世界的なアーティストの公演にふわしい壮大なスケールは健在だったBTSのコンサート『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE – SEOUL』。実は公演が行われた、オリンピックメインスタジアムは、女性アイドルにとっては”ハードルの高い”会場として眼前に立ちはだかるようだ。
BTS(防弾少年団)が、3月10日、12日、13日の3日間、自国で約2年半ぶりに有観客コンサート、『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE – SEOUL』を開催し、その余韻は現在も冷めやらぬ様子。
![先日ソウルでのコンサートを終えたBTS](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/03/bts-live0311-1024x768.jpg)
先日ソウルでのコンサートを終えたBTS(画像出典:BTS公式SNS)
韓国ネットでは、会場の写真や映像を共有しながら、感動と名残惜しさをのぞかせている。
BTSコンサートで”K-POPの聖地”になったスポットとは
今回のコンサートは、韓国政府の新型コロナウイルス感染防止指針に伴う様々な規制により、かつての盛り上がりは伝わらなかったものの、世界的なアーティストの公演にふわしい壮大なスケールは健在だった。
もちろん、BTSの華麗なるパフォーマンスのおかげだが、公演が行われたオリンピックメインスタジアム(ソウル市松坡区)の威容も一役買っているだろう。
![ソウルオリンピックメインスタジアム](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/03/seoulolymoic.png)
ソウルオリンピックメインスタジアム(画像出典:韓国オンラインコミュニティー)
“蚕室(チャムシル)”という街に位置しているため、地元の人には”蚕室運動場”という名前で親しまれている同スタジアムは、1988年に開催されたソウルオリンピックで、メインスタジアムとしてその役割を果たした。
約7万人の観客が受容できる同スタジアムは、ここ数年、数回に渡るBTSの公演を機に、K-POPファンの”聖地”として一目置かれるスポットとなった。スケールや象徴性でいうと、日本の東京ドームや国立競技場が、それに近いと言える。
またアーティストのコンサートの場合、ステージ設置のために全席観客受容はできず、約5~6万人程度が入場可能だという。今回の『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE – SEOUL』においては、前述の新型コロナウイルスの規制により、入場可能な観客が約1万5000人に制限された。
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人気女性アイドルにとっては”高い壁”
しかしこのオリンピックメインスタジアム、一部の人気男性アイドルにとっては”当たり前”のコンサート会場であるが、女性アイドルにとっては”ハードルの高い”会場として眼前に立ちはだかるようだ。
例え世界的な人気を誇るガールズグループ--TWICE(トゥワイス)やBLACKPINK(ブラックピンク)でさえも、このスタジアムでの公演経験はない。
![先日全米ツアーを終えたTWICE](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/02/twice-4tour-1024x768.jpg)
先日全米ツアーを終えたTWICE(画像出典:TWICE公式SNS)
これまで、同スタジアムでコンサートを行ったアーティストの面々は以下となる。
・H.O.T.(エイチオーティー):1999年1回、2001年1回、2018年2回
・神話(SHINHWA/シンファ):2005年1回
・god(ジーオーディー):2001年1回、2014年1回
・東方神起:2005年1回、2006年1回
・JYJ(ジェイワイジェイ):2010年1回、2014年1回
・EXO(エクソ):2017年1回
・BTS:2018年2回、2019年3回、2022年3回
見ての通り、各時代を代表する超人気”男性”アーティストでなければ、そのステージに立たせてもらえないのが、このオリンピックメインスタジアムなのである。
上記2組は、日本では(偏見かもしれないが)普通に東京ドームのステージに立つ人気女性アイドルなのに、なぜ本国ではそれが叶わないのだろうか。
その理由を探るキーワードは1つ。日本のような”成熟な公演文化”がないためだ。
韓国の人口が、日本に比べて少ないという理由ももちろんあるが、日本のファンが考える「”推し”を応援するため、必ずコンサートに足を運ぶ」という、ロイヤリティー(loyalty)の程度が違うのである。
そのため、一部の韓国アイドルは「日本に来ると、本当にスターになった気分になる」と口にする者がいるんだとか(本国でのバッシングを恐れ、表立って言うことはないが‥)。
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裏を返せば、ファンダムだけでなく、大衆的な人気を獲得している”スター中のスター”のみが、オリンピックメインスタジアムのステージに立つことを許されているということになる。
人気女性アイドル”史上初”のタイトルは誰の手に?
では、一世を風靡した(している)女性アイドルのコンサート規模は、どれくらいのものなのだろうか。
最も規模の大きい会場だと、1万5000~2万席規模のオリンピック体操競技場(少女時代、TWICE、IU、BLACKPINKなど)で、その次が1万1000席規模の蚕室室内体育館(Apink、テヨン、イ・ヒョリなど)。他は、1万席以下のオリンピックハンドボール競技場や、奨忠(チャンチュン)体育館などがメインだという。
![1万5000~2万席規模のオリンピック体操競技場](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/03/seoultaiso.png)
1万5000~2万席規模のオリンピック体操競技場(画像出典:SMエンターテインメント)
2022年以降、もし女性アーティストがオリンピックメインスタジアムに立つことになれば、それは”歴史上初の快挙”になる。
その初のタイトルを掴む、最も有力なアーティストとは一体誰になるのか。
多くの音楽ファンは、人気アーティストのIU(アイユー)の名を挙げている。
![人気アーティストのIU](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2021/10/tp-iu-mv-hero1.jpg)
人気アーティストのIU(写真提供:©TOPSTAR NEWS)
実際彼女は、オリンピックメインスタジアムでの公演実施の話を進めていたものの、コロナ渦の余波でやむなく中止に。恐ろしいチケットパワーを誇るIUなだけに、近い将来”偉業”を成し遂げると予測されている。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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