熱く賢い立ち振る舞いで爽快感を届けている日本のドラマ『半沢直樹』。韓国にも半沢直樹よろしく極悪企業に立ち向かう男を描いたドラマがある。どんな不正も許さない熱血公務員が極悪パワハラ企業を成敗する”チョ・ジャンプン”だ。こちらも負けず劣らず、痛快な”スカッと感”を届けている。
現在、日本中を興奮の渦に巻き込んでいるTBS日曜劇場『半沢直樹』。
劇中で披露される数々の名言とともに、半沢直樹の痛快な”倍返し”で視聴者にスカッとした爽快感を届けているドラマだ。
実は韓国にもドラマ『半沢直樹』のように、企業の不正を暴くために活躍する男の姿を描いたドラマがある。
それは2019年に放送されたMBCドラマ『チェックメイト!~正義の番人~(原題:特別労働監督官 チョ・ジャンプン)』だ。
幼い頃から正義感が強く、曲がったことが大嫌いな熱血漢教師チョ・ジンガブ(キム・ドンウク)。そんな性格から不正を見過ごせない彼は、ある事件がきっかけで教師をクビになり、刑事である妻のミランとも離婚することに‥。
その後、再起を図るため公務員試験を受けたジンガブ。波動拳を意味する”チョ・ジャンプン”のあだ名通り、破天荒で熱血漢の彼は配属された労働基準監督署でさまざまな労働問題を解決してきた。
そんなある日、バス運転手たちがストを起こし解決を命じられたジンガブが現場に向かうと、そこには元教え子のソヌがいた。ソヌから、給料未払いの上に会社をクビにされたと相談を受けたジンガブは、持ち前の正義感を燃やし、巨悪企業の不正を暴くため立ち上がる。
熱血漢ジンガブに扮したのは、ドラマ『コーヒープリンス1号店』、『イニョプの道』、映画『神と共に』シリーズで抜群の存在感を見せた実力派俳優のキム・ドンウク。ジンガブの相棒として活躍する元妻で警察官のミラン役に、ドラマ『耳打ち~愛の言葉~』、『カネの花~愛を閉ざした男~』で好演した女優のパク・セヨンが扮する。
劇中、とにかく”熱い”正義感に包まれ、その破天荒さから波動拳という意味を持つ”ジャンプン”のあだ名で呼ばれるジンガブは、手段を選ばず徹底的に取り締まるという豪快さを見せている。相棒であるミランとともにブラック企業に立ち向かうのだが、彼女もまた拳銃を片手に派手なアクションで相手を降伏させるという大胆さだ。この最強コンビが社会の悪に立ち向かう姿は、視聴者に最高の爽快感を届けている。
このようにキャラクターやストーリー背景はドラマ『半沢直樹』とは異なるものの、ともに企業に隠れる悪しき組織を見破り、”カプジル”を徹底的に成敗。そして被害者となった弱い立場の人たちを救うという展開は共通している。
“カプジル”とはパワハラを超えるパワハラを意味し、ブラック企業にはびこる腐った諸悪の根源だ。その”カプジル”を叩きのめす名言が飛び出すのも本作の魅力だろう。ここで劇中に飛び交う魅力的な名言を紹介したいと思う。
「その家のパワハラ来歴がどこから出たのかと思ったら、ここだったんだな。
やはり、上の水が澄んでこそ下の水が澄みます。あなたのような人が上にいてはいけない理由です。汚い水が上に溜まっていると人々が生きられないんです。もう下りて来ないでください。強制的に引き下ろす前に」
「でも教えてあげないといけませんね、仕方ないから。嘘をついて脅迫して、人の命をもてあそんだら罰を受けます。そうでしょう?」
「傾いた運動場はひっくり返るかもしれない。法の通りに戦ってももう君たちが勝つという保障はない。人は物ではない。人は噛むガムではない。人は、そんなに踏みにじって捨てるものではない。その単純なことを私は教られなかったんだ」
「証拠がこんなに確かなのに、押収捜索令状を出してくださいませんか。私たちは今すべてのことをかけて戦っています。検事さんは何をかけて戦っていらっしゃいますか」
「職員たちが死のうが死ぬまいが関係ないのか。お前たちだけ豊かに暮せばいいのか。
少なくとも働いて怪我をして! 病気になって! 死ぬことがあってはならないじゃないか!なぜお前たちの欲のせいで罪のない人々が犠牲にならなければならないのか」
半沢直樹が痛快に正論を叩きつけるように、ジンガブも巨悪の根源に対し、容赦なく言い伏せる姿はまさに爽快!
この名言を聞いた視聴者たちは、日ごろのストレスが吹き飛び、翌日への活力となっていたよう。笑いとともに驚くほどの爽快感を感じられる、極上の痛快エンターテインメント作品である。
『チェックメイト!~正義の番人~(原題:特別労働監督官 チョ・ジャンプン)』予告編(動画出典:Youtube MBC Drama)
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