6月14日(月)、21日(月)に放送されるTBS系列『CDTVライブ!ライブ!』にBTS(防弾少年団)の出演が決定した。2週連続となる出演にファンは歓喜している。しかし、BTSは『Butter』リリース後、母国韓国の音楽番組への出演がないという。その理由とは?

先月21日に最新曲『Butter』をリリースしてから、アメリカ・ビルボードの”HOT 100″で2週連続1位になるなどさまざまな記録を更新し、トップスターであることを証明し続けているBTS(防弾少年団)。

先日、日本の音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系列)への2週連続出演が発表されたが、実は彼らは『Butter』リリース後、母国韓国の音楽番組への出演がないという。

ARMY(アーミー:BTSファンの名称)は、韓国の音楽番組に出演しないことに対し概ね納得する意見も見られているが、ファンではない韓国人からは「なぜ日本の音楽番組には出演して、韓国の音楽番組には出演しないんだ」と、不満を漏らしている人も少なくないようだ。

BTSが韓国の音楽番組に出演しない理由はいったい何なのだろうか?

2週連続で『CDTVライブ!ライブ!』に出演するBTS

BTSが2週連続で『CDTVライブ!ライブ!』に出演する!(画像出典:BTS公式FaceBook)

自分の懐だけを考える韓国テレビ局

2020年に入ると同時に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、”非対面式”コンサートの必要性が浮上し、芸能事務所も高品質の映像コンテンツを自社で制作する技術力を持つようになった。

これまでは、テレビ局の力が絶大だった。たとえば、”직캠(ジッケム:密着カメラ)”、”ファンカム”とも呼ばれるものは、元々ファンが特定のメンバーをクローズアップして撮影した映像を意味していたが、いまはこの方法を最も活用しているのがテレビ局だ。

ステージ技術や映像編集力など、これまでに蓄積されたノウハウを活かし、より身近で鮮明な映像が提供できるテレビ局は、この”密着カメラ映像”をテレビ局が持つ公式YouTubeチャンネルにアップし、収入源を増やした。

そしてテレビ局は、この密着カメラ映像の所有権を主張。芸能事務所の公式SNSには、この映像の掲載を不可とし、アーティスト側に何の権利も与えないようにしたという。

このようにテレビ局が強い立場にあり、アーティスト側は不満があっても結局テレビに出ないとプロモーションができないため、しかたなく出演せざるを得なかった。

しかし、いまはテレビ局と対等な制作ができるようになったため、わざわざテレビ局に頭を下げて出演する必要がなくなっているのだ。

たとえば、韓国の大手芸能事務所SMエンターテインメント(以下、SM)と、JYPエンターテインメント(以下、JYP)がタッグを組んで設立した世界初のオンラインコンサート専門会社『Beyond LIVE corporation』。

この会社が提供する世界初のオンライン専用コンサート『Beyond LIVE』では、SMとJYP所属のアーティストが、無観客の中、今までにない技術を使った演出でステージを披露。

さらにオンライン上でアーティストとリアルタイムでコミュニケーションを取ることが出来るなど、今までのライブ配信とは一味違ったコンサートを提供することが可能だ。

実際、SM所属のアーティストが集うSMTOWNや、TWICE(トゥワイス)、SUPER Mなどが単独コンサートを実施しているが、音楽番組以上のステージだったと好評を博した。

TWICEは昨年、Beyond LIVE を開催した

昨年、Beyond LIVE – TWICE : World in A Dayを開催したTWICE(画像出典:JYPエンターテインメント)

テレビ局に依存しない自主コンテンツ制作

これまでは、各テレビ局側がやりたいように音楽番組を制作し、アーティスト側はプロモーションのためにテレビに出るしかない状況だったが、現在は事務所側が自主制作で、より質の高いコンテンツを提供できる時代になったのだ。

BTSも、VLIVE(ブイライブ)で独自のコンテンツ『Run BTS!』を制作・配信しており、さらにYouTube(ユーチューブ)でも公式チャンネルBANGTANTVでMV以外にもさまざまな動画を配信。

BTSのYouTubeチャンネル『BANGTANTV』を見る(外部リンク)

最近は、こういった動画もテレビ向けYouTubeアプリなどを使用し、テレビサイズで見ることもできるため、テレビ局が放送している番組と何ら変わりなく楽しめる。

また、韓国の地上波テレビ局MBCと不仲説が流れているBTSの所属事務所HYBE(ハイブ/旧 Big Hitエンターテインメント)は、昨年末、レーベル合同のコンサート『2021 NEW YEAR’S EVE LIVE』をオンラインと、オフラインで同時開催した。

この開催日は、その年のヒットグループがこぞって出演することで年末恒例となっていたMBC『歌謡大祭典』と日付が重なっていたため、HYBE所属のアーティストは『歌謡大祭典』に出演していない。

(関連記事)BTSがMBCのラジオ番組に?不仲説&多忙のなか出演を決めた理由とは

韓国でのテレビ出演がないBTSは、すでに韓国のテレビに依存することなく人気を獲得できるスーパースターとなったのだ。

一方、韓国のアーティストが日本で活動する場合は、K-POPに興味のある人以外の知名度を上げるためにも、テレビでのプロモーションが必要と言える。

そのため、日本の音楽番組には出演し、韓国ではプロモーションをする意義が感じられなく、自分の懐だけを考えるテレビ局への嫌気も働いたかもしれない。

何より、日々忙しいメンバーのためにも出演しないという結論に至ったと思われる。



BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。

HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。

デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。

ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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