現在、韓国ではNiziU(ニジュー)のメンバー、リマの親族にまつわる論議が連日報じられている。報道の中でよく目にする”戦犯企業”の文字。今回は”戦犯企業”とリマの関係性にフォーカスを当ててみる。

韓国の大手芸能事務所JYPエンターテインメント(以下、JYP)と日本のソニーミュージックによる合同オーディション企画から誕生した、9人組ガールズグループNiziU(ニジュー)。

今、日本で大ブレイクを果たしている彼女たちだが、JYPの本拠地・韓国ではメンバーのリマの親族にまつわる論議が連日報道されている。

親族にまつわる論議が韓国で連日報道されているリマ

リマの親族にまつわる論議が韓国で連日報道されている(画像出典:namu.wiki)

事の発端は、今月1日、韓国・大統領府青瓦台(チョンワデ)のホームページに設けられた”国民請願掲示板”に「国内のエンターテインメント会社が、戦犯側に立ち、韓国人を告訴した」というタイトルの書き込みだった。

(関連記事)JYP、NiziUリマを卑下した人を告訴に「戦犯擁護は言語道断」請願の内容とは

これは、「韓国の3大エンターテインメント会社である某企業で、K-POPのノウハウをもとに全員日本人で構成されたガールズグループを日本国内でリリースし、その中に”戦犯企業の直系孫娘”のメンバーが含まれている」というもの。グループ名の記載は無いものの、NiziUについて言及していることが一目で分かる。

該当の書き込みの作成者は、「某コミュニティーサイトで(上記のことを)言及した1人のネットユーザーに対して、該当のエンターテインメント会社は、名誉棄損及び虚偽事実の流布で告訴した。これは史上初の事であり、国内企業、しかも韓流を代表する文化企業が戦犯側に立ち、彼女たちの名誉を守るために韓国人を告訴し、抑圧した売国行為だ」と主張した。

(関連記事)何故 三一節に? 再燃するNiziU リマ ‘戦犯子孫’ 問題とJYPを狙った腹黒い意図

そもそも”戦犯企業”とは何か?

書き込みの作成者が主張している”戦犯企業”とは、第二次世界大戦時、日本軍に防暑服(軍服)などを提供していた”横井産業”の創業者、故横井英樹さんを指していると見られる。

横井さんは1942年(昭和17年)、29才のときに軍需品の製造に専念することになり、全国に工場を建設。従業員は3000人規模となり、日本軍の防暑服の製造を一手に引き受けて莫大な財を築いたと言われている。

それゆえに、韓国では日本軍に協力した同社を”戦犯企業”と位置付ける見方が多く、横井さんの孫(戸籍上では養子)でラッパーのZEEBRA(ジブラ)の娘がリマということで、彼女に”戦犯企業の直系孫娘”という修飾語が付くことになった。

そもそも、”戦犯企業”とは何か――。

韓国のWikipediaともいわれる”namuwiki(ナムウィキ)”に記載されている”戦犯企業”の概要はこうだ。

  • 侵略戦争時に軍需物資を製造して納品することで、戦争に直接的、あるいは間接的に加担した企業
  • 戦争時に占領地および植民地の国民を強制徴用して利益を上げ、国際協約に触れる犯罪行為をしたり、法律違反行為に加担した企業

すべての産業や、労働力が国家の統制下におかれていた戦争時、国から要請されれば協力せざるを得ないという立場の中、”戦犯”めいたことをしていない企業まで含まれてしまうなど、韓国側が主張する”戦犯企業”の範囲は漠然としてあいまいなものとも言われている。

"戦犯企業の直系孫娘"と呼ばれたNiziUのリマ

NiziUのリマが”戦犯企業の直系孫娘”と呼ばれた理由とは(画像出典:NiziU公式FaceBook)

リマは”戦犯の子孫”ではない?

韓国メディア・スポーツ京郷は3月2日に、「リマが”戦犯企業の直系孫娘”なのかと考慮する余地がある」と報じている。

その内容は、「2012年8月、セヌリ党のイ・ミョンス議員は、第二次世界大戦時の戦犯企業リスト299社を発表。該当の名簿には、日本の3大財閥などをはじめ現在も存続する日本企業が含まれていたが、”横井産業”はこの名簿の中に記載は無かった」とのこと。

百歩譲って、”曖昧”とも言われている”戦犯企業リスト”にも、”横井産業”が掲載されていないのだ。

また、同媒体は「リマは現在、横井家との関係が切れた状況」とも伝えている。

その根拠として、ZEEBRAの夫人であり、リマの母親でモデルの中林美和が昨年11月に離婚を発表。リマの親権は母親が持っている。今年2月1日、リマは韓国入国後に自己隔離期間を経てソウル・江東(カンドン)区の保健所でコロナウイルスの検査を行い、その際、”横井”ではない名字が確認されている。

*****

昨年6月のプレデビューから、大衆の目に触れてまだ1年も経っていないNiziU。

まだ見せてない、内に秘めた能力や可能性といったポテンシャルがあるにも関わらず、”〇〇の子孫”として彼女たち以外の部分で対立し、その才能が評価されないことはあまりにも気の毒ではないだろうか。

一部のネットユーザーたちが敏感になるほど、韓国国内でNiziUへの関心が多いという間接的な証拠にはなったが、アイドルは、政治・外交・歴史の象徴ではない。

夢や目標を持ってアイドルとなり、より一層輝こうと努力している彼女たち。今後、“世界の架け橋”となり音楽面で注目される姿を応援していきたい。



NiziU

JYPエンターテインメントとソニーミュージックによる共同グローバル・オーディション『Nizi Project(虹プロ)』から誕生した9人組ガールズグループ。

メンバーは、マコ、リオ、マヤ、リク、アヤカ、マユカ、リマ、ミイヒ、ニナ。

6月30日に、プレデビュー曲『Make you happy』を発表、12月2日に『Step and a step』で正式デビューした。

NiziU 最新記事はこちら(88)









ご意見を自由にコメントしてください!

記事に関するご意見や情報提供はこちらのフォームをご利用ください。

編集部おすすめ記事blank

サイトの広告について

Danmee(ダンミ)は、収益化の一環としてオンライン広告を展開しております。広告の内容(公序良俗を害するもの)や、可読性の低下につながる広告に関するご意見はこちらのフォームをご利用ください。

この記事と関連度が高いトピック

現在読まれています!

最新記事

RECENT TOPICs