映画『警官の血』の制作報告会がオンライン生中継され、俳優のチョ・ジヌン、チェ・ウシクを始めとする俳優陣と、メガホンを取ったイ・ギュマン監督が参加した。信念の異なる2人の警官が火花を散らし、これまでにない犯罪映画の誕生を予感させている。
信念の異なる2人の警官が火花を散らす――。映画『警官の血』が、韓国犯罪映画の新たなパラダイムを示す見通しだ。
11月25日午前、映画『警官の血』の制作報告会がオンラインで生中継され、俳優のチョ・ジヌン、チェ・ウシク、パク・ヒスン、クォン・ユル、パク・ミョンフン、そしてメガホンを取ったイ・ギュマン監督が登壇した。
2022年1月に、韓国で公開予定の本作は、出所不明の巨額な後援金を受けて、群を抜いた検挙率を誇る広域捜査隊のエース ガンユン(チョ・ジヌン扮)と、彼を秘密裏に監視する任務を引き受けることになった原則主義者の警察ミンジェ(チェ・ウシク扮)の、危険な捜査を描いた犯罪映画だ。新年の幕開けとともに、強烈な犯罪ドラマの誕生を期待させる。
この日、イ・ギュマン監督は「警官という特殊な職業は、信念なしにはできないと信じています。現場で事件に出くわした時の警察の信念は、それぞれ違うのではないかと思いました。個性が強く、異なる信念を持った2人の警官が、同じ空間で出会うところからストーリーが展開されます。その、”異なる信念の価値”について、問いかけてみたかったんです」と、企画意図を説明。
俳優陣については「期待以上の演技力でした。重心を掴み続けるようなゲームだったのですが、誰一人落ちることはありませんでした」と満足感を示した。
男同士の熱い友情を予告
映画『最後まで行く(2014)』『毒戦 BELIEVER(2018)』『工作 黒金星と呼ばれた男(原題:孔雀/2018)』など、数多くのジャンル物の興行を率いて来た俳優のチョ・ジヌンは、自身の信念に基づいて、犯罪者の検挙を最優先し、情報のためには不正もいとわないという、広域捜査隊の班長、パク・ガンユンを演じた。
彼は「シナリオが秀逸で、目指すべき道しるべがあり、一風変わった面白さがあります。パク・ガンユンは、とにかく捕まえることが目的の一方通行なキャラクター。僕もパク・ガンユンの信念を最大限信頼して、徹底的に彼のDNAを受け入れようと努力しました」と、自身が演じた役柄について説明した。
チェ・ウシクは、警官だった父親に関する秘密文書を受け取ることを条件に、上司を監視することになったアンダーカバーの警官、チェ・ミンジェを演じる。「ミンジェは、原則主義者でプロセスを重んじるタイプの人間なので、彼から見るとガンユンは警戒対象です。映画『パラサイト 半地下の家族(邦題)』で演じた役よりも、さらにインパクトの強いキャラクターで、様々なアクションシーンもあるので、まずは体を動かしている姿をお見せしたいと思っています」と意気込みを語った。
2人は完璧とも言える息の合った演技と、男同士の熱い友情を予告した。
チョ・ジヌンは「撮影現場というのは、俳優が何カ月も時間を共に過ごす場所です。”本番!”の声がかかれば、”この作品をどう表現するか”に対する情熱が溢れ出ますが、それ以外は、このように良い仲間に囲まれて過ごすことになります。一緒に息抜きする時間は、何より幸せでした。コイツ(チェ・ウシク)、すごくかわいいいと思いませんか? か細くて、物腰が柔らかく見えたんですけど、内に秘めたカリスマがあるんですよ。本当に良い俳優だと思いました。もっと一緒に演技していたくて、わざとNGを出してもう1テイク撮影したこともあります」と愛情を表した。
チェ・ウシクも「チョ・ジヌン先輩は、同じ年頃の男性俳優なら誰でも共演したいと思う方です。自分の*バケットリストに名前があるほど‥。現場で緊張がほぐれるよう、いつも助けてくれました」と答え、会見場も和やかな雰囲気に包まれた。
*バケットリスト:やりたいことをまとめたリストのこと。
曲者俳優が物語の挿し色に
ここに、腐った警察を根底から暴く監察係長、ファン・インホ役としてパク・ヒスンが加わる。またクォン・ユルは、接近不可能な上位1%だけを相手にする犯罪者ナ・ヨンビン役で出演。また、パク・ミョンフンは警察との取り引きでこれまで生き残ってきた犯罪者、チャ・ドンチョルを演じて新たな悪役変身に挑む。
パク・ヒスンは「警官役は何度か演じましたが、今回は違法警官を捕まえる役割なので、これまでとは違った新しい姿をお見せできると思います」と話し、クォン・ユルは「シナリオを読んだ時から、誰の信念が正しいのかを追い求める内容に、すっかり夢中になりました」と、魅力的なドラマであることを予告。
そして「普段は体重が70キロ前後しかないんですけど、サウナシーンもあるので、監督から”少し体を鍛えて(ガッチリした体つきにして)ほしい”とお願いされて、12キロほど体重を増やしました。好き嫌いが多いので、太るのも簡単なことではありませんでした」と驚きのエピソードを明かしている。
パク・ミョンフンは「口ぶりや話し方で冷酷な雰囲気を作ろうと思い、声も研究しました。『パラサイト 半地下の家族』の時とは、180度変えて挑みました。”自分は悪役だ”と構えずスタートすることが、何より重要でした。警官には信念がありますが、悪役だって自分の信念で悪事を働くんです。”悪役の信念”をどれだけ説得させることができるだろうか‥そこを意識してこそ、”本当の悪役”だと思いながら演技しました」と言及。
イ監督は、映画に登場する圧倒的な悪役について「1%の世界を、どれだけわかっているかと言われると、確かに限界があります。監督としての創作や想像で描くしかありません。俳優の方々は、キャラクターに対して柔軟な解釈力を持っているので、それを信じようと思いました。リアリティーに足を踏み入れた状態で、最後のカーブまで来た時、その線が”美しく描かれているだろう”そんな思いで、信じて一緒に過ごして来ました」と説明している。
最後に「我々の映画に、優秀な俳優陣と素晴らしい撮影、美術など、良い要素を全て取り入れたいと思いました。映画館という空間が、再び皆さんの暮らしの中に戻った時、そこで出会える小さなことが大きく感じられるような、特別な映画を作りたかったんです。いよいよその時が来たので、ぜひ劇場で確認してみて下さい」と期待を込めて呼びかけた。
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