- 韓国芸能界で”韓国映画の不振”が話題となっている。
- 最近、日本のアニメ映画が韓国国内で成功を収めているが、国内映画は観客動員数が伸び悩んでいるのだという。
- その中には人気俳優を起用したのにも関わらず、結果が出ないというケースも。今回は韓国映画不振を象徴する韓流スターの作品を見ていこう。
韓国ドラマやK-POPなど世界的な注目を集め、多くのファンから愛されている韓流コンテンツ。
そんな中、2023年の韓国芸能界で”韓国映画の不振”が最もホットなキーワードとなっている。
不振といわれる大きな理由は、韓国国内での観客動員数の伸び悩みだ。
ここ最近では日本のアニメ映画が勢いを見せており、日本国内でも話題となった映画『THE FIRST SLAM DUNK』の韓国の観客動員数は446万人(4月14日時点)を記録。
さらに新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』は、4月28日時点で500万人を突破し、今年韓国で公開された映画で初の500万人超えとなった。
このような日本アニメの大成功から、韓国メディアの報道には「日本アニメに惨敗」という見出しも登場。
また、大ヒットを狙うためにトップスターを起用するものの、不振に苦しんだケースも少なくない。
特に韓国映画はドラマよりも男性スターの影響力が大きいといわれているが、中には本領発揮をすることなく、公開期間を終えてしまうという不発のパターンも。
今回は、そんな韓国映画の不振を象徴する、男性トップスターの起用もむなしく、低成績となった作品をご紹介する。
ヒョンビン『交渉』
国民的俳優のヒョンビンとファン・ジョンミンが共演した映画『交渉』。
本作では外交官のチョン・ジェホ(ファン・ジョンミン扮)と国家情報院要員パク・デシク(ヒョンビン扮)が拉致事件の人質となった韓国人をタリバンから救出するため、交渉作戦を行う様子が描かれている。
海外の美しい映像のほか、豪快なカーアクションなども盛り込まれており、ヒョンビンの無造作で型破りな外見も話題を呼んだ。
公開日の1月18日が旧正月の連休であったことから、当時は1000万人動員が期待されたが、5月時点で観客動員数は約170万人という結果に。
これは費用回収の基準となり、損益ゼロの売上高を示す損益分岐点の約半分の数字となっている。
クォン・サンウ『スイッチ』
韓流スターの一人として日本でも知名度の高いクォン・サンウ。
彼が主演を務めた映画『スイッチ』は、華やかな生活を送っていたトップスター俳優のパク・ガンとマネージャーの人生が入れ替わる、愉快なコメディ作品だ。
1月4日に公開され、劇中では2回目の人生に適応するために奮闘する主人公の姿が描かれた。クォン・サンウはコミカルな演技を披露し、観客に温かな笑いを届けている。
相手役をイ・ビョンホンの妻である、女優のイ・ミンジョンが務め注目を集めたが、観客動員数は約28万人と、損益分岐点の半分にも及ばない結果となった。
ソル・ギョング『幽霊』
俳優のソル・ギョングやイ・ハニ、パク・ソダム、パク・ヘスなど豪華キャストが出演した映画『幽霊』。
1月18日に公開された本作は、抗日組織のスパイ幽霊という疑いをかけられ、ホテルに閉じ込められた人々が、脱出のために死闘を繰り広げるスパイアクション映画だ。
1933年の日本統治時代を舞台にしており、緊張感の漂う予測不可能なストーリー展開が観客の興味関心を誘っている。
損益分岐点は335万人とされていたが、同時期に映画『THE FIRST SLAM DUNK』が公開されたこともあり、観客動員数は約66万人と1/5の水準に。
これまでIMAXで上映された韓国映画の中では、最も低い観客数を記録した作品となっている。
イ・ソンギュン『キリング・ロマンス』
映画『キリング・ロマンス』は、演技批判が原因で引退を決意したトップスターのヨレが南太平洋のクァラ島を訪れ、島の大地主であるジョナサンやファンクラブ3期出身のボムと出会い、カムバック作戦を実行する物語。
イ・ソンギュンはヒロインのヨレの夫であるジョナサンを演じており、妻を所有物のように扱うナルシストぶりを披露。
他にも女優のイ・ハニやコンミョンなどが出演しており、3人は格別なケミストリー(相手との相性)を発揮している。
4月14日に公開された本作は、5月3日基準で約18万人の観客動員数を記録。これは損益分岐点の1/10程度の数字となっている。
パク・ソジュン、IU『ドリーム』
パク・ソジュンとIU(アイユー)の共演作として注目を浴びた映画『ドリーム』。
4月26日に公開された本作は、2010年に韓国が初出場したホームレスワールドカップの実話をモチーフに制作された作品だ。
劇中では元サッカー選手のホンデ(パク・ソジュン扮)と、プロデューサーのソミン(IU扮)がホームレスを集めて韓国代表の選手グループを作り、不可能な夢に挑戦する姿が描かれている。
メガホンを取ったのは韓国で観客動員数1,626万人を記録した映画『エクストリーム・ジョブ』のイ・ビョンホン監督。
VIP試写会にはBTS(防弾少年団)のVやジョングクなど、数多くの韓国スターたちが出席したことでも話題となった。
俳優陣やスタッフなど申し分ないメンバーが揃った作品であったが、5月23日基準で観客動員数は111万人。損益分岐点の約1/2という、期待作としてはあまり振るわない結果となっている。
***
人気韓流スターが出演しているのにも関わらず、全体的に落ち込みを見せる韓国映画界。不振が続いている理由の一つとしては、映画のチケット料金の高騰が挙げられている。
一体この状況はいつまで続いていくのだろうか。今後の韓国映画界の動向にも注目が寄せられている。
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