3年前の今日、女優の故チョン・ミソンさんが亡くなったという衝撃的なニュースが届けられた。偉大な女優を失ってしまった悲しみに加え、彼女を不憫に思う大衆も多かったそうだ。それは、彼女がこれまで披露してきた数々の”名演”ゆえのことだったという。

韓国女優、故チョン・ミソンさんがこの世を去ってから3年の時が過ぎた。

三回忌となった今日、ドラマファンからは故人を偲ぶ声が寄せられている。

日韓のドラマファンから愛されている、故チョン・ミソンさん

故チョン・ミソンさんは今も、日韓のドラマファンから愛されている(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

故チョン・ミソンさんは生前、数多くのヒットドラマに出演。その名演から韓国だけでなく、日本でも多くのファンを誕生させた。

愛され続けた女優人生、そのスタートとなったのは高校生の時。

高校在学中の1986年に、MBC『サンタクロースはいるのか』で女優デビューした彼女は、以後、『ファン・ジニ(2006)』をはじめ、『製パン王キム・タック(2010)』『太陽を抱く月(2012)』『雲が描いた月明り(2016)』『応答せよ1988(2016)』などのドラマから、映画『殺人の追憶(2003)』まで、数々の話題作に出演。ブラウン管からスクリーンを縦横無尽に駆け巡り、活躍を見せてきた。

印象深い母親役を演じた『製パン王キム・タック』

『製パン王キム・タック』では、印象深い母親役を演じた(画像出典:Youtube スクリーンショット)

数多くの人気作に出演してきた彼女であるが、女優人生を語る上で欠かせない作品は『製パン王キム・タック』だろう。

主人公を厳しく育てる一方で、温かな心を持つ母親役に扮し、”タック オンマ(お母さん)”という愛称で親しまれるように。日本でも長きにわたり、多くの韓流ドラマファンにその存在感を見せつけてきた。

また、日本でも大ヒットとなった、パク・ボゴム主演ドラマ『雲が描いた月明り』では、王の側室である淑儀朴(スギ・パク)氏に扮し、美しく端正な外見と優しい性格で、無力感に苛まれている王を温かく見守る姿を披露。

『恋のスケッチ ~応答せよ1988~(邦題)』では、ドクソン(Girl’s Dayヘリ扮)一家の長女、ソン・ボラの現在(48歳)の姿として登場し、お茶の間を大いに沸かせた。

これ以外にも『ロイヤルファミリー(2011)』や『烏鵲橋の兄弟たち(2011)』『帰ってきたファン・グムボク(2015)』など、高視聴率を記録した作品にも顔を覗かせている。

故チョン・ミソンさんは、観る者の心に残る、名演の数々を披露

観る者の心に残る、名演の数々を披露した故チョン・ミソンさん(画像出典:ボアスエンターテインメント)

作品の興行を見抜く選球眼と演技力が非常に優秀な女優であった、故チョン・ミソンさん。

1980年代以後、ドラマトレンドや演技の流れで少しも遅れを取ることなく高い水準を維持し、その優れた演技力は常に称賛を浴びている。

だが、彼女が演じるキャラクターには特徴があった。

劇中、苦労する役や亡くなってしまう役が多くみられている。特に、時代劇では主人公の最側近、もしくはストーリーの重要なネタを持った人物として登場し、その大半が死亡したり悲劇的なエンディングとなっている。だが、主人公はそれをきっかけに覚醒する姿を見せてくれたりもした。

あらゆるキャラクターを演じてきた俳優とは違い、故チョン・ミソンさんが演じたキャラクターにはどこか影がつきまとう、寂し気な雰囲気のものが多かった。

悲しい人生を数多く演じてきたからか、ドラマでの出来事ではなく、彼女自身が苦労してきたかのような錯覚に陥るドラマファンも少なくはなかったよう。

そのようなイメージがついてしまったためか、彼女がこの世を去った時、偉大な女優を失った悲しみとともに、これまでの苦労を思い、不憫に感じてしまった大衆も多かったようだ。

しかしこれも、故チョン・ミソンさんの卓越した演技力があったからこそだろう。視聴者にしっかりとしたインパクトを与え、没入感を高めるほどの演技を披露してきたからだ。

悲しいイメージがつきまとう故チョン・ミソンさんだが、この一方で、黒幕キャラクターや主人公を苦境に追い込む役も多く演じてきた。その姿は『六龍が飛ぶ(2015)』で見ることができる。

比重の小さなキャラクターを演じても目を引く、韓国女優界きってのシーンスティラーであった故チョン・ミソンさん。彼女の偉大すぎる女優人生が、より悲しみを誘っている。

(構成:星野沙)





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