見る者を胸キュンさせる演技をすることで有名な“ロマンス職人”こと、俳優のヨン・ウジンが、デビュー14年以来の大変身を遂げ、2つの作品の主人公として帰還した。自身が変化するに至った背景や、今後の目標について語ったインタビューをお届けする。(記事・写真提供:ⓒ 女性東亜)
俳優のヨン・ウジンが、テイストの全く異なる2つのラブストーリーの主人公として戻って来た。
彼の“ロマンス職人”としての一面が発揮された、JTBCドラマ『39歳』の皮膚科医“キム・ソンウ(キム・ソヌ)”役と、映画『人民のために服務せよ』の野獣のように、欲望と快楽を追い求める危険な兵士“ムグァン”役だ。
デビュー以来、最も大胆な変身を見事に遂げたヨン・ウジンに会った。
彼のギャップある経歴には、興味深いものがある。映画では、『ときめきプリンス婚活記(邦題/2018)』や『特送(2022)』を始め、ドラマでは、tvN『内省的なボス(2017)』、SBS『法廷プリンス-イ判サ判-(邦題/2017)』 、KBS2『七日の王妃(2017)』、tvN『恋愛じゃなくて結婚(2014)』などを通して、スクリーンとお茶の間を行き来しながら愛されてきた。
しかし、最近公開された映画やドラマで披露した姿は、性格から外見に至るまで、これまでとははっきりと異なっている。
まず、現在放送中のJTBC(Netflix)ドラマ『39歳』を見てみよう。ヨン・ウジンはこの作品で、イケメンの皮膚科医、キム・ソンウを演じている。
ソン・イェジンの相手役として登場し、”紳士的な笑顔”とスーツ姿で人の心をつかみ、出会ってたった3回目で相手をベッドに誘うという、“大人の愛”を披露した。これは“ロマンス職人”、“キス職人”と呼ばれているヨン・ウジンらしい、さすがの演技だ。
そのおかげか、ドラマの放送わずか2話目にして、韓国で視聴率5.1%を記録。長期不振に陥っていた、JTBCドラマの救世主として浮上している。
かと思えば、2月23日に公開された映画『人民のために服務せよ』では、ムグァンという兵士役を演じ、“欲望”や“快楽”という言葉で表現するのにぴったりな、濃度の高いロマンスを披露。
信念を貫こうとする強い思いと、人には言えない誘惑の間で葛藤する演技はもちろん、ハードルの高いベッドシーンまで完全にやり切った。
同映画は、1970年の社会主義国家を背景に、出世を夢見る模範兵士のムグァン(ヨン・ウジン扮)が、師団長(チョ・ソンハ扮)の年の若い妻であるスリョン(ジアン扮)と出会い、越えてはいけない壁と、危険な誘惑の間で葛藤しながら繰り広げられる話を描いた物語だ。映画『シークレット・ミッション(邦題/2013)』を演出した、チャン・チョルス監督の復帰作となる。
本作では容姿も一変させ、それまでより6kg程減量しこんがりと肌を焼いた。“甘い都会の男”の様相は跡形もなく消え、荒々しい雄の香りが色濃く漂う。
今回のインタビューで、『39歳』の制作発表会に出席した際、彼だけが真っ黒に日焼けしていたというエピソードを笑って明かす場面があった。
核心的変化を欲して決めた映画出演
――ドラマと映画が同じタイミングで公開されました、この事について、どのようなお気持ちですか?
ヨン・ウジン:2022年になって、実現したいバケットリストがあったんですが、それを1つずつ着実に実行している気分です。すごくワクワクもしますし。
――映画『人民のために服務せよ』は大胆な内容の作品ですが、出演を決めた理由を教えてください。
ヨン・ウジン:チャレンジ精神があったんでしょうね。tvNドラマ『恋愛じゃなくて結婚(2014)』の撮影を終えた直後に、この映画の台本をいただいたんですが、革新的な物への欲求があったんだと思います。『人民のために服務せよ』では、欲望にむしばまれて現れた人間の本性が、非常に面白く表現されていると思ったんですよ。それで台本を読んだ時、他の俳優がやることになったら嫉妬しそうな気がしたくらい、この役を絶対にやりたかったんです。もし僕が、商業的な側面を考えるタイプだったら、おそらく他の選択をしていたと思います。
――今回の映画とドラマ『39歳』の役、キャラクターがかけ離れているのが興味深いです。
ヨン・ウジン:2つの作品は、愛の描かれ方が全く違いますし、その中で僕が作品ごとに異なる印象が残せていたら、とても満足です。映画からは、(今までよりも)少し深みのある演技と、僕の思いを伝えることができたらうれしいです。
演技の原動力は、ズバリ”家族”
――先程、お話にあったバケットリストの一部を教えていただけますか?
ヨン・ウジン:バックパッカーで、巡礼路に一度行ってみたいと思っています。巡礼路を歩きながら、そこで出会う僕の人生の変化を受け入れたいです。最近、濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー(2021)』をとても楽しく拝見しました。その映画の影響もあると思いますが、最近、自分の中で何か変化の時期だという思いもあって、旅に出たいんですよね。
――映画『人民のために服務せよ』の主人公のように、何かに強く引き込まれた経験はありますか?
ヨン・ウジン:家族ですかね。家族は僕の最大のパワーで、こうして演技できるのも、家族が原動力になってるんです。現在も大切に思う気持ちで一杯ですが、この先もそうありたいです。そしていつか、避けられない程に心を奪われる誰かが僕の隣にできたなら、その方と家族になって、さらに一生懸命尽くすと思います。
――映画では、ツヤのない日焼けした肌と、がっちりした体が印象的でした。何か努力をされたんでしょうか。
ヨン・ウジン:故郷の江原道(カンウォンド)で日焼けをしました。日焼けサロンにも一度だけ行ってみたんですが、自然に焼いた方がいいかなと思って。江陵の海辺を歩きながら作品のことを考えて、スンドゥブとコーヒーを飲みながらダイエットしました。そのおかげでノーメイクで撮影できたし、努力が映画に反映されているようで、気分が良かったです。ただ肌の色がなかなか戻らなくて‥。『39歳』のドラマ制作発表会では、僕だけすごく真っ黒でした(笑)。
――『39歳』で相手役のソン・イェジンさんが結婚を発表されましたが、お祝いの言葉は伝えられましたか?
ヨン・ウジン:お互い私的な話をするタイプじゃないので‥。でも結婚の知らせを聞いて、とてもうれしかったです。個人的に、“女優ソン・イェジン”がとても好きなので、結婚された後の、人生の第2幕で見せてくれる先輩の演技に、とても期待しています。
――ヨン・ウジンさんにとって2022年は30代最後の年(韓国年齢)ですが、達成したい目標や計画があればお聞かせください。
ヨン・ウジン:新型コロナウイルスの影響もあるとは思いますが、個人的に少し孤立した生き方をしてきたなと思っているんです。1人で悩んで、それに対する答えも1人で見つけようとしてきたなと‥。40代では、もう少し人とコミュニケーションを取る役者になりたいですね。これまで自分が作ってきた壁を取り払って、自身を振り返る時間を持ちたいです。そしたら、演技ももう少しうまくできるんじゃないかなという気がします。
(女性東亜 ジョン・ヘヨン記者 / 翻訳・構成:西谷瀬里)
本記事は韓国メディア Donga.com Co., Ltd.が運営する女性東亜の記事内容の一部あるいは全部 及び写真や編集物の提供により作成されております。
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