2021年上半期の”年俸キング”は、世界的トップスターBTS(防弾少年団)が所属するHYBE(ハイブ/旧Big hitエンターテインメント)の、Pdogg(ピードッグ) チーフプロデューサーであることが明らかになった。Pdoggとはいったいどのような人物なのだろうか?
今月17日、韓国の国内企業各社が公示した上半期報告書によると、HYBE(ハイブ/旧Big hitエンターテインメント)役員や従業員3人が、株式買取選択権(ストックオプション)行使により、上半期の年棒上位5位に入ったという。
その中でも、現代モービスから受け取った退職金297億ウォンを含め、302億3400万ウォンを受け取った2位のチョン・モング現代(ヒュンダイ)自動車グループ名誉会長を上回り1位になったのは、BIGHIT MUSICチーフプロデューサーであるPdogg(ピードッグ)だ。
彼はストックオプションの利益、399億2800万ウォンと給与3800万ウォン、賞与1億1100万ウォンなど、今年上半期だけで合計400億700万ウォンを受け取ったと明らかになった。
Pdoggは、HYBEの創業者パン・シヒョクがBTS(防弾少年団)の”産みの父”だとすれば、BTSの”産みの母”と言われている人物だ。
デビュー当時から彼らのプロデュースに関わっており、”HYBEの立役者”として挙げあられる。
『FIRE』、『血、汗、涙』、『Spring Day』、『MIC Drop』、『DNA』、『Fake Love』、『IDOL』、『Boy with Luv』、『ON』、『Life Goes On』など、BTSのヒット曲を多数作詞・作曲。2018年から2020年まで、3年連続で、韓国国内著作権料収入1位になった。
PdoggとBTSは、先生と生徒のような関係だ。
Pdoggは、ヒップホップ歌手のSleepy(スリーピー)から、物凄い才能のあるラッパーがいるとRMを紹介され、その後パン・シヒョクにRMを紹介。”こんな才能のある子を放っておけない”と、BTSメンバー発掘プロジェクトがスタートした。
(関連記事)「伝説はRMから」BTSメンバーを選んだ理由をパン代表が米TIME誌で明かす
BTSは元々、”ラップをするメンバーで構成された、ヒップホップアイドル”だった。”ヒップホップをベースに、パフォーマンスをしっかりこなすグループ”、”10代、20代の物語を直接伝えるグループ”として企画されたそう。
しかし、”パフォーマンスが際立つヒップホップ音楽”を構成するのは容易ではなく、2014年にリリースしたフルアルバム『DARK&WILD』の『Danger』が、期待ほど反響を呼ぶことができず悩んだそうだが、メンバー全員心から音楽が好きで一生懸命やった上、パン・シヒョク代表も本来のカラーを取り戻すまで待ってくれたという。
そして、彼いわく『I Need You』の人気で、”BTSの礎”が築かれたとのこと。
Pdoggは「大学で音楽教育を専攻したことが、アーティストと授業をする時、役に立つ」と語っている。 彼は、詰め込み教育より、自発的な参加で授業を進めていく方だという。
最初は、BTSメンバーと一緒にヒップホップをテーマにした映画を見たりもしたそうだ。ラッパーとして世界的に有名なエミネムが主演した映画『8 Mile』を見ながら、ヒップホップの人々のライフスタイルと歌詞の作り方などを一緒に観察した。
彼が課題を出すと、メンバーはハードなスケジュールの中でも飛行機で歌詞を書いて送り、スケジュールを終えた夜遅くに、誰からともなく練習室に集まる。
Pdoggは、”ビートが先”という持論の持ち主でもあり、曲作る過程は、パン・シヒョクとメンバーが集まって会議をしたあと、曲のテーマが決定すればそれぞれがビートを作成し、歌詞を書くスタイルを取っている。
そして、”ヒップホップアイドルというだけに、自分自身の話を伝えるのが正しい”という意見を共通して持っているため、歌詞は約90%メンバー自身が書いていることでも知られている。
Pdoggはプロデューサーとして、複数のメンバーの意見をまとめているが、最近は一緒にやってきた期間が長い分、共同作業の時間が減っているそうだ。
しかし、”産みの父”パン・シヒョクはもちろんのこと、”産みの母”であるPdoggがいなければ、いまのBTSはなかったと言えよう。
V(ブイ)は「8人目のメンバー」と語り、ジョングクは「生きた伝説」とまで語ったPdoggの存在は大きい。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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