今月放送が終了したイ・ミンホ主演ドラマ『ザ・キング:永遠の君主』で一人二役を見事に演じて見せた俳優のウ・ドファンが突然の入隊を発表した。ドラマの内容が賛否両論を呼ぶ中、彼の演技はひときわ目立っており、さらにファンを増やした矢先での入隊の報せ。改めて、彼が俳優として走り続けてきた軌跡をたどってみたい。
ドラマ『ザ・キング:永遠の君主』(以下、ザ・キング)で正反対なキャラを1人で演じ、作品のカンフル剤的な存在となっていたウ・ドファン。“大韓帝国”と“大韓民国”という並行世界で硬派と軟派の役柄を担い、どちらも魅力的な人物にしたその演技力は、今後の彼の役者人生でも大きなターニングポイントとなったのではないだろうか。
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『ザ・キング』の大韓民国で生きるウ・ドファンは、“社会服務要員”として代替勤務していた。(画像出典:SBS)
年齢的な入隊のタイムリミットも手伝って、ある意味ではこの作品がひとつの区切りとなったのか、7月6日に入隊することを自身のインスタグラムで発表。直筆で書かれた1枚の手紙に、これまで応援してくれたファンへ感謝の気持ちと「20代を幸せに過ごすことができた」と思いを綴った。聯合ニュースによると、ウ・ドファンは陸軍に入隊すると言われている。
『ザ・キング』で彼が演じた1人、チョ・ウンソプはキム・ゴウンらの働く警察署で“社会服務要員”として勤務していたが、現実世界では現役で入隊するようだ。
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SNSに直筆で書いた手紙で入隊発表をしたウ・ドファン。(画像出典:ウ・ドファン 公式Instagram)
ウ・ドファンは、2011年に『来た来た、マジで来た』で俳優デビュー。しかし本格的に俳優としてキャストに名があがるようになったのは、2016年放送の『ウチに住むオトコ』からとなる。手紙にも書いていたように「幸せに過ごせた20代」で彼が出演した作品を改めて紹介したい。
ドラマ『ウチに住むオトコ』(2016・KBS)

スエとキム・ヨングァンが義理の親子関係になった奇妙な恋愛コメディー『ウチに住むオトコ』。(画像出典:KBS)
韓国のウェブトゥーン漫画が原作のドラマで、自身を父親だと主張する若い男性とのロマンティックコメディーだ。メインキャストはスエ、キム・ヨングァン、イ・スヒョクで、脚本は映画『ファン・ジニ』、ドラマ『となりの美男<イケメン>』などを手掛けたキム・ウンジョンが担当した。

ウ・ドファン演じるキム・ワンシクは、ボスの手足となってナリ(スエ)を苦しめる存在に。(画像出典:YouTube KBS Drama動画キャプチャー )
ウ・ドファンは、ナリ(スエ)の土地を狙う金融会社の部下を演じており、ヒロインを脅かす存在としてドラマに緊張感をもたらした。
映画『MASTER マスター』(2016)

715万人もの観客動員数を記録した映画『マスター』(画像出典:(C)2016 CJ E&M CORPORATION, ZIP CINEMA.ALL RIGHTS RESERVED)
イ・ビョンホン、カン・ドンウォン、キム・ウビンと豪華俳優が集結し、韓国犯罪史上最大規模の金融投資詐欺事件と言われる“チョ・ヒパル詐欺事件”を題材に描いた超大作。R15指定がついたにも関わらず、700万人を超える観客動員数を記録した。

『梨泰院クラス』のパク・ソジュンヘアスタイルを先取り(?)していたウ・ドファン。(画像出典:tvN「The List 2018」動画キャプチャー)
ウ・ドファンは本作で殺し屋のスナップバッグ役を演じ、セリフのない役ながらも強烈な印象を残し、『百想芸術大賞 映画部門』でEXOのD.O.、チ・チャンウク、リュ・ジュンヨルに並び男性新人賞にノミネートされている。
ドラマ『君を守りたい~SAVE ME~』(2017・OCN)
2PM テギョンが入隊前最後に出演したドラマとして話題になった『君を守りたい~SAVE ME~』では、ウ・ドファンもメインポスターに登場。ヒロインは現在放送中のドラマ『サイコだけど大丈夫』で話題を呼んでいるソ・イェジ。

ウ・ドファンは本作でテギョンに続く第2の主人公に躍り出る。(画像出典:OCN)
ソク・ドンチョル役を担ったウ・ドファンはある事件がきっかけで少年刑務所へ入ることになり、親友だったハン・サンファン(オク・テギョン)らと疎遠に。出所後に故郷へもどりひっそりとナイトクラブで働いていたが、ハン・サンファンが訪ねてきて‥。ダークな印象を生かして存在感を見せつけ、『2017年KBS演技大賞新人賞』を手中に収めた。

初恋相手のソ・イェジを救うため、ウ・ドファンは無謀な行動に出る。(画像出典:OCN)
『君を守りたい~SAVE ME~』は、現在Netflixで視聴が可能となっている。
ドラマ『マッド・ドッグ〜失われた愛を求めて〜』(2017・KBS)

本作では“脳セク男(賢くて個性的思考の持ち主)”ミンジュンを演じたウ・ドファン。(画像出典:KBS)
様々な保険犯罪を通じて、リアルな大韓民国の現実を辛らつに表現したセンセーショナルな保険犯罪調査を送る。ダークヒーロー“保険犯罪調査チーム”の「マッドドッグ」の活躍で、現実にカウンターパンチを飛ばす痛快劇だ。

ウ・ドファンは本作で「2017年KBS演技大賞 男性新人賞」を受賞した。(画像出典:ウ・ドファン 公式Instagram)
実力派俳優ユ・ジテ演じるチェ・ガンウが結成した“マッド・ドッグ”の弱みを握って表れた青年、ミンジュン役を演じたウ・ドファン。謎めいた人生を背負い、何を考えているのか分からない飄々とした演技を見せた。
ドラマ『偉大な誘惑者』(2018・MBC)

ウ・ドファンは、着実にキャリアを積んで主役の座を手にした。(画像出典:MBC)
Red Velvetジョイとダブル主演を務めた『偉大な誘惑者』。フランスの小説「危険な関係」をモチーフに、二十歳の若者たちの推測不能な危うい恋愛ゲームを描いた誘惑ロマンスドラマだ。ウ・ドファンは女遊びが大好きなクォン・シヒョンに扮しこれまで演じてきた役柄とはガラリと違い、眼差しだけで巧みに女性たちの心を鷲掴みにしてしまう男を演じている。

ウン・テヒ(ジョイ)の心をつかもうとするシヒョン(ウ・ドファン)だったが・・?(画像出典:MBC)
ウ・ドファンは本作で親友を演じたムン・ガヨンと熱愛説が浮上し、双方否定するというハプニングも起きている。
ドラマ『私の国』(2019・Jtbc)
ヤン・セジョン、ウ・ドファン、AOA ソリョン、チャン・ヒョクと名前だけで期待してしまう豪華ラインアップ作品。

初時代劇に挑んだ『私の国』ウ・ドファンの個人ポスター。(画像出典:ウ・ドファン 公式Instagram)

壮絶な殺陣のシーンも見どころだ。(画像出典:Jtbc)
ウ・ドファンは、時代劇初挑戦でソ・フィ(ヤン・セジョン)の親友で後に敵対することになるナム・ソノに扮した。それぞれの信念のため、新たな“私の国”建国を目指した者たちの闘いを描いたアクションロマンス時代劇。
***
そして今年8月7日(金)の公開が決定した、クォン・サンウ主演映画『鬼手(キシュ)』は、クォン・サンウが3ヶ月以上のトレーニングを積んで6キロ以上の筋肉を増量、体脂肪9%という驚異的な肉体で挑んだというバイオレンス・ノワールに出演。ウ・ドファンは幼い頃に父親の焼身自殺に巻き込まれ、自分も全身にひどい火傷を負ってしまい、鬼首に対する復讐心を抱いたまま育った人物ウェトリに扮した。

クォン・サンウの命を執拗なまでに狙う男ウェトリを演じた。(画像出典:ⓒ 2019 CJ ENM CORPORATION, MAYS ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED)
こちらも今年の8月14日(金)に日本での公開が決定した映画『ディヴァイン・フューリー/使者』。話題沸騰中のNetflixドラマ『梨泰院クラス』で主演を務めたパク・ソジュンと共演したミステリーホラーだ。ウ・ドファンは世の中に悪を拡散させる黒い主教ジシン役を演じた。クライマックスを飾るビジュアルには、7時間も要したと後に語っている。宗教を題材にした作品だったため、韓国では賛否両論を呼んだ作品が、日本の観客からはどうとらえられるのか、今から公開が待ち遠しい。

手に汗握る、エクソシズム・アクションの新たな傑作が誕生した。(画像出典:クロックワークス 公式Instagram)
俳優としてデビューしてから、息つく間もないほど作品に出演し続けた20代。幅広いジャンルで幅広い表情を見せてくれたウ・ドファンは約2年の空白期が明けた時、どんな表情で還ってきてくれるのか。30代を迎えた俳優人生第二章を、過去作品を振り返りながら今から指折り数えて待っていたいと思う。
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