イ・ジョンソクが、除隊後の復帰作として出演したMBCドラマ『ビッグマウス』は、高評価を得て終映したが、劇中のセリフが“他国への差別的表現だ”と指摘され、議論へと発展した。ここ最近、本作に限らず韓国ドラマに“他国”からクレームが入るという事案がいくつか発生。これは“韓国ドラマ”というコンテンツの視聴者が、もはや韓国人だけではないことをはっきりと証明した。
長い歴史の中で、アジア人は差別“される側”として、苦虫を噛み潰してきた。
しかし、こと“韓国ドラマ”というコンテンツについては、少し様子が変わってきているようだ。
ここでは、韓国ドラマが他国から抗議を受けてしまった作品をいくつか紹介する。
MBC『ビッグマウス』
9月に放送を終えたドラマ『ビッグマウス(Disney+)』は好評のうちに幕を下ろしたが、劇中に出てきたセリフが物議を醸した。

現在はOTTのDisney+で配信されている『ビッグマウス』(画像出典:MBC)
イ・ジョンソク演じるしがない弁護士パク・チャンホが、天才詐欺師“BigMouse(ビッグマウス)”という濡れ衣を着せられ、収監されることから物語は始まる。
そして第2話、連続殺人犯である死刑囚に向かって、パク・チャンホが「お前の母親は、お前みたいなサイコパスを生むなんて、一体何を召し上がったんだろうな。(タイのスープ)トムヤムクンか?」と挑発。
このセリフに、タイのネットユーザーが反応。「タイに、悪い人間がたくさんいると思わせる皮肉めいたセリフ」「トムヤムクンを食べたら、血が汚れてるって言いたいの?」と、不快感を示した。
tvN『シスターズ』
また、10月9日に放送を終えたばかりの『シスターズ(Netflix)』では、ベトナム戦争に行った人物を“英雄”と表現し、「最も争った戦いでは、韓国軍1人当たり*ベトコンを20人殺した」などのセリフが登場。

『シスターズ』最終回は視聴率11.1%と自己最高記録を更新して幕を閉じた。(画像出典:tvN)
これに、ベトナム情報通信部は「歴史歪曲だ」と韓国ドラマ制作側へ抗議、その後Netflixベトナムで、本作の配信が中止された。
*ベトコン:ベトナム解放戦線をベトナム語にすると、“越南共産党”という表記になり、ここから「越」と「共」を取って略した言葉
『ナルコの神』
9月9日より、Netflixで一斉配信がスタートした『ナルコの神(原題:スリナム)』は、実在国家であるスリナムを「麻薬密売が行われる“腐敗した国”と描写した」と、スリナム外交部から強い反発を受けてしまう。

実在した“麻薬王”と、彼を取り巻く人々を描いた『ナルコの神』。(画像出典:Netflix Korea 公式Twitter)
その結果、韓国大使館が現地韓国人へ「安全に注意してほしい」と要請する事態にまで発展した。
『ペントハウス3』
韓国で大人気のSBSドラマシリーズ第3弾。

「黒人を馬鹿にした表現だ」と批判を受け、パク・ウンソクと制作側が謝罪した。(画像出典:SBSドラマ)
俳優のパク・ウンソクが“アレックス”という役で登場、その姿がドレッドヘアに体中にタトゥーを刻んでいるというもので、これを観た海外視聴者が「黒人を馬鹿にした表現だ」と人種差別を強調した。
パク・ウンソクは「嘲笑するつもりはなかった、傷付いた方に心よりお詫びする」と伝え、また制作サイドも「特定の人種や文化を戯画化するつもりではなかった」と謝罪している。
『ラケット少年団』
『ペントハウス3』と、時を同じくして放送されていた同局の『ラケット少年団』でも、物議を醸す演出が。

遠征先の背景で差別的表現があったと抗議を受けたドラマ『ラケット少年団』。(画像出典:SBS DRAMA 公式Instagram)
インドネシアのジャカルタで開催された、国際大会のエピソードが描かれた第5話。
現地の環境に不満をこぼすセリフや、ゲーム中に地元の人々がブーイングをしたり、国旗を破るなどのシーンがあったため、インドネシアの視聴者が、制作側へオンラインで「国を侮辱している」と抗議する。
その後、ドラマ公式SNSで謝罪文を投稿した。
***
ここ数年、コロナ禍も手伝って韓国ドラマの需要が急激に世界へと広まった。
しかしこの変化に韓国ドラマの制作側が追い付けず、文化の多様性についての認識を、コンテンツと並走しながら成長できなかったことが、この事態を招いた主な要因とされている。
大衆文化評論家である、キム・ホンシク氏は「過去には、ハリウッドが我々を否定的に表現することが多く、不快を抱く側だった。しかし今は、Kコンテンツの影響力が大きくなり、立場が変化している」と言及。
また「制作側は、いまだ国内視聴者だけを意識する傾向にあるが、(物語で)特定国家に直接触れるならば、より一層、慎重を期さなければならない」と、世界へと視野を広げる必要性を訴えた。
大衆文化についての著者がある、ペク・セヒ弁護士は「“韓国ドラマ”というコンテンツの影響力が大きくなった今、制作側の責任もやはり大きくなければならない」と指摘しながら、「コンテンツを受け取るユーザーへ、責任転換しようとする声もあるが、社会的に大きな権威を持つ制作者たちの認識改善を、まず先に行われなければならない」と強調した。
Netflix『イカゲーム』だけを見ても、もはや“韓国ドラマ”としてカテゴライズするには、あまりにも有名になり過ぎている。
韓国ドラマの制作者たちは、いよいよもって“国内ローカルコンテンツの作り手”という認識を脱ぎ捨て、ペク弁護士の言う“意識改革”をしなければ、同じような過ちを繰り返し続けることになってしまう。
意識すべき視聴者は、すでに“=世界”になり代わっている。
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