- 最近の韓国ではドラマ監督にも注目が寄せられ、スター監督が活躍を見せている。
- 主演俳優や脚本家に負けない地位を築く彼らが、冷や飯を食う時代は幕を閉じた。
- 今回は最新の韓国ドラマで活躍する話題の監督をチェックしよう。
映画に比べ、日の目を見る機会がほとんどないとされてきたドラマ監督。しかし、最近では俳優や脚本家とともにドラマ監督にも関心が寄せられ、韓国では話題のスター監督が活躍を見せている。
どうやら韓国ドラマが世界中から愛され、作品のスケールや注目度が高くなっていることが、彼らの知名度向上につながっているようだ。
4月28日に開催された韓国の授賞式『第59回百想芸術大賞』では、TV部門の大賞をENA『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(2022)』(以下、『ウ・ヨンウ』)で主演を務めた女優パク・ウンビンが受賞した。
他にも『ウ・ヨンウ』は演出賞を獲得。2022年に大きな話題を呼び、日本でも人気を集めた作品であるが、『第59回百想芸術大賞』では当初、制作側に大賞を与えるべきか、俳優に賞をあげるべきかで意見が分かれていたという。
さまざまな検討が行われ、最終的にパク・ウンビンが大賞、演出賞をユ・インシク監督が受賞することに。
このようなことからも俳優陣に視線が集中していた過去に比べ、制作や演出を担当する監督の地位がさらに高くなっていることが感じられる。
彼らが冷や飯を食う時代は幕を閉じ、現在では主演俳優や脚本家に負けないスター性とパワーを持つ監督たち。
今回はそんな韓国ドラマ界で活躍する、注目の監督3人をご紹介する。
ユ・インシク
SBS『浪漫ドクター キム・サブ』シリーズや、2022年に放送された『ウ・ヨンウ』で演出を務めたユ・インシク監督。
1972年生まれの彼は、SBSにプロデューサーとして入社し、退社後はフリーランスの演出家として活躍している。
彼が過去に携わった作品はSBS『Vagabond/バガボンド(2019)』やSBS『ミセス・コップ』『浪漫ドクターキム・サブ』シリーズなど、ジャンルが多岐にわたっていることでも知られている。
当初、『ウ・ヨンウ』の脚本は何人かの有名な演出家の手元に渡ったが、現実的ではないキャラクターで、障害をテーマにした作品であることから、監督がなかなか決まらなかったという。
そんな過程を経て『ウ・ヨンウ』を担当することになったユ・インシク監督。彼はパク・ウンビンをキャスティングし、作品を見事に成功に導いた。
演技指導に優れた監督としても有名であり、俳優に状況説明を正確に行い、その中で感情表現がしやすい現場づくりを行っている。
作品の統一性を失わない安定感のある演出を得意とし、登場人物の心理描写にも手を抜かない、バランスのとれた監督として今後も関心を集める人物だ。
チョン・ジヒョン
7月11日に最終回を迎えた女優キム・テヒとイム・ジヨンの共演作、ENA『庭のある家』。
本作で演出を務めたのがチョン・ジヒョン監督だ。彼は劇中で人物の心理を掘り下げていく圧巻の映像演出を披露。
特に登場人物の心情変化と関係性を構図で見事に表現しており、映画のような深みのある演出を得意としている。
チョン・ジヒョン監督は過去に、tvN『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜(2016)』や、tvN『ミスター・サンシャイン(2018)』、SBS『ザ・キング: 永遠の君主(2020)』で共同演出を担当。
メイン演出を務めた代表作としては、tvN『恋愛ワードを入力してください~Search WWW~(2019)』や、tvN『二十五、二十一(2022)』などが挙げられる。
明るく軽快な青春劇から、ダークな質感のサスペンスものまでを手がける演出のスペクトルの広さが注目を浴びるスター監督の一人だ。
キム・チョルギュ
キム・チョルギュ監督は、6月30日に配信されたNetflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『セレブリティ』の演出を務めた人物。
元々はKBS 2TVに在籍していたプロデューサーであり、現在はスタジオドラゴンに所属している。
彼は2004年に放送されたKBS2『花よりも美しく』で初のメイン演出を務め、その後はSBS『パラダイス牧場(2011)』、tvN『シカゴ・タイプライター ~時を越えてきみを想う~(2017)』、tvN『マザー~無償の愛~(2018)』と数々の話題作を担当。
2PM(ツーピーエム)のイ・ジュノが主演を務めたtvN『自白(2019)』では、人物の深層心理を掘り下げる演出を行い、tvN『悪の花(2020)』では緊張感を与える犯罪スリラーとメロ展開を掛け合わせた、新鮮な演出を視聴者に届けている。
『悪の花』は2021年に開催された『第57回百想芸術大賞』で、演出賞を受賞した。
キム・チョルギュ監督はロマンスや犯罪、サスペンスなど複数のジャンルと社会的要素を、作品でナチュラルに繋げる力が高く評価されている。
『セレブリティ』ではインフルエンサーを題材に、主人公の成長やロマンス、復讐劇に加え、SNSに関連した社会的批判の要素を盛り込んだ。目が離せない痛快な泥沼展開が話題を呼んでいる。
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