韓国ドラマブームが再来し、時代劇への関心も高まっている昨今‥王を中心とした中央集権国家、宮内の妬みと陰謀、奴隷制度、隣国との戦争など、昔から日本と深くかかわっていた朝鮮半島の歴史を描いた時代劇にトライする人のための5つのポイントを紹介したい。

同じ時代背景や、同じ歴史上の人物をテーマにしていても、ドラマによって描かれ方が違うため、難しく感じることもある韓国時代劇。そんな韓国時代劇を楽しむために、是非知っておいてもらいたい、いくつかのポイントがある。

韓国ドラマの中でも高い視聴率を誇り、メガヒットを記録することも多い韓国時代劇。韓国ドラマと言えば女性が視聴するイメージが強いが、時代劇に関しては、以前から多くの男性たちもその魅力に取り憑かれており、ハマる人が続出している。また最近は”ファクション”と呼ばれる、事実(ファクト)と創作(フィクション)を巧みに融合させたストーリーの作品が増え始めている。

そこで、日本人が韓国時代劇を視聴する時、知っておいた方がよりドラマを楽しめるポイントを5つ紹介したいと思う。

韓国時代劇は、史実と100%合っているとは限らない

描かれている歴史を辿りつつ、ドラマを見るのも韓国時代劇の醍醐味と言えるが、注意すべき点がある。例えば日本のNHK大河ドラマの場合、時代背景や言葉遣い、その他あらゆる観点から徹底した時代孝証が行われるが、韓国時代劇は史実をベースにしてはいるものの、それが100%合っているとは限らない。おおよその流れが事実であれば、そこから話をさらに面白くするため、手が加えられるパターンが一般的だ。そのため、あまり細かなことは気にせず視聴できるが、そのまま信じてしまうと真実は違っていた、という場面に出くわしてしまう。

主人公テギルを演じたチャン・グンソク

ドラマ『テバク〜運命の瞬間〜』でチャン・グンソクが演じたテギルは実在しない(画像出典:SBS)

例えば、『テバク〜運命の瞬間〜』(2016)でチャン・グンソクが演じた主人公のテギル。彼は実在する人物ではない。淑嬪・崔(スクピン・チェ)氏が1693年に出産し、たった2ヶ月で早世してしまった長男の永壽君(ヨンスグン)をモチーフにして、作品の中では描かれている。

ファンタジー系やフュージョン時代劇が多い

特に最近では、正統派時代劇だけでなく、時代劇☓タイムスリップ、時代劇☓男装女子、時代劇☓輪廻転生など、実際にはありえない自由なテーマを加え、過去の歴史の中に現代や未来を描くものが増えてきた。

『宮(クン)~Love in Palace』

日本でもたくさんの人気を集めたドラマ『宮(クン)~Love in Palace』(画像出典:iMBC)

2006年に放送された『宮(クン)~Love in Palace』は、”もしも韓国に王室制度が残っていたら”というかなり奇想天外でファンタジー要素の強い設定が話題になった。それが視聴者に受け入れられて、最高視聴率28.8%を記録し大ヒット。日本でも放送され、同じく好評を博したドラマの1つだ。

朝鮮時代の物語が圧倒的に多い

紀元前18年から1910年までの間、三国時代~統一新羅時代~高麗王朝時代~朝鮮王朝時代と続いてきたが、その中でも韓国時代劇で一番描かれてきたのが、1392年から1910年まで518年も続いた朝鮮王朝時代だ。

特に目立つのは、11代王中宗(チュンジョン)の時代だった1506年から、1544年頃を舞台にして描かれたドラマだ。よく知られている作品では、『宮廷女官チャングムの誓い』(2003)、『ファン・ジニ』(2006)、『女人天下』(2001)『天命』(2013)『師任堂(サイムダン)色の日記』(2017)『七日の王妃』(2017)などがある。また22代王正祖(チョンジョ)の時代だった1776年から1800年頃を舞台にして描かれたドラマ、『イ・サン』(2007)、『風の絵師』(2008)、『トキメキ☆成均館スキャンダル』(2010)、『ペク・ドンス』(2011)、『漢城別曲-正』(2007)など、短期間で様々なテーマの時代劇が作られていることがわかる。

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全体的に長い

ドラマ『朱蒙(チュモン)』

全81話という超大作のドラマ『朱蒙(チュモン)』(画像出典:MBC広報部)

現代劇は平均して全20話程度、近年は16話完結の作品が増える一方、韓国時代劇は有名どころで言うと『朱蒙(チュモン)』(2006)全81話、『宮廷女官チャングムの誓い』全54話、『イ・サン』全77話、『トンイ』(2010)全60話などで、歴代No.1の長さを誇る時代劇『太祖王建』(2000)に至っては、なんと全200話も続いた。これは2000年2月に始まり、最終回を迎えたのは2002年4月で、約2年近くに渡って放送された。

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サクセスストーリーものが多い

歴史上の人物が主人公になることの多い時代劇では、主人公が苦難を乗り越えて成長し、最終的に成功する姿がよく描かれる。そのため、前述にもあるように例え長編であっても、次から次へと展開するストーリーに感情移入がしやすく、主人公が次にどんな行動を起こすのか、早く先が見たい、知りたいという気持ちになるため、中だるみが少ない。また、わかりやすい悪役や黒幕を主人公が次々に倒していく爽快感が気持ちいい。

韓国の時代劇は、主人公の成長を一緒に見守りながら、最後まで飽きずに視聴できる。それゆえに、韓国の時代劇の人気は衰えを知らず、今でも様々な時代劇が制作されている。少しでもドラマの時代背景について知っていると話に入り込みやすいが、知らなくても、複数の作品を見ていくことで知識が増えて、次に見る時代劇ではさらに面白みが増すのが時代劇の良さでもある。