韓国作品で描かれるゾンビは、ひと味違う。これまで見たことのなかった恐ろしさと、どこかコミカルな姿が魅力的なのだ。Netflixでは、間もなく人気ウェブコミックを実写化したゾンビドラマ『今、私たちの学校は』の配信がスタートする。そこで今回は、『今、私たちの学校は』を観る前に押さえておきたい”Kゾンビ”を題材にした韓国映画の名作3本を紹介したい。

“Kゾンビ”という言葉をご存知だろうか。世界中にゾンビを題材にした映像作品は溢れているが、韓国で描かれるゾンビは一味違う特徴がある。

Kゾンビを世界に広めたドラマ『キングダム』

Kゾンビを世界に広めたドラマ『キングダム』(画像出典:Netflix Korea)

より生身の人間に近いビジュアル、瞬く間に広がる感染力、高速で人に襲いかかる俊足、弱点を押さえると意外にも簡単に弱体化する設定など、韓国が描くゾンビは、これまで見たことがなかった恐ろしさと、どこかコミカルな姿が魅力的だ。

近年の韓国では、ゾンビを題材にし生き残りをかけた迫力満点のサバイバルと、その中に緻密なヒューマンドラマを落とし込んだ“Kゾンビ”というジャンルが定着し始めた。Netflix(ネットフリックス)では、間もなく人気ウェブコミックを実写化したゾンビドラマ『今、私たちの学校は』の配信がスタートする。

ゾンビの感染が広がり始めた高校を舞台に、校内に閉じ込められた高校生たちのサバイバルを描いた期待作だ。そこで今回は、『今、私たちの学校は』を観る前に押さえておきたい”Kゾンビ”を題材にした、韓国映画の名作3本を紹介したい。

『新感染 ファイナル・エクスプレス(2016)』

まずは“Kゾンビ”ブームのきっかけであり、大ヒットを記録した『新感染 ファイナル・エクスプレス(原題:釜山行/2016)』を紹介しよう。

新感染

『新感染 ファイナル・エクスプレス』(画像出典:(C)2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.)

tvN(Netflix)ドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~(邦題/2016)』で、日本でも多くのファンを獲得したコン・ユが主演し、ゾンビに立ち向かう壮絶なスピードパニックストーリー。

Netflixの最新ヒットドラマ『地獄が呼んでいる』を手がけた、ヨン・サンホが監督を務めている点にも注目だ。主人公ソグ(コン・ユ扮)は、娘を連れて別居中の妻が暮らす釜山へと向かうが、特急列車の中で突如ゾンビが出現する。

乗客が次々とゾンビと化していく中、止まらない密室空間で繰り広げられるゾンビとの攻防戦の結末はいかに。

本作は、乗客たちが手を取り合いゾンビに立ち向かう絆、生き残るための人間のエゴ、親子愛までもが丁寧に描かれ、ヒューマンドラマにもフォーカスした内容が評判を呼んだ。コン・ユの体を張った熱演も胸に響く。Kゾンビ入門には、打って付けの一作だ。

(関連記事)「新感染」「地獄が呼んでいる」‥ヨン・サンホ監督が使う ’演出の妙’

『新感染 ファイナル・エクスプレス』予告編 (動画出典:YouTube シネマトゥデイ)

『#生きている(2020)』

2本目は、ドラマ『地獄が呼んでいる』で新興宗教の教祖をミステリアスに演じたユ・アインとパク・シネ主演作『#生きている』を紹介。

#生きている

映画『#生きている』メインビジュアル(画像出典:movie.naver)

ある日突然、広がり始めたゾンビウイルスの感染。主人公ジュヌ(ユ・アイン扮)は逃げることもできず、集合住宅の自宅に閉じ込められてしまう。

住民のほとんどがゾンビ化してしまい、外へ一歩も出られないジュヌ。食料も底を尽きかけた頃、向かいの住宅で自分と同様サバイバル生活を送っていた女性ユビン(パク・シネ扮)との交信に成功する。ゾンビに取り囲まれた環境で、ジュヌとユビンは協力し始めるが、果たして2人は生き残ることができるのか――。

ゾンビ対策の描写が、ドローンやアウトドアグッズを駆使するなど、現代ならではの最先端アイテムが登場して面白い。また、実存する集合住宅で撮影されたため、思わず親近感を抱いてしまう場所での迫力満点なサバイバルドラマに仕上がっている。

『#ALIVE』予告編 (動画出典:YouTube ロッテエンターテインメント)

『王宮の夜鬼(2018)』

3本目は、tvN(Netflix)ドラマ『愛の不時着(2019)』で寡黙な将校を演じ、多くの人々を魅了したヒョンビン主演作『王宮の夜鬼(原題:猖獗[しょうけつ]/2018)』を紹介したい。

『王宮の夜鬼』はゾンビ・パニックアクション時代劇

映画『王宮の夜鬼』はゾンビ・パニックアクション時代劇(写真提供:©スポーツ韓国)

その内容は、なんとKゾンビを取り入れた新感覚のアクション時代劇! これまで時代劇で描かれたモンスターや妖怪、悪霊に代わってゾンビを取り入れた話題作だ。ヒョンビン演じる朝鮮の王子は、夜にだけ活動し人を襲う夜鬼(やき)を倒すため、武器の名手たちと結束して一大決戦を敢行する。

ヒョンビンの華麗で迫力あるアクションと、生き残りをかけた壮絶な戦闘シーンに釘付けになること間違いなし。国を貶めようとするラスボスには名優チャン・ドンゴンが登場し、作品に深みを持たせる。ヒョンビンVSチャン・ドンゴンによるクライマックスの対決は圧巻だ。

単なるゾンビものとしてだけではなく、アクション時代劇としても見応えのある一作だ。

映画『王宮の夜鬼』予告編 (動画出典:YouTube シネマトゥデイ)

***
現代を舞台にした作品から時代劇まで、”Kゾンビ”の人気は今後ますます加速すると予想される。大迫力のアクションや、人間ドラマがたっぷり詰め込まれたKゾンビ映画を、ぜひ一度観劇してほしい。

コン・ユ

マネジメントSOOP所属の俳優コン・ユ(ハングル 공유)。1979年7月10日生まれ。

“コン・ユ”という芸名は両親の苗字から付けられたもので、本名は、コン・ジチョル。

2000年、Mnet VJ 7期として芸能界にデビューしたコン・ユは、2001年KBSドラマ『学校4』を通じて演技者としてデビュー。

2007年、日本でも人気を博したドラマ『コーヒープリンス1号店』が大ヒットし、この年MBC演技大賞で優秀賞を受賞。当ドラマは、コン・ユの出世作となった。

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