- 「第2のウ・ヨンウ」と称される韓国ドラマ『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム』。
- 「ソンジェと一騎打ちで6.6%は素晴らしい記録」との呼び声も。
- 韓国主要メディアは、その輝かしい成績を称賛しながらも、成功要因を解説している。

イ・ミンギ、ホ・ソテン、クァク・ソニョン 主演のENAドラマ『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム』(画像出典:ENA)
今「第2のウ・ヨンウ」と称される韓国ドラマがある。
6月18日に放送終了を迎えた、交通犯罪捜査チームの活躍を描いた『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム(ENA/以下、クラッシュ)』である。
去る5月13日に放送開始した全12話のドラマで、韓国の月火枠でひたすら1位をキープしたのだが、最終話では最高視聴率6.6%を記録。有終の美を飾った。
この数値は「新生テレビ局の奇跡」と評価される『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(以下、ウ・ヨンウ)』に次ぐ、ENAとしては歴代2位の記録となった。
今年上半期最高の話題性を獲得した『ソンジェ背負って走れ(tvN)』が、月火枠で競合作であっただけに「ソンジェと一騎打ちで6.6%は素晴らしい記録」との呼び声も。
また『クラッシュ』は、OTTランキングでも快進撃を見せている。ディズニープラス配信中の本作は、韓国国内ランキングで1位を記録中。
あの『サムシクおじさん』を抑えての1位であり、まさに“大金星”と言わざるを得ない。
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ドラマ関係者や視聴者も頷く、確かな実績を残した『クラッシュ』だが、実は「韓ドラの成功方式」と言われる2つの要素が欠けている。
それは、トップスターの起用と恋愛要素である。
『ウ・ヨンウ』以来ヒット作を輩出していない新生テレビ局、競合作は『ソンジェ背負って走れ』という強者‥絶対的不利な状況なのに、トップスターも恋愛もない。
果たして『クラッシュ』はどうやって成功を収める事ができたのだろうか。
中央日報など韓国主要メディアは、その輝かしい成績を称賛しながらも、成功要因を解説している。
まず、恋愛要素を完全封印し、毎回新しい事件を解決するという、いわば「アメリカ風の捜査モノ」の典型を忠実に標ぼうしたのが功を奏したと評価される。
韓国の捜査モノは、臨場感溢れ、緊迫した演出で好評を博すも、無理やり恋愛要素を取り入れる“クセ”がある。
また、各事件や人物の相関関係が複雑で、登場人物のトラウマなど過去と現在を繋ぐ役割をする“敍事”がボヤっとするケースが少なくないため、疲れを訴える視聴者も多い。
『クラッシュ』は、このような“クセ”を消し、視聴者に斬新なドラマ体験をさせたのである。

『クラッシュ』には恋愛要素がない。男女警察はパートナーシップで結ばれている(画像出典:ENA)
他にも、スリリングなカーチェイスシーンや、タイムリーにコメディを挟むという機転が利く演出などが、ヒットの要因として挙げられている。
交通犯罪というテーマを扱うドラマであるだけに、各話のエンディングに交通安全キャンペーンを取り入れるなど、ドラマの広報も斬新だったと評価。
今回、スター俳優と恋愛という、韓ドラ成功方式を封印した『クラッシュ』。その成功は、近年高騰するドラマ制作費により、黄色信号が灯っていると言われる韓国ドラマ界に新しい代案になると期待されている。
画像出典:ENA
クラッシュ 交通犯罪捜査チーム
アクション
ENA/2024/全12話
あらすじ
変わり者の捜査官とチームが、交通犯罪に立ち向かうアクション捜査劇。
イ・ミンギ、クァク・ソニョン、ホ・ソンテ、イ・ホチョル、ムン・ヒ 他
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