- 『医師チャ・ジョンスク』(JTBC)で主演を務めているオム・ジョンファは、女優としてはもちろん歌手としても活動を繰り広げてきた人物だ。
- “韓国のマドンナ”と言われるほど一世風靡した人物なのだが、歌うことを一旦休んでいた時期がある。
- 甲状腺がんを克服し、執念で歌手業に復帰したドラマチックな彼女の人生の一部をご紹介。

JTBCドラマ『医師チャ・ジョンスク』(画像出典:JTBC)
JTBCドラマ『医師チャ・ジョンスク』が、韓国で視聴率を巡るトップ争いを繰り広げている。
また日本では5月30日現在、Netflix(ネットフリックス)“今日のTV番組TOP10(日本)”で2位に。配信開始以降、連日ランクインし絶大なる支持を得ている状況だ。
残り2話残っているが第4話の段階で視聴率は2桁台を超え、20%を超えそうな勢いで、すでに大成功したようなもの。
面白いストーリーや演出はさることながら、主演を務めたオム・ジョンファの活躍が大きかったようだ。
そんな彼女は現在、ドラマだけでなくバラエティーの場でも活躍中。視聴者の笑いを誘っている。
彼女が出演しているのはtvNで5月25日からスタートした『ダンス歌手流浪団』。韓国でトップクラスのダンスアーティストであるキム・ワンソンやイ・ヒョリ、BoA(ボア)、MAMAMOO(ママム)のファサらが、全国を回りながら即興でコンサートを開催する番組だ。

ドラマだけでなく、tvNバラエティー『ダンス歌手流浪団』でも活躍中のオム・ジョンファ(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
オム・ジョンファもそのメンバーの1人。「女優なのになぜ?」と思う人もいるかもしれないが、実は彼女は1992年に役者デビューし翌年歌手としても活動をスタートした。
かつては“韓国のマドンナ”と言われたほどで、90年代から2000年代序盤にかけて全盛期を迎え、彼女抜きでは当時の女性シンガーを語れないと言っても過言ではない。
またK-POP界を長きに渡って牛耳っているパク・ジニョンが、舞台上での表現力の高さに言及し、彼女の右に出る者はいないと絶賛したことも。本国の歌謡界を先頭に立って引っ張り、多くの人の心を虜にしてきた人物だ。
2000年代に入ると多少人気が落ち着いたものの、2008年には『DISCO』がヒット。アーティストとして再び脚光を浴びることに。歌手活動を始めて以降この時まで、比較的コンスタントに楽曲を発表していた。
ところが『DISCO』以降、一時歌から離れていた時期が。歌手デビュー前には合唱団に所属するなど、歌うことが好きだった彼女がなぜだろうか。
その理由は、身体の病だった。なんと甲状腺がんの診断を受けたのだとか。2010年5月に手術を受け幸い完治したものの、その影響で声帯の神経が麻痺し、しっかりと閉まらないという後遺症に悩まされることに。
術後すぐは、首のあたりから空気が抜けるような音がして、あまりのショックで精神に異常をきたすのではないかと思うほど追い詰められ、自分の人生は終わったとまで考えたという。しかも残酷にも、得意だった音域が出せなくなってしまう。
歌が好きで一時期は歌手として一世風靡した彼女、まだまだこれからというところで耐えがたい現実と向き合うことを余儀なくされてしまった。
ところがここからの彼女の執念がすごかった。まさにドラマチックとはこのこと。普通ならメンタルを立て直すのも難しい状況だが、なんと友人にボーカルトレーナーを紹介してほしいと依頼。
歌手業に復帰するためトレーニングを受け、2020年にはアルバムを出せるまで回復、見事にがんを克服した。

歌手業に復帰後『Hop In』を発表した時のオム・ジョンファ(画像出典:オム・ジョンファ公式Instagram)
その間には、ファン・ジョンミンと共演した2012年公開の映画『ダンシング・クイーン』にも出演。観客動員数400万人を記録するなど、女優としての活動にも手を抜かなかった。
日本でも多くの人に楽しまれたパク・ソジュンとの共演作『魔女の恋愛』(tvN/2014)も、放送された年から考えると、おそらく苦しい現実と戦っていた時期に携わった作品だろう。
これ以外にも多くの作品に出演している。彼女は役者としても歌手としても一切の妥協をせず、全力で取り組んできたようだ。
そして現在は、冒頭で触れた『医師チャ・ジョンスク』で第2の全盛期を迎えることに。
打ちひしがれるような現実にぶつかった時、前を向こうにもなかなか思い通りにはいかないもの。
しかしそんな時に歯を食いしばり、諦めなかったオム・ジョンファ。彼女の強い執念に、拍手を送りたい。
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