い成績を残せていない演技ドルも目立つ。これまでに、様々なドラマで主演や助演を務める代表的な演技ドルたちの成績はどうだっただろうか。
K-POPアイドルとしてその名を馳せて、更なる飛躍のため演技に挑戦するアイドルたちは多い。世間からは「本業に専念するべきだ」と冷ややかな反応もなくはないが、もはやアイドルにとって俳優業も本業になりつつある。
今回は、そんな果敢な挑戦をしたアイドルたちの”成績表”を見てみたい。
※”成績表”と銘打った以上、アイドルの演じた役が主演であるか、もしくは準主演、助演のどれに当てはまるかは大事なポイントとなる。なお、近作であるほど視聴率低迷の傾向があるので、それも是非参考にして頂きたい。
キム・ジェジュン:『ボスを守れ』(2011)
■ 準主演
■ 最高視聴率:17.8%
■ 完ぺきな外見、学歴、実力を持ち合わせているエリートのチャ・ムウォン役

ドラマ『ボスを守れ 』(画像出典:SBS)

チソン演じるジホンの従兄弟ムウォン役を演じたジェジュン(画像出典:SBS)
ここ数年、日本でのアーティストとしてのソロ活動が盛んなJYJのジェジュンが、2011年に出演した韓国の連ドラ初出演作品『ボスを守れ』。
本作のヒロイン、元不良番長で現在は秘書を務めるウンソル(チェ・ガンヒ)を、主演のチソン演じる財閥御曹司ジホンと、その従兄弟ジェジュン演じるムウォンが奪い合うというイケメン御曹司の対決が人気を呼び、最高視聴率17.8%という好視聴率を記録した。
ド・ギョンス:『100日の郎君様』(2018)
■ 主演
■ 最高視聴率:14.4%
■ 記憶喪失になった皇太子イ・ユル

ドラマ『100日の郎君様』(画像出典:tvN)

皇太子イ・ユル役を演じたド・ギョンス(画像出典:Twitter)
ドラマ『大丈夫、愛だ』(2014)の胸を打つ演技や、『君を憶えてる』(2015)でのサイコパス役など、幅広い演技力に定評のあるK-POPトップグループEXOのメンバーD.O.(ド・ギョンス)が、連ドラ初主演にして、初の時代劇に挑戦して良い成績を残した『100日の郎君様』。
記憶喪失になった皇太子イ・ユル(ド・ギョンス)が、身分を偽って生きてきた初恋相手のユン・イソ(ナム・ジヒョン)とお互いに気付かぬまま結婚することになり、庶民の夫婦として暮らした100日間を描いたフュージョン時代劇。
パク・ユチョン :『ミス・リプリー』(2011)
■ 主演
■ 最高視聴率:16.5%
■ 親切で気遣いのあるモンドリゾートの後継者 ソン・ユヒョン役

ドラマ『ミス・リプリー』(画像出典:MBC『ミス・リプリー』公式HP)

モンドグループの御曹司ユタカ役を演じたパク・ユチョン(画像出典:MBC『ミス・リプリー』公式HP)
映画『海にかかる霧』(2014)では、その年の新人賞9冠達成という偉業を成し遂げたパク・ユチョンが出演した『ミス・リプリー』(2011)
日本に養子に出されたチャン・ミリ(イ・ダヘ)が韓国に戻り、いくつもの嘘を積み重ねながらホテルaの総支配人チャン・ミョンフン(キム・スンウ)と、モンドグループの御曹司ユタカ(パク・ユチョン)を騙し、夢をつかもうとする愛憎劇。ユチョンが歌う挿入歌『君のための空席』も話題に。
ユンホ:『野王~愛と欲望の果て~』 (2013)
■ 準主演
■ 最高視聴率:26.7%
■ 主人公のダヘと結婚するが、彼女の欲望と過去を疑うドフン役。爆発事故で無念の死を遂げる。

ドラマ『野王~愛と欲望の果て~』(画像出典:SBS)

アイスホッケー選手のドフン役を演じたユンホ(画像出典:YouTube SBS Drama動画キャプチャー)
K-POP界最高峰グループ、東方神起(TVXQ)のユンホが出演した『野王~愛と欲望の果て~』。ドラマ『天国の階段』(2003)への出演から日本でも人気のあるクォン・サンウが主演、ヒロイン役のスエが悪役を演じた。
孤児院で出会ったハリュ(クォン・サンウ)とダヘ(スエ)は愛し合っていたが、ダヘは憧れの大企業に務めるようになってから態度が豹変する。その大企業の御曹司で、アイスホッケー選手のドフン(ユンホ)はダヘを愛し、裏切られたハリュは復讐の道へ進むことに。悲恋の運命を辿っていくユンホの演技は視聴者の涙を誘った。
チャ・ウヌ:『新米史官ク・ヘリョン 』(2019)
■ 主演
■ 最高視聴率:7.3%
■ 恋愛経験ゼロの王子イ・リム役

ドラマ『新米史官ク・ヘリョン 』(画像出典:MBC)

恋愛経験ゼロの王子イ・リム役を演じたチャ・ウヌ(画像出典:MBC)
K-POPアイドル界で最上級のルックスを持つASTRO チャ・ウヌの地上波初主演作で初の時代劇。シン・セギョンの相手役を演じ、現在Netflixジャパンでも配信されている。
朝鮮初の女性史官ク・ヘリョン(シン・セギョン)と、恋愛経験ゼロの王子イ・リム(チャ・ウヌ)が様々なトラブルに巻き込まれながらも、互いの距離を縮めていく。架空の朝鮮時代を背景にしたフィクション時代劇ラブロマンスだったが、他のドラマと比べると、少し残念な成績となってしまった。
パク・ヒョンシク :『家族なのにどうして ~ボクらの恋日記~』 (2014)
■ 主演
■ 最高視聴率:43.3%
■ チャ・スンボン家の末っ子チャ・ダルボン役。母親が出産途中、命を落としたという数奇な運命の持ち主

ドラマ『家族なのにどうして ~ボクらの恋日記~ 』(画像出典:KBS)

就職浪人の主人公チャ・ダルボン役を演じたパク・ヒョンシク(画像出典:YouTube KBS Drama動画キャプチャー)
ZE:A(ゼア)のメインボーカル、パク・ヒョンシクが主演し、年末の演技大賞で新人賞を受賞、人気アイドルとなった。
就職浪人の主人公チャ・ダルボン(パク・ヒョンシク)の前に突然現れた婚約者カン・ソウル(ナム・ジヒョン)、そしてライバルのユン・ウノ(ソ・ガンジュン)との三角関係や、兄姉の恋の行方など家族の絆を描いたハートフル・ラブコメディで、全53話の長編ドラマだったにも関わらず高い視聴率を獲得し、大成功を収めた。
ユク・ソンジェ :『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(2016-2017)
■ 助演
■ 最高視聴率:18.7%
■ 財閥の御曹司ユ・ドクファ役

ドラマ『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(画像出典:tvN)

シンの家臣の子孫ユ・ドクファ役を演じたユク・ソンジェ(画像出典:tvN)
BTOBの最年少メンバー ユク・ソンジェは、『コーヒープリンス1号店』(2007)などで人気俳優となったコン・ユ主演の『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』に出演。日本でもかなり人気があったドラマの一つだ。
高麗時代の英雄キム・シン(コン・ユ)は、神の力で胸に剣を刺したまま不死身の体を得る。その剣を解き放つことができるのは、”トッケビの花嫁”と呼ばれる存在ただ1人だけ。そしてシンは、自分がトッケビの花嫁だと言うチ・ウンタク(キム・ゴウン)と出会う。一方、シンの家臣の子孫であるユ・ドクファ(ユク・ソンジェ)が、死神(イ・ドンウク)にシンの家を勝手に貸したことにより、奇妙な共同生活が始まる。死神はチキン店の社長サニー(ユ・インナ)と出会い、シン、ウンタク、死神、サニーの4人の恋と運命が動き出す。
イム・シワン :『ミセン-未生-』
■ 主演
■ 最高視聴率:10.3%
■ 囲碁の世界で生きてきた主人公チャン・グレ役

ドラマ『ミセン-未生-』(写真提供:©スポーツ韓国)

主人公チャン・グレ役を演じたイム・シワン(画像出典:YouTube tvN動画キャプチャー)
ZE:A(ゼア)のリードボーカル、イム・シワンが主演し、日本でもリメイクされたドラマ『ミセン-未生-』
小さい頃から囲碁の世界で生きてきた主人公チャン・グレ(イム・シワン)がプロ試験に失格し、母のコネである商社にインターンとして入社、そこで出会った上司(イ・ソンミン)や同僚(カン・ハヌル、カン・ソラなど)とともに働きながら日常を生きていくヒューマンドラマで、ドラマとは思えないようなリアルさが視聴者の共感を呼び、「ミセンシンドローム」という社会現象まで巻き起こした。
チェ・シウォン :『彼女はキレイだった』(2015)
■ 準主演
■ 最高視聴率:18.0 %
■ ヘジンに片思いする記者シニョク役

ドラマ『彼女はキレイだった 』(画像出典:MBC)

変わり者の記者シニョク役を演じたチェ・シウォン(画像出典:MBC)
ドラマ『梨泰院クラス』(2020)のヒットでで現在人気急上昇中のパク・ソジュンと、アイドル出身の女優ファン・ジョンウムが主演したラブストーリー。SUPER JUNIORのメンバーと並行して俳優活動もしているチェ・シウォンが、準主演ながらもコミカルな役柄で物語にインパクトを残した。
幼馴染のソンジュン(パク・ソジュン)とヘジン(ファン・ジョンウム)が上司と部下として15年ぶりに再会し、互いに少しずつ惹かれあうが、ヘジンの親友ハリ(コ・ジュニ)もソンジュンを想っていた。そしてヘジンに片思いする変わり者の記者シニョク(チェ・シウォン)も加わって、4人の恋が絡み合ったロマンチック・ラブコメディー。年末の演技大賞では、10冠を獲得した人気作品だ。
昔のドラマの視聴率が今より高いのは、最近の若者のテレビ離れからのネット視聴へ移っている影響もありそうだ。アイドルと俳優の肩書を持つのは厳しい部分もあるかもしれないが、演技ドルとしての実力を世間の声に負けず、どんどん見せていってほしい。
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