俳優ソ・イングクの主演ドラマ、KBS2(Netflix)『美男堂の事件手帳』がまずまずのスタートを切った。しかしその一方で「ドラマを純粋に楽しめない」という視聴者も現れている。その理由は、最近メディアを騒がせているあの”議論”にあるようだ。

俳優のソ・イングクが”名物男巫”に扮した、KBS2(Netflix)『美男堂の事件手帳(以下、美男堂)』が、6月27日に初放送を迎えた。

KBS(Netflix)『美男堂-事件手帳』はソ・イングクとオ・ヨンソが主演

ソ・イングクとオ・ヨンソが主演する新ドラマ、KBS(Netflix)『美男堂-事件手帳』(画像出典:KBS)

視聴率調査会社ニールセンコリアによると、初回視聴率は5.7%を記録。

最近、韓国ドラマ界では視聴率が3%台の作品が多く、そのことから見れば悪くない数字と言えるだろう。

本作はNetflix(ネットフリックス)でも配信されており、日本でも視聴が楽しめる。

進化し続ける俳優、ソ・イングクが主演とあって、彼のファンだけでなく、日本の韓ドラファンからも注目されている期待作だ。

国内外から熱い視線が注がれ、まずまずのスタートを切った『美男堂』。しかしその一方で、”純粋に楽しめない”作品になってしまったとの声も聞かれている。

ソ・イングクは劇中、“巫女界の異端児”ナム・ハンジュンを演じる

劇中、“巫女界の異端児”ナム・ハンジュンを演じるソ・イングク(画像出典:KBS 公式Facebook)

その理由は、制作スタッフの労働環境問題が議論となっているから。

昨年12月から撮影がスタートした『美男堂』は、そのスケジュールはかなり厳しいものだったという。

過酷な業務が続いたため、撮影スタッフは再契約の際、制作会社に対して「労働基準法の遵守、及び労働時間の短縮」を要求する。

だが、制作会社側はこれを受け入れず、異議を申し立てたスタッフとの再契約を拒否し、事実上の解雇へ。

またこれらの議論について、該当作の放送局であるKBSは「KBS制作のドラマではない」という立場を明かし、責任を取ろうとしないその姿勢が批判されている。

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作品のファンを誕生させることはできるのか?第1話、第2話ともにまずまずの視聴率を記録

第1話、第2話ともにまずまずの視聴率を記録。作品のファンを誕生させることはできるのか(画像出典:KBSドラマ公式Instagram)

本作にこの議論が浮上してからというもの、メディアに取り上げられる内容も議論一色となってしまい、せっかくの作品の良さが報じられないという憂き目に遭っている。

そのせいで、ドラマを楽しみにしていた視聴者の脳裏にも”議論”がチラついてしまい、純粋に作品が楽しめなくなってしまったようだ。

これ以前にも、韓国ドラマ界で似たような出来事が発生している。

それは、俳優のチョン・ヘインと、BLACKPINK(ブラックピンク)ジスの共演で大きな関心を集めた、JTBC『スノードロップ(2021)』だ。

JTBC『スノードロップ』はさまざまな議論に巻き込まれていた

さまざまな議論に巻き込まれていた、JTBC『スノードロップ』(画像出典:JTB)

『スノードロップ』は、放送前に歴史歪曲議論が、放送開始後にはヒロインを演じたジスの演技力議論が勃発、あらゆる批判世論が巻き起こっていた。

そして”作品性”よりも”議論”にスポットが当たってしまい、物語の核心については、ほぼ触れられない状況に。結局、大きな話題になることもないまま、ドラマは最終回を迎えるのだった。

その結果、視聴者からの印象は薄く「あのドラマは何だったの?」という疑問だけが残り、”幻”のような作品という立ち位置になってしまった。

『美男堂』と『スノードロップ』で、議論となった対象が違うものの、どちらも受け手である視聴者にとって、ドラマを純粋に楽しめない”不本意な要素”が加わった形だ。

いまや、世界的な人気を誇るコンテンツとなった韓国ドラマ。

しかし、そうなるにはまず、自国のドラマファンから支持される作品であってこそではないだろうか。

(構成:星野沙)




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