絶対的なカリスマ性とともに、中性的な魅力も持つBTS(防弾少年団)。そのビジュアルから、一時は欧米社会で批判を受けていたことも。しかし近年では、彼らのビジュアルに対し好意的な意見が広まっている。
世界中の注目と話題を独り占めにしている、7人組ボーイズグループのBTS(防弾少年団)。
5月にリリースした『Butter』に続き、今月9日に発表した新曲『Permission to Dance』でさらなる”BTSワールド”を繰り広げ、230万人を超えるARMY(アーミー/BTSファンのこと)を魅了中だ。

BTSの新曲が世界の話題となっている(画像出典:BTSオフィシャルInstagram)
『Permission to Dance』の音源は、公開初日にSpotify(スポティファイ)にて733万9385回もストリーミングされ、”グローバルトップ200″チャートの2位にランクイン。
また、ミュージックビデオ(以下、MV)は、公開からたった52時間で再生数1億ビューを達成している。
デビュー当初は”ヒップホップアイドル”として社会問題を言及していたBTSだが、最近は英語詞で肯定的なエネルギーとヘルシーなメッセージを伝えることに集中しているようだ。
『Permission to Dance』もこの例に漏れず、楽しく大衆的なメロディーに希望に満ちた歌詞を載せ、新型コロナウイルスで疲れた人々を応援し、慰めている。
MVでは、「私たちが踊るのに許可は要らない(We don’t need permission to dance)」という歌詞に合わせて、様々な人種と世代の人たちが自由に踊る姿を見せている。この一部の振付は”楽しい”、”踊る”、”平和”を意味する国際手話を活用して作られたそうだ。
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『Permission to Dance』のMVで見せた、新しい男性像
MVの舞台は広い砂漠だ。そこで7人の青年がジーンズに太いベルト、つばの広い帽子を身に着け、西部劇の主人公さながらのカウボーイ・スタイルを披露。
しかし、それは”タフガイ(Tough Guy)”の象徴とも言えるカウボーイのイメージを覆し、荒々しく強烈な魅力の代わりに、親近感のある甘い姿で希望を感じさせている。
驚異的な注目を浴びる『Permission to Dance』は、そのMVで見せた世界観が新しい概念を提示したと、世界各国のメディアが称賛を届けた。

『Permission to Dance』のMVでは新しい概念を植え付けさせた(画像出典:BTS公式FaceBook)
BTSの母国でもある韓国メディア・kukiニュースも「BTSが提示した、代案的男性像」と評価し、報じている。
続いて、「世界で最も無害なこのボーイズグループは、家父長制を支えてきた支配的な男性像に亀裂を入れ、ソフトな男性像をその代案として提示した」とし、「BTSは早くからファンと親密に疎通し、自分の感情を率直に表わし、西洋で見られる強い男性像の慣習に逆らった」と伝えた。
過去、BTSのビジュアルは受け入れられなかった
BTSの繊細なビジュアルは、性的マイノリティーのメッセージも感じさせている。
カラフルなヘラカラーに洗練されたメイクアップ、多様なデザインのファッションやアクセサリーで身を包んでいる姿は、新しい男性像を誕生させた。
しかし一方では、BTSのビジュアルがどうしても受け入れられないという欧米人がいるのも事実。
それが如実に表れたのが、欧州国のみでサッカー競技の頂点を競い合う『ユーロ2020』の公式アカウントに寄せられた、批判コメントだ。
(関連記事)BTSファン、ユーロ2020の公式アカウントに怒り「Butterへの侮辱だけが残った」
一時、”〇〇ポップ”といった性的マイノリティーと重なった嫌悪表現を用いて、目を覆いたくなるような言葉で彼らを批判した欧米社会であるが、今や各メディア誌が「男性像に関する厳格な通念を本能的に拒否する(ローリング・ストーン)」、「BTSが有害な男性像に対抗し、挑戦した(エスクァイア)」といった評価が出ている。

BTSが今後、披露していく世界観にも関心が寄せられている(画像出典:BTSオフィシャルInstagram)
欧州社会で肯定的意見が広まることについて、kukiニュースは以下ように報じている。
キム・ドホン大衆音楽評論家は「ポップ市場で優しくて肯定的なメッセージを伝える役割はニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック、ジャスティン・ティンバーレイク、ワン・ダイレクションなど、白人男性アーティストたちが占めてきた」とし「その座をBTSというK-POPアーティストが占めたという点で意味がある」と指摘した。
BTSのリーダー RMは、『ローリング・ストーン』とのインタビューで「何が男性的なのか名札を付けるのは古い観念だ」とし「僕たちがそれ(伝統的な男性像)を崩そうと意図した訳ではないが、肯定的な影響を及ぼしているのであれば嬉しいことだ」とし、「僕たちはそんな名札や制限をしてはいけない時代を生きている」と語っているという。
***
“男らしさ”や”タフガイ”なる表現が男性のあるべき姿として、我々の中に根付いていた。しかしBTSはパフォーマンスを通じてそれを覆し、多様化する未来の新しいスタイルを提示してくれた。
批判を受けてきた彼らのスタイルではあるが、それが人々の中にあった”違和感”、つまり固定観念に縛られていたことを気付かせたように思う。
一時はネガティブなイメージを覆ってしまったBTSであるが、未来を見据えたかのような彼らのパフォーマンスは、人類をより生きやすい方向へと向かわせているように感じる。
(関連記事)BTS 独走! 世界の人気ボーイズバンドはどこに消えたのか?
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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