パク・チャヌク監督作『親切なクムジャさん』(05)以来、イ・ヨンエの14年ぶりのスクリーン復帰作『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』が現在日本で絶賛上映中だ。6年前に失踪した息子を捜し続ける看護師のジョンヨンに扮し、真実を追い求めて粘り強く我が子を探し続ける母親を演じている。自身も二児の母であるイ・ヨンエは本作に何を感じ、演じたのだろうか。
9月18日より日本で公開された『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』。すでに鑑賞した人からは「これが韓国ノワールの凄み‥圧倒された」「1秒も目を離せない程のめり込んで見た」「これを復帰作に選んだイ・ヨンエに拍手」など絶賛の声が続々と上がっている。これまでも映画『JSA』(2000)で見せた聡明な姿から、『親切なクムジャさん』(2005)での壮絶なる復讐者の姿まで、幅広い表情を見せてくれた彼女が、本作をスクリーン復帰作に選んだ心境などを、オフィシャルインタビューで語っている。
―― 14年ぶりにスクリーンに帰ってきたお気持ちはいかがですか。
イ・ヨンエ そんなに時間が経ったのかとも思いますし、昨日のことのようにも感じますし、万感の思いです。うれしいです。
―― 久しぶりの映画の撮影現場はどうでしたか。
イ・ヨンエ 大きく変わったことはありませんが、一番新鮮だったのは、以前は徹夜での撮影が多かったでしょう。でも最近はそうじゃないんです。終了時間が守られるので、私としてはとても助かりました。

―― 本作のシナリオを読んで、どんな感想を持ったか教えてください。
イ・ヨンエ 緻密で完璧な演劇の台本を読んでいるようでした。もちろんジョンヨンの役柄も重要ですが、関わっていく村の人々みんなが主人公です。1人1人が本当にうまく演じてこそ、成り立つ作品だと思いました。途中でドラマには出演しましたが、思いがけず長期間、女優の仕事を休んでいた私にとって、この映画に関しては長い間待った甲斐のある作品だと確信しました。長い間待った分、本当に久々に見てもらいたいと思える作品だと、そう思いました。
―― 緻密な復讐を始めるクムジャさんに続き、今回の作品では子供を捜すために1人で見知らぬ地に飛び込むジョンヨンを演じられましたが、今回の役を演じるうえで重点を置いた部分はどこか教えてください。
イ・ヨンエ あえて共通点を挙げるなら、『親切なクムジャさん』も『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』も母性愛のある母親を演じています。でも大きな違いは、私が実生活でも母親になったということです。だからこそ、あらゆることを立体的に感じて表現することができたし、母親になったからこそ、とても辛かったです。『親切なクムジャさん』のように、この作品が大きな転換点になるのではないかと、そんな期待と願いがあります

(c) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
―― 14年ぶりの復帰作に本作を選んだのは、どういった部分に心を動かされたからですか?
イ・ヨンエ スリラーですが、温かく感動がある部分が気に入りました。それから、いい人ばかり出てくるわけではなく、無茶苦茶な人たちも出てきますがそれが現実というものですし、自分を振り返る余韻があることも、この作品を選んだ大きな理由です。私は少し遅めに結婚して家庭を持ち母親になったので、それに集中していたらあっという間に年月が経っていました。20代30代は俳優として自分のことだけを考えて生きていましたが、40代は家族と子供に集中する時間でした。それが養分となり、こうしていい作品に巡りあうことできたのではと思います。
―― ユ・ジェミョンさんやパク・ヘジュンさんとの初共演はいかがでしたか?
イ・ヨンエ ユ・ジェミョンさんには本当にびっくりしました。普段は穏やかな方なのに、現場ではまさに役柄そのものなんです。監督と何度もこう言っていました。「パク・ヘジュンさんやユ・ジェミョンさんとご一緒できて、私たちはなんて幸せなんだろう」と。スタッフも優秀な方ばかりでしたし。皆さんが、私の復帰作だからと参加してくださり、本当に幸せなことだと思いました。ユ・ジェミョンさんともご一緒しながら、毎日ありがたいなと思っていました。私が長いブランクを経てカメラの前に立った時、大きな力になってくださいました。パク・ヘジュンさんも、受けてくださったらいいなと思っていましたが、快諾してくださいました。『毒戦 BELIEVER』(2018)の時とは180度違う役柄ですが、本当の夫のようで頼りがいがあり、大きな存在感を示してくださいました。映画をご覧になればお分かりいただけると思います。

(c) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
―― 水中から干潟、そしてアクションまで、体を張った撮影の連続でしたが、14年分のエネルギーをこの作品に注ぎ込んだのではないかとも思います。撮影は辛くありませんでしたか?
イ・ヨンエ 辛かったですが、共演者の方々や監督、スタッフの皆さんがひたむきに情熱をもって取り組んでくださる中で、辛いなんてとても言えません。それに、メイクさん、美術監督さん、衣装監督さん、皆さん『親切なクムジャさん』でご一緒した方々です。そんな厚い友愛に応えるためにも一生懸命撮影に臨みましたが、編集でカットされた部分もあります。その時の現場写真を改めて見て、涙が出そうになりました。
『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』
看護師として働くジョンヨン(イ・ヨンエ)は、夫ミョングク(パク・ヘジュン)と共に、6年前に失踪した息子ユンスを捜し続けていた。捜索途中に起こった悲劇的な事故の後、憔悴しきった彼女の元に「ユンスに似た子を、郊外の漁村で見た」という情報が寄せられる。しかし、漁村へとやってきたジョンヨンの前に立ちはだかったのは、釣り場を営む怪しげな一家だった。口を閉ざす村の人々、非協力的な地元警察。この村は何かがおかしい‥。
9月18日(金)より、全国順次公開中
配給:ザジフィルムズ/マクザム
(c) 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
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監督・脚本:キム・スンウ(第一回監督作品)
出演: イ・ヨンエ(『親切なクムジャさん』「宮廷女官チャングムの誓い」)、ユ・ジェミョン(「梨泰院クラス」「秘密の森」)、イ・ウォングン(「グッド・ワイフ」)、パク・ヘジュン(「夫婦の世界」『毒戦 BELIEVER』)
原題:나를 찾아줘/英題:BRING ME HOME/2019年/韓国/韓国語/108分/字幕翻訳:朴澤蓉子/PG-12
提供:マクザム
公式サイト:https://maxam.jp/bringmehome/
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