韓国俳優のペ・ヨンジュンとチャン・グンソク。共に”韓流スター”として日本で絶大な人気を博している人物だ。彗星のごとく現れ大衆を魅了した2人だが、韓国では日本での爆発的な人気により、これまでの功績が霞んでしまっているという。
最近、韓国の大手オンラインコミュニティーに上がってきた「韓流スターのイメージのため、国内での人気が害された気がする俳優」という話題が注目を集めている。
その内容とは「”ある作品で韓流スターとなった俳優、日本で爆発的な人気を得た俳優はこれ以前、韓国ではそれほどの人気がなかった”と国内では思われているが、実はデビュー当時からトップスターとして活躍をしていた」というもの。
つまり、韓国国内で実力派俳優として歩んできたものの、”日本で人気の韓流スター”という看板が大きすぎて過去の功績が霞んでしまった、人々の記憶から消えて語られなくなってしまった、ということらしいのだ。
ここで、ネットユーザーが代表的な例として取り上げていたのは、俳優のペ・ヨンジュン。

韓流ブームのきっかけとなったトップスター、俳優ペ・ヨンジュン。(画像出典:ペ・ヨンジュン公式Instagram)
ドラマ『冬のソナタ(2002)』で世界中を魅了し、一躍、韓国を代表するトップスターとなったペ・ヨンジュン。
紳士的で優しい眼差しや笑顔を絶やさない姿に、日本では”ヨン様”、”微笑みの貴公子”として愛され、多くのファンを生み出した。
さらに、その人気は日本だけでなくアジア諸国にまで広がり、世界中に韓流ブームを巻き起こすキッカケを作っている。
韓流ブームの盛り上がりにより、そのイメージが強いペ・ヨンジュンであるが、実は韓国ではデビュー当時から人気の高かったトップスターだった。
1994年に青春ドラマ『愛の挨拶』で俳優デビュー。その後、シンドローム級の人気を博したドラマ『若者のひなた(1995)』で、映画監督を夢見る財閥2世の役を演じ大ブレイクを果たす。当時、20代の女子大生からは「結婚したい男」の第1位に選ばれるほど。
そして『パパ(1996)』、『初恋(1996)』、『裸足の青春(1998)』と続けざまに休むことなくドラマ出演し、作品を軒並みヒットへと導いている。

アジアで大ブレイクした、ドラマ『冬のソナタ』(画像出典:冬のソナタ 公式HP)
特に、『初恋』は韓国放送局の単一番組史上、最高視聴率を記録。これにより、一躍”青春トップスター”となった彼は、2002年に主人公を演じた『冬のソナタ』が2004年に日本でシンドローム級の人気を博し、事実上、日本での韓流ブームのスタートを切ることになる。
数多くのドラマをヒットさせた”成功した俳優”でありながら、韓流ブームの立役者でもあるペ・ヨンジュン。
自国で、これほどの功績を持ちながらも、やはり前面に押し出されるのは”韓流スター”という看板だ。この輝きが眩しいほど、これまでの実績はその光で見えなくなってしまう。

マルチエンターテイナーと称されるアジアのプリンス、チャン・グンソク(画像出典:チャン・グンソク公式Instagram)
ペ・ヨンジュンと同じ現象が起きているのが、ドラマ『美男ですね(2009)』で日本人女性のハートを射抜いたチャン・グンソクだ。
6歳の時に子役モデルとなった彼は、1997年にシットコム『幸福も売ります』で俳優デビューを果たし、以後、子役として活躍を見せる。
成長してからは、ドラマ『ノンストップ4(2004)』、『ファン・ジニ(2007)』、『ベートーベン・ウィルス(2008)』、映画『楽しき人生(2007)』と、コミカルからハードでシリアスなキャラクターまで、自在に演じ切る実力派俳優として名を知らせていた。
そして2009年、『美男ですね』の放送を機に”アジアのプリンス”と称され、日本はもちろん、世界中にファンを誕生させていった。

『美男ですね』チャン・グンソク(画像出典:SBS Drama)
彼もまた、出演ドラマが日本で大ヒットしたことで、”日本で人気の韓流スター”という看板を背負うことになる。
両者ともに、着実に演技力を積んだ実力派俳優として韓国で愛されていたものの、”韓流スター”になってからは、その功績が語られることは少なくなってしまった。
過去に数々の実績を生み出してきただけに、このように1つのイメージだけが固執してしまうのは勿体なく、そして残念にも感じてしまう。
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