• 韓国映画には、激動の時代を舞台にした作品や、韓国特有の社会問題を描いた社会派作品が増えている。
  • また、日本統治時代や南北関係など、デリケートな素材を扱った作品も多い。
  • そこで今回は、フィクションでありながら、韓国の現代史・近代史に触れられる、おすすめ映画5作品をご紹介する。

韓国コンテンツと言えば、映画よりも韓国ドラマを楽しむ人が圧倒的に多いが、映画には、映画ならではの魅力を味わえる、濃厚で重厚な作品がある。

日本統治時代、大韓民国の樹立、朝鮮戦争の勃発、軍事独裁政権、民主化運動など、韓国の激動の時代を背景に描かれた作品も多い。

また、“北朝鮮”というデリケートな素材を扱った作品や大統領選挙など、韓国特有の社会問題を反映した社会派エンタメ作品や、フィクションでありながらも、南北の関係性を垣間見られるような作品も増えている。

そこで今回は、韓国のことをより知ることができる、韓国の現代史・近代史が覗き見できる映画に注目!

そして、9~10月にBS・CSチャンネルで放送される作品の中から、映画だからこそ実現した壮大なスケールや、実際に起きた事件など実話ベースのストーリーを盛り込んだ、おすすめ映画・5作品をご紹介する。

大統領の理髪師(2004)

政情が激しく揺れた1960年代~70年代の韓国を、つつましく暮らしながらも歴史の激動に巻き込まれた主人公ハンモ(ソン・ガンホ扮)の視点で描くヒューマンドラマで、シリアスとコミカルテイストが良いバランスで溶け込んだ作品。

大統領官邸に近いソウルの孝子洞(ヒョジャドン)で理髪店を営む、ごく平凡な市民ハンモは、1960年、学生たちが反政府デモを行なった日に息子が生まれるも、幸せな毎日を送っていた。

そんな中、ハンモが大統領の理髪師に抜擢される。店と官邸を往復するハンモだが、政府の共産主義に対する取り締まりが厳しくなると、思いがけず政争の渦に巻き込まれてしまう。

『大統領の理髪師』

『大統領の理髪師』(画像出典:NAVER)

●チャンネル:WOWOW
●放送予定日:10月18日、10月19日、10月29日
●出演:ソン・ガンホ、ムン・ソリ、チョ・ヨンジン 他

『大統領の理髪師』

モガディシュ 脱出までの14日間(2021)

1991年ソマリアの首都モガディシュで、内戦によって孤立した韓国・北朝鮮大使館員たちが命をかけて脱出した、実際の事件をモチーフに製作された社会派ドラマ。

ソマリアの現政権に不満を持つ反乱軍による内戦が激化し、刻一刻と迫る身の危険から逃れるため、奇しくも対立関係にある韓国・北朝鮮の大使たちは、相手の様子を探りながらも共に脱出することを誓う。

モロッコでオールロケが行われた本作は、多くの現地エキストラと一緒に、反乱軍による暴動や銃撃戦を撮影。孤立した人々の恐怖や不安など、彼らの切迫した緊張感が圧倒的なリアリティーで描かれている。

総製作費は240億ウォンとも言われる本作は、2021年度の韓国映画No.1の大ヒットを記録した。

『モガディシュ 脱出までの14日』

『モガディシュ 脱出までの14日』(画像出典:movie.naver)

●チャンネル:WOWOW
●放送予定日:9月28日
●出演:キム・ユンソク、チョ・インソン、ホ・ジュノ、ク・ギョファン 他

『モガディシュ 脱出までの14日間』

工作 黒金星と呼ばれた男(2018)

映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』は、“黒金星事件”という実話をもとに製作されたスパイ映画。

北朝鮮の核開発を巡り、朝鮮半島の緊張状態が高まっていた1993年。元情報司令部少佐で国家安全企画部にスカウトされたパク・ソギョン(ファン・ジョンミン扮)は、北朝鮮の核の実体を探るため、北朝鮮への潜入を命じられる。

彼のコードネームは「黒金星(ブラック・ヴィーナス)」。

北朝鮮の事業家に扮した“黒金星”は、数年間に渡る慎重な工作活動の末、北朝鮮の対外交渉を担当する重要人物リ・ミョンウン(イ・ソンミン扮)の信頼を得ることに成功し、北朝鮮の最高国家権力であるキム・ジョンイルに会う機会を手にする。

『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』

『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(画像出典:namuwiki)

●チャンネル:KNTV
●放送予定日:10月12日、10月18日
●出演:ファン・ジョンミン、イ・ソンミン、チョ・ジヌン、チュ・ジフン 他

『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』

サムジンカンパニー1995(2020)

大企業のサムジン電子に勤める3人の高卒女性社員たちが、会社の不正に立ち向かっていく姿をコミカルに描いた、新感覚社会派エンターテインメント。

経済成長期にあった1990年代に実際に起こった、ある大企業の環境汚染問題を題材にしている本作は、国際化の波に乗り始めたと同時に、女性の社会新進出が進み始めた1995年が舞台。

入社8年目の同期である3人は、日頃から雑用ばかりをやらされている。ある日、ジャヨン(コ・アソン扮)が工場の使い走りに出かけた現場で、工場から汚染水が川に流出しているのを目撃する。

会社の不正に気付いた彼女は、同期のユナ、ボラムと共に、会社が何を隠そうとするのか、決定的証拠を探そうと奮闘。解雇の危険を冒してまで苦境に立ち向かう3人の姿は、見る者に勇気を与える。

『サムジンカンパニー1995』

『サムジンカンパニー1995』(画像出典:movie.naver)

●チャンネル:ムービープラス
●放送予定日:9月22日
●出演:コ・アソン、イ・ソム、パク・ヘス 他

『サムジンカンパニー1995』

スティール・レイン(2020)

本作は、平和協定締結に向けた米朝韓の首脳会談中、北朝鮮の軍事クーデターにより拉致された3人の首脳が、弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦に監禁されたことから繰り広げられる、緊迫感あふれるストーリー。

逃げ場のない原子力潜水艦に人質に取られた、アメリカ・韓国・北朝鮮の首脳。今にも核戦争に発展しうる緊迫状態の中での、彼らの激闘と葛藤が描かれる。

本作は映画『鋼鉄の雨(2017)』の続編だが、前作を見なくとも楽しめる一方で、前作と続編では、出演俳優の配役の国籍が南北入れ替わるというユニークな設定が取られているため、前作を見た人もまた違った形で楽しむことができる。

『鋼鉄の雨』で北朝鮮の最精鋭要員を演じたチョン・ウソンが、続編では韓国の大統領、韓国の外交安保首席を演じたクァク・ドウォンが、北朝鮮の護衛司令部総局長を演じている。

『スティール・レイン』

『スティール・レイン』(画像出典:namuwiki)

●チャンネル:アジアドラマチックTV
●放送予定日:9月30日、10月28日
●出演:チョン・ウソン、クァク・ドウォン、ユ・ヨンソク 他

『スティール・レイン』

酒井知亜

韓国のデパ地下が大好き、酒井知亜です。韓ドラファン歴が長いですが、主にK-POP関連の記事を発信しております。韓国SNSで話題の最新イシューやスターの気になる素顔などを、読者のみなさんにわかりやすく伝えることをモットーに奮闘中です。

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