ソ・イングク、パク・ソダム主演のTVINGのオリジナルドラマ『もうすぐ死にます』（画像出典：TVING）

韓国の大手OTT(動画配信プラットフォーム)TVINGのオリジナルドラマ『もうすぐ死にます』が、海外で快挙を成し遂げた。

1月8日、TVINGの資料によると、海外配信を担当するAmazonプライム・ビデオで『もうすぐ死にます』が、TVショー部門でグローバル2位にランクインしているという。

また、OTT各社の総合ランキングを発表するフリックスパトロール(FlixPatrol)のデータによると、世界71の国と地域でトップ10にランクインしており、欧州や中南米での躍進が目立つようだ。

不動の韓流スターとして名高いソ・イングクをはじめ、次世代韓流クイーンと評されるコ・ユンジョン、実力派人気女優パク・ソダムが主演を務める『もうすぐ死にます』は、12回の生と死を繰り返す男性(ソ・イングク扮)の“数奇な人生”を描いたファンタジーロマンス。

ソ・イングクとコ・ユンジョン主演に、近年韓国ドラマにおける“流行りの素材”である、人生リセット系ドラマなだけに、韓国国内では配信前から大きな注目を浴びていた。

配信後には「斬新なストーリー」「CGのレベルが高い」「2人のロマンスに釘付け」など、韓国ネットで称賛一色。しかし、グローバル快挙の便りには「意外だ」と、予想しなかったという反応が多数を占めている。

というのも、ドラマ制作に携わったのは、前出のTVING。いわば韓国資本で作られた“内需用ドラマ”という認識が強かったのである。

Netflix歴代最高興行成績を上げたと評価される韓国ドラマ『イカゲーム』（画像出典：Netflix Korea）

今や『イカゲーム』『ムービング』など、多くの韓国ドラマが世界各国でヒットを飛ばしているが、大半はNetflixやDisney+といったグローバルOTTが手掛けたオリジナルドラマ。巨大な資本による豪華キャスティングやスケール、世界規模のプロモーションに後押しされ、公開とともに世界ランキング席巻は一度や二度ではない。

一方、国内配信をメインにするTVINGなど国産OTTは、収益性悪化に憂いを帯びており、グローバルOTTのような攻撃的な投資やマーケティングは到底できるものではない。そのため、グローバル市場では、苦戦を強いられているのである。

今回『もうすぐ死にます』のように、海外の配信パートナーとの連携で活路を模索するも、あくまでも“おまけ”であり、世界的なヒットは、韓国の四字熟語でいう「焉敢生心(考えることすらできない)」なのだ。

という中で『もうすぐ死にます』が大ヒット。韓国メディア・ヘラルド経済は「国産OTTのドラマであるにもかかわらず、海外で有意義な成果を出した。TVINGが、自らグローバル競争力を証明した見せた」と評価した。

韓国OTTのオリジナルドラマは、ここ日本では同時配信される機会が少ないため、韓ドラファンからは落胆の声も多い。今回『もうすぐ死にます』の成功により、韓国OTTドラマの同時配信がさらに増える事を期待したい。

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