- 韓国ドラマは毎年数々の話題作が誕生しているが、『冬のソナタ』と『愛の不時着』は、多くに人の心に残る名作だろう。
- 両者は単に作品の面白さだけでなく、韓国の大衆文化を日本に拡散するのに大きく寄与した共通点を持つが、実は似て非なるもの。
- それぞれの作品を振り返りながら、異なる点を紹介する。

『冬のソナタ』と『愛の不時着』(画像出典:tvN,KBS)
『冬のソナタ』(KBS2/2002)と『愛の不時着』(tvN/2019)。
いずれも昔からの韓ドラファンにとっては、思い出深い作品ではないだろうか。
ドラマ自体の面白さはもちろんだが、両作が日本にもたらした影響が非常に大きかった。
『冬のソナタ』は、韓国の大衆文化に無関心だった日本人に初めて興味を抱かせ、『愛の不時着』は、“韓ドラ=ミドル世代の娯楽”という強いイメージを払拭、韓国ドラマを世代を超えて愛されるコンテンツへと成長させた。
またその過程では、映画やK-POP、食文化などに至るまで注目されている。
人々の意識を変え各時代で韓流に火をつけた両者は、前例をみない功績をあげた作品といえるだろう。
このような共通点があることから、しばしば『愛の不時着』は“第2の冬のソナタ”と言われることも。
しかし実はこの2つ、似て非なる点が多い。本記事ではそれぞれどのような歩みを見せてきたのか振り返りながら、相違点を紹介する。
主演俳優の来日
『冬のソナタ』が初めて日本で放送された2003年、ブームの波に乗ってペ・ヨンジュンが来日。連日のように一挙手一投足が各メディアで取り上げられ、彼自身はもちろん作品のさらなる人気まで牽引した。
一方ヒョンビンの日本訪問が実現したのは、『愛の不時着』のヒットから約3年が経過した先週4月11日のこと。
本作を独占配信しているNetflixでは長らく視聴ランキングに名を連ねていたものの、『冬のソナタ』ほどは熱狂が続かなかった『愛の不時着』。
コロナウイルスの蔓延がなければ、おそらくヒョンビンも早い段階で来日、『愛の不時着』が『冬のソナタ』を凌ぐ盛り上がりを見せていた可能性も。
新星スターと既存スター
ペ・ヨンジュンは事実上、日本で初めて韓国スターとして名を馳せた人物。当時“ヨン様ブーム”が巻き起こり、日本を席巻したのを覚えている人は多いだろう。
『冬のソナタ』でのマフラーの巻き方は“ヨン様巻き”として真似する人が続出、上品に笑う姿からは“ほほ笑みの貴公子”という異名まで登場した。
また街は彼のグッズで溢れ、その人気から“韓流”という概念を定着させることに。

“韓流”という概念を定着させたペ・ヨンジュン(画像出典:『冬のソナタ』HP)
一方ヒョンビンは、『私の名前はキム・サムスン』(MBC/2005)や、『シークレット・ガーデン』(SBS/2010)などでの活躍により一定の知名度があった韓流スター、『愛の不時着』出演時には既に多くの日本人ファンを持っていた。彼の主演作という理由で本作を視聴した人も多かったはず。

『愛の不時着』の出演前から高い支持を得ていたヒョンビン(画像出典:MBC)
主演を務め作品の人気を牽引したのが“新星スター”か“既存のスター”か、両作には大きな違いがある。
スターに惚れた VS ドラマに惚れた
『愛の不時着』のヒョンビン扮するリ・ジョンヒョク。北朝鮮に不時着したセリ(ソン・イェジン扮)を祖国に帰そうと危険を顧みない彼の姿に心を奪われた人が続出した。
もちろんヒョンビンが担当したからこそ愛されたキャラクターなのだが、彼自身よりも役の方が注目を浴びた傾向が。このためどちらかといえばドラマ自体にハマった視聴者が多かった。

視聴者に愛されたヒョンビン扮するリ・ジョンヒョク(画像出典:愛の不時着 公式HP)
それに対し『冬のソナタ』は、主人公チュンサンを演じたペ・ヨンジュンに惚れた人が大多数。前出で触れたヨン様ブームが立証している。
そしてこれはただの人気に収まらず、韓流の底辺拡大にもつながっていくことに。彼の活躍により、他の韓国人俳優にも目が向けられるようになったのだ。
記憶に残るOST
OSTの面でも両者には違いが。
RYUが歌う『最初から今まで』のピアノの旋律を耳にすれば、いまだ『冬のソナタ』のワンシーンを思い出す人は多いはず。
当時、街中やテレビからよく流れており、ドラマを見ていない人ですら分かるほど本作を象徴する大きな要素の1つとなった。
しかし『愛の不時着』の場合、『冬のソナタ』ほど視聴者に強い印象を残している楽曲はあるだろうか。
そうそうたる実力派歌手によって構成された完成度の高いOSTで、また各シーンにもマッチしており、一部からは切なく美しい物語にぴったりだなどという声もあったが、誰が聞いてもすぐに分かるような本作のイメージを決定付ける1曲はなかった。
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