現在、日本で注目を浴びている韓国の青春時代劇『花郎<ファラン>』。イケメン揃いのキャストや時代背景、爽やかなストーリーが魅力的な作品として日韓で多く愛されている。本作で主人公を演じた俳優のパク・ソジュンが、自身のキャラクターをそのまま反映したかのような役に扮したと話題を集めている。
数ある韓国時代劇の中でも特に人気が高く、日本の韓ドラファンから支持されている作品は、KBS『花郎<ファラン>(2016)』だろう。
本作は、主演に俳優のパク・ソジュン、パク・ヒョンシク、国民的女優のAraを迎え、新羅(しらぎ/しんら)時代の首都ソラボルを舞台に、精鋭部隊”花郎(ファラン)”たちの愛と成長を描いたフュージョン青春時代劇ドラマ。
共演に、BTS(防弾少年団)のV(ブイ)、SHINee(シャイニー)のミンホといったトップアイドルが顔を揃え、豪華キャストが集結したことでも当時、大きな話題となった。
また、これまで韓国の時代劇では主に朝鮮時代を背景にした作品が多く制作されてきたが、本作では新羅時代(紀元前57年~935年)を舞台にしている。この全盛期を率いた君主であり、花郎制度を初めて作った第24代の王”真興(しんこう)王”を背景にしており、これまでの時代劇とは少し異なった描写が特徴だ。
主要キャストがイケメン揃い、日本人にとっては新羅時代の勉強にもなるなど、良い事づくめのドラマでしかないのも人気の理由だろう。さらに、今月13日よりNHK BSプレミアムでも放送がスタートする(タイトル『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』)とあって、その注目度は高い。
(関連記事)6月よりNHKで放送スタート! パク・ソジュン主演『花郎』韓国での辛辣な評価とは
パク・ソジュンが扮する”ムニョン(無名)”が彼の人生とかぶる
錚々たるスターが顔を揃えた”花郎”の面々は個性豊かなメンバーで構成されている。
貧しい村で自由に暮らしていたワイルドなムニョン(無名)/ソヌ(パク・ソジュン)、王位継承者でありながら、身分を隠して花郎になるジディ(パク・ヒョンシク)、陽気な性格で剣術をはじめ身体能力が一番優れているスホ(ミンホ)、最年少の花郎であり、天使のように澄んだ魂を持つハンソン(V)は、温かく親近感のある性格だ。
なかでも目を引くのは、ムニョン(無名)/ソヌなる人物だ。
賤民(せんみん)の村でムニョン(名無しという意味)と呼ばれて育った彼は、怖いもの知らずで喧嘩も強いワイルドなキャラクターだ。都で親友のマンムンを亡くした彼は、マンムンの本名”ソヌ”という名を借りて生きることを決意。その後、新羅の不平等な貴族制度に反感を抱き、世を変えるために花郎になる人物だ。
彼は劇中、強い信念とリーダーシップを発揮し、何があろうと屈せずに立ち向かう姿を見せている。敵がどれだけ強かろうが、正々堂々と戦い仲間を守り抜く。勇ましさと優しさを兼ね備え、何事にも恐れず真っ直ぐに生きている人物だ。
まるで『梨泰院クラス』のパク・セロイを彷彿とさせるような男だが、”ムニョン(無名)”の生き方がパク・ソジュン本人のそれと非常にかぶるのだ。
“無名”時代のパク・ソジュンがしたことは
俳優を目指しソウル芸術大学に進学したパク・ソジュン。彼は入学後、本人よりもはるかに優れたルックスと才能を持つ友人たちを見て、自信を失いスランプに陥ったそうだ。そのため、1度頭の中を整理しようと2008年7月7日に入隊した。
入隊中、同じ年頃の俳優が成功していく姿を見て羨ましくも思ったが「まだ自分の芸能生活が始まってもいないのに諦めてどうする」と、すぐに気を引き締めて自信を取り戻し、どれほど俳優という職業が好きなのかを確信したという。
20代前半という早い時期に入隊したパク・ソジュンは人気絶頂期に空白期間を作る心配がなくなり、逆に相当なメリットを得たことで前途が開けている。
軍除隊後、本格的に演技活動をスタートしたパク・ソジュン。しかし、キャスティングされたものの出演が跡形もなく消えてしまうなど、心が折れるような出来事が続いてしまった。
そのようななか、パク・ソジュンはこれをポジティブに捉え、今後どのような役をキャスティングされても良いように、ボクシング、剣道、合気道、乗馬までを身につけたという。つまり、アクション演技や時代劇で馬に乗る演技など、全てにおいて何の心配もない状態にしたのだ。
逆境を恐れない行動力を持ったパク・ソジュンがこれまで歩んできた人生は、そのまま”ムニョン(無名)”に当てはめられるかのようだ。幾度かの試練や逆境を乗り越えてきた彼だからこそ、視聴者を魅了する説得力のあるキャラクターを演じられたのではないだろうか。
パク・ソジュンの背景を知った上でドラマ『花郎<ファラン>』を見ればきっと、多くの視聴者が彼の魅力にハマってしまうことだろう。
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