ユ・アインが新作映画『#生きている』でスクリーンに帰ってきた。卓越した演技力を持つユ・アインは、同世代の俳優の中で群を抜いて堅実なフィルモグラフィーを誇る。しかもこれまで共演してきた俳優が、太刀打ちできそうもないビッグネームが多い。一体どんな精神で大物俳優と対峙してきたのだろうか。
チェ・ジニョク、ピョン・ヨハン、イ・ジャンウ、リュ・ジュンヨル、ユン・シユン‥彼らはユ・アインと同じ86年生まれの俳優である。それぞれ個性的な俳優だけに、比べること自体ナンセンスだが、それでもユ・アインが過去に共演してきた俳優を見ると、改めて彼の歩みがいかにチャレンジ精神あふれるものであったかが分かる。それは韓国を代表するベテラン俳優たちの相手役として、物語の中で堂々と肩を並べていたからだ。
ユ・アインは高校1年の時に学校の校門前でスカウトされ、親の反対を押し切って芸能活動を開始。元々俳優願望があったわけではなく、ただ「芸能人になりたい」という軽い気持ちだったという。しかしドラマ『四捨五入』に出演すると、心が追い付かないほどの人気を得て、あえて俳優業を休止して演技について真剣に考えたそうだ。そして2010年にドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』のムン・ジェシン(コロ)役を引き受け、日本でもその名が知られるようになる。その後の彼の活躍は、大衆の知るところだ。
![俳優 ユ・アイン](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/07/yankimi0703-4.jpg)
俳優 ユ・アイン(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:UAA)
そんなユ・アインが共演したベテラントップ俳優の布陣をみながら、彼のフィルモグラフィーの一部を紹介していこう。
映画『王の運命(さだめ) 歴史を変えた八日間』(2015) ソン・ガンホ
![映画『王の運命-歴史を変えた八日間- 』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/07/yankimi0703-2.jpg)
映画『パラサイト』で主演を務めたソン・ガンホとも共演していた!(画像出典:ショーボックス)
2015年公開の映画『王の運命-歴史を変えた八日間-』でユ・アインは、ソン・ガンホと共演。ソン・ガンホも、ファン・ジョンミン同様“1億俳優”と呼ばれている。第92回アカデミー賞ので最多となる4部門受賞したことが記憶に新しい、ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族 』(2019)で主演を務め、名だたる監督たちからのオファーが絶えないモンスター俳優だ。
ソン・ガンホは、李氏朝鮮時代の21代国王英祖(ヨンジョ)役、ユ・アインはその息子である思悼世子(しとうせいし)役を演じた。歴史に残る非運の父子を演じながら、二人は激しく対立する一方、心の片隅に切なさを感じる仲に悲しみを覚えた。
共にカリスマ性が高く、感情表現の濃い演技を見せており、ユ・アインはこの作品でソン・ガンホ、ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェ、チョン・ジェヨンというそうそうたる候補者の中で、見事、青龍映画祭主演男優賞を受賞した。
映画『王の運命-歴史を変えた八日間-』予告編(動画出典:SHOWBOX)
映画『ベテラン』(2015) ファン・ジョンミン
![映画『ベテラン』ポスター](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/07/yankimi0703-1.jpg)
映画『ベテラン』で、”1億俳優 ”ファン・ジョンミンと共演(画像出典:CJエンターテインメント)
韓国最大のタブーとされている“財閥の横暴”に切り込んだアクション映画『ベテラン』。これはユ・アインの代表作の一つと言えるだろう。彼は傍若無人の財閥御曹司チョ・テオ役で、刑事ソ・ドチョル役のファン・ジョンミンと熾烈な対決を繰り広げた。韓国では観客数が累計1億人を超えた俳優を“1億俳優”と呼ぶが、ファン・ジョンミンこそまさにその“1億俳優”の一人である。2015年に主演した映画『国際市場で逢いましょう』は、観客動員数1,400万人を超える大ヒット作となり、第52回大鐘賞の主演男優賞を受賞している。
そんなベテラン刑事の年輪を感じさせるファン・ジョンミンを相手に、人を見下すような目をした青年を飄々と演じ、期待以上の非道な姿を見せて注目を集めた。劇中彼が発したセリフ「呆れたな」がブームになったのも、ユ・アインのキャラクターに対する理解力のおかげで生まれたのかもしれない。
映画『ベテラン』メイン予告編(動画出典:CJ Entertainment Official)
映画『ワンドゥギ』(2011) キム・ユンソク
![映画『ワンドゥギ』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/07/yankimi0703-3.jpg)
韓国最高のチケットパワーを持つキム・ユンソクと共演した映画『ワンドゥギ』(画像出典:CJ E&M)
映画『ワンドゥギ』では、ユ・アインは主人公の高校生ワンドゥクを制服姿で熱演、そしてユ・アインの相手役となるお節介教師を、2000年以前は舞台で活躍し、2000年以降は数多くの映画やドラマに出演。特に彼の出演する映画は軒並み大ヒットし、韓国最高のチケットパワーの持ち主 の1人して認められるようになったキム・ユンソクが演じた。2008年に公開された映画『追撃者』では、主演男優賞6冠王という記録を打ち立てたトップスターだ。
複雑な家庭環境の中、ただ平凡に暮らしたいワンドゥクと、彼の日常に干渉する担任ドンジュとのコンビネーションは面白くもあり、どこか胸にじんと来るものがある。荒っぽさの中に人間味を感じるキム・ユンソクとユ・アインの雰囲気が近似しているからかもしれない..
映画『ワンドゥギ』メイン予告(動画出典:MOVIDIG 무비딕)
ドラマ『密会』(2014) キム・ヒエ
![ドラマ『密会』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/04/kimheeae200417-1-1.jpg)
ドラマ『密会』で、大先輩キム・ヒエの相手役を演じたユ・アイン(画像出典:JTBC)
日本でも映画化された江國香織のベストセラー小説『東京タワー』が原案の韓国ドラマ『密会』
R-18指定になり、放送当時、強烈なインパクトのあるドラマとして話題を集めた。このドラマでユ・アインは、1980年代半ばから後半にかけて、新世代スタートして一世を風靡し、1990年代にはチェ・ジンシル、チェ・シラらと共に3大女優としてお茶の間の人気を集めた大先輩、キム・ヒエの相手役を演じた。
キム・ヒエとユ・アインは、このドラマで40歳の芸術財団の企画室長と20歳の天才ピアニストに扮し大人の恋愛を描いているが、劇中の条件と状況に関係なく、お互いに深く溺れた恋人同士をあまりにもリアルに演じ、20歳という年の差は全く感じられなかった。
ドラマ『密会』1話予告編(動画出典:JTBC Drama)
年の差をものともせず、体当たりの演技で大物トップ俳優たちと同等に渡り歩いてきたユ・アインの今後に目が離せない。
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