ドラマ『サイコだけど大丈夫』が、大団円を迎えた。視聴率でも総合編成を含むチャンネルで、同時間帯視聴率1位を占め、自己最高視聴率を更新し有終の美をおさめている。この繊細なストーリーは、心に傷を持ったまま大人になった人に、ぜひとも一度観て欲しい物語だ。
*この記事にはネタバレが含まれています、ご注意ください。
『サイコだけど大丈夫』の予告概要として発表されていたのは、以下のような一文だった。
つらい人生の重さで愛を拒否する精神病棟の介護士ムン・ガンテと、生まれつきの欠陥で愛を知らない童話作家コ・ムニョンがお互いの傷を癒していく、一編のファンタジー童話のようなロマンチック・コメディー。
ドラマを全編通して観て、もう一度この一文を読み直すと、なるほど納得の説明文であることが分かる。
(関連記事)「サイコだけど大丈夫」古典童話のようなサブタイトルは物語の布石?

ドラマ『サイコだけど大丈夫』(画像出典:tvNドラマ公式Instagram)
ムン・ガンテ(キム・スヒョン)は、なぜあんなにも自分の心を偽り、我慢し続けてきたのか。コ・ムニョン(ソ・イェジ)はなぜあんなにも執着心が強くて、人にも言葉も乱暴であったのか――。
それは、彼らは大人の姿をした子どもだったからだ。
それもただの子どもではなく、深く傷つき、その“時”を手放せないまま、時間だけが彼らを大人の姿に変えてしまっていただけなのだ。
物語に一貫して存在した“トラウマ”

溺れるサンテを一度見捨てたガンテ。これが大人になってからある事件を引き起こし‥。(画像出典:tvN F ENT 動画キャプチャー)
ガンテは、幼い頃から自閉症スペクトラムを持つ兄サンテの為に生きてきた。
それは母親から「サンテはガンテが守るのよ」と、呪文のように言われ続けてきたから。
兄の寝ている間に、ようやく母に甘えられたと思いきや、かけられた言葉は「サンテを守るためにガンテを生んだ」。幼心の受けた傷は、どれほどだっただろうか。
そしてある日、テコンドーで赤帯を取得したことを褒めてもらえると思っていた母親に「兄を放り出して何をしてたんだ」と叱責を受け、「僕は兄のものじゃない、僕は僕のものだ!」と家を飛び出してしまう。

幼少の頃に出会っていたムニョンとガンテだったが‥。(画像出典:tvN D ENT 動画キャプチャー)
一方、コ・ムニョンは母親に“作品”としての関心は受けてきたものの、親としての愛情を与えられることは終ぞなかった。
「逆らえば殺されるかもしれない」ムニョンにとって、母親は恐ろしい存在であったことを知っていた父は、傍観者を決め込んだ。
この恐怖体験は、大人になったムニョンに悪夢を何度も見せるほどの深い傷となって残っている。
そして童話作家となったムニョンは、物語の中にだけ本心を込めて生きるように。

数奇な運命に導かれるように出会ってしまったガンテとムニョン。(画像出典:tvN)
こうして、ガンテとムニョンには“母”と言う名の“トラウマ”が形成された。
大人になった2人は最悪な形で再会するが、ガンテはムニョンに振り回されながらも、忖度のない真っ直ぐな言葉に救われていることに気付き、またムニョンも、ガンテから受ける言葉や振る舞いに癒されていく。
兄と弟の中に芽生えた感情とトラウマ
ガンテの兄、サンテ(オ・ジョンセ)は弟のある行動を忘れてはいなかった。

この出来事は、互いの中で“なかったこと”として心の奥底にしまわれていたのだが‥。(画像出典:tvN F ENT動画キャプチャー)
いつも仲良しで、ケンカしてもすぐに仲直りしていたはずなのに、ある日自分が湖で溺れかけた時、逃げようとした弟の姿を、大人になっても脳裏から消し去ることができなかった。
今でも大好きな弟だが、本当はこの一件以来、サンテはガンテという“トラウマ”のせいで、ガンテを信じ切ることができずにいた。
ガンテもまた、この出来事を兄には忘れていてもらいたいと思う一方、長きに渡って罪悪感に苛まれていた。
この一部始終を見ていたムニョンは、保護士として働くガンテに「偽善者」という言葉を浴びせ、サンテには「王様の耳はロバの耳。(弟を憎いと思っている)秘密を心にしまっておくと病気になる」と童話を例えて煽り、兄弟のトラウマを表面化する。

互いのわだかまりが解消され、ガンテはようやく兄に甘えられるようになる。(画像出典:tvN 公式Facebook)
そのおかげで、ムン兄弟は繕った気遣いをすることなく、本音でぶつかり合える関係になれるのだった。
トラウマに向き合うための、大人向け童話『サイコだけど大丈夫』
登場人物が多ければ多いほど、誰かのエピソードは置き去りになることは、ドラマではよくあることだ。

ガンテの大きな心の支えになった病院長オ・ジワン(キム・チャンワン)。(画像出典:tvN)
しかし『サイコだけど大丈夫』は、OK精神病院に入院していたキャラクターのエピソードとトラウマさえも、“童話”という形でキレイにすくいあげた。
最終話に登場した絵本『本当の顔を探して』(最終話のタイトルでもある)では、第3話と第4話に特別出演したクァク・ドンヨン演じたクォン・ギドが芸人として登場し、また娘を失いうつ病を患ったカン・ウンジャ(ペ・ヘソン)はキツネになって登場。
特に、ベトナム戦争に行ったことでPTSDになってしまった長期入院患者のカン・ピルオン(キム・ギチョン)のエピソードはメインキャラクターとして、自分の殻を破ってハッピーエンドで完結させた。
このドラマは、最初から最後まで“トラウマに向き合って、乗り越えて前に進むこと”をやめなかった。
人間は生きている以上、傷付かずに成長することはできない。誰にだって触れられたくない、過去の一つや二つはあるものだ。それは子どもも大人も関係ない。
だけど、それを免罪符に生きるのはもったいないと。負の思いを言い訳にして生きるより“幸福”を選んで生きようと呼びかけてくれている。そして決してあなたは一人ではないと、教えてくれている。

最後には本当の”家族”になったムン兄弟とムニョン。(画像出典:tvN)
このドラマは、童話を1ページずつめくり、最後に温かなハッピーエンドで本を閉じさせてくれる物語だ。
キム・スヒョン
キム・スヒョンは韓国の俳優。所属事務所はゴールドメダリスト。1988年2月16日生まれ。
デビュー作は、ドラマ『キムチ・チーズ・スマイル』(2007)。
ドラマ『ドリームハイ』(2011)で初めて主演を務め一躍注目を浴び、2012年2番目の主演ドラマ『太陽を抱く月』では初めて時代劇に挑戦、視聴率40%を越える国民ドラマとなり、名実ともにトップスターになった。
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