韓国では毎年9月末から10月頭頃、秋夕(チュソク)と呼ばれる大型連休がある。これは日本のお盆にあたる行事だ。この大型連休では、各テレビ局が様々なスペシャル番組を構成し放送するが、映画は特に目玉放送の1つとなっている。今年は特にコロナ禍での連休のため、家にこもって映画を楽しむ人も多そうだ。しかし今年、ある映画がラインナップから外された。

今年の秋夕特選映画ラインナップに入っていた映画が1つ、外されたことがわかった。

それは2018年に公開された韓国映画で、公開わずか9日で韓国動員100万人を突破した『スウィング・キッズ』だ。

『スウィング・キッズ』

映画『スウィング・キッズ』(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:NEW)

創作ミュージカル『ロギス』を脚色した作品で、1951年朝鮮戦争中、最大規模の捕虜収容所を舞台に、収容所の対外的イメージアップのために寄せ集められた国籍や年齢、身分まで異なる戦争捕虜で構成されたタップダンスチームの奮闘を描いている。

『過速スキャンダル』(2008)、『サニー 永遠の仲間たち』(2011)などを演出したカン・ヒョンチョル監督が脚本、演出を担当し、韓国映画で初めてビートルズの原曲が使用され話題となった『フリー・アズ・ア・バード』やデヴィッド・ボウイの名曲『モダン・ラブ』、そして往年のジャズナンバーとともに、強烈なタップダンスパフォーマンスで観客の心を引き付けた。一方で、映画の展開に対しては評価が分かれ、序盤は面白いという反応がある反面、やや散漫だという意見もあった。また、ラストシーンに関しても好き嫌いが分かれるようだ。

映画『スウィング・キッズ』

EXOのメンバー D.O.が主演を務めた!(画像出典:movie.naver)

作品に対しては意見が分かれたが、観客をはじめ映画評論家たちからも、こぞって高評価を得たのが主人公の朝鮮人民軍のロ・ギスを演じたド・ギョンスだった。映画『あの日、兄貴が灯した光』(2016)で青龍映画祭新人賞を受賞、『神と共に』(2017、2018)シリーズではアイドル初となる千万観客動員数突破俳優と呼ばれている”演技ドル”D.O.(ディオ)ことド・ギョンスは、人気ボーイズグループEXO(エクソ)のメインボーカルも務め、現在は兵役のため軍服務中だ。

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ド・ギョンス

主人公の朝鮮人民軍のロ・ギスを演じたド・ギョンス(画像出典:movie.naver)

ド・ギョンスは、約5カ月の間、北朝鮮の方言とタップダンスの練習に費やし「主人公ロ・ギスは、ド・ギョンスなしには想像できない」という声があがるほどの演技力を見せつけた。

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そんな映画が今年の秋夕特選映画ラインナップから急に外された背景にあると言われているのが、今月21日に韓国と北朝鮮との間で起きた銃撃事件だ。
韓国と北朝鮮の”海の軍事境界線”と称されるNLL(北方限界線)に近く、韓国北西部の小延坪島付近で、漁業指導船に乗船し、業務遂行中に行方不明となった海洋水産部所属の漁船指導員が北朝鮮から銃撃され死亡した。

この事件に対し未だ調査が難航している状況で、朝鮮戦争を背景に描く『スウィング・キッズ』は、今の情勢に見合わないということで外されてしまったのだろうという意見が大半だった。

この事件が収まるまで放送は叶わないかもしれないが、来年の秋夕にはまた名作『スウィング・キッズ』が放送されることを期待し、南北関係が少しでも良い方向へ改善していることを願うばかりだ。

(関連動画)韓国映画’スウィング・キッズ’ 予告編



EXO

EXO(エクソ / ハングル 엑소)は、SMエンターテインメント所属の男性アイドルグループ。 韓国人が8人、中国人が4人の計12人で構成され、2012年4月8日に韓国と中国でデビューした。その後中国人メンバー3人が脱退して現在の9人体制になっている。

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