最近、韓国ドラマが変わりつつある。以前まではドロドロとした人間関係やラブストリーが主流であったが、視聴者の共感を呼ぶようなメッセージ性のある作品が増えている。そこで今回は、社会生活のヒントになるようなドラマを5つに絞って紹介した。
近年、リアリティー番組が増加の一途をたどっている。どうやら視聴者は、よりリアルなものを求める傾向にあるようだ。
それは韓国のドラマ界も同様。以前から日本の作品に比べて赤裸々に描写されたシーンが多い傾向にあるが、最近は特に、見る者の共感を得るような実生活とリンクするストーリーが増えてきた。
そこで今回は、我々に社会生活のヒントを与えてくれるかもしれない、今年放送された韓国ドラマ5作を紹介する。
気象庁の人々:社内恋愛は予測不能!?
1作目は、JTBC『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』。
女優のパク・ミニョンと、俳優のソン・ガンのロマンスが注目されがちな作品であるが、実は“気象庁”を背景に、そこで働く人々が奮闘する様子も描かれている。
上司と部下、若手社員、育児が一段落して復職した人など、様々な境遇に置かれた人たちの心の葛藤や、苦悩、仕事に対する姿勢などが盛り込まれているため、自分と似たような境遇の登場人物を見つけることができる。
また、気象予報士という仕事を通して、100%確実とは言えない状況で最終的には責任を持って判断を下さなければならない重圧と戦う登場人物の姿は、社内で一定の役職についている視聴者にとって、メッセージ性のある内容になっている。
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社内お見合い
2作目は、SBS(Netflix)ドラマ『社内お見合い(2022)』。
食品会社で繰り広げられるロマンスを、女優のキム・セジョンと俳優のアン・ヒョソプがコミカルに表現し、“ラブコメの王道”として視聴者を大いに胸キュンさせた作品だ。
少女漫画的要素が多く、本記事で挙げる他の作品に比べリアルさに欠けるものの、社内恋愛をする人の苦悩を代弁しているかのようなキム・セジョンの姿に、共感を持つ女性は多いはず。
またストーリー序盤のシーンで、CEO役アン・ヒョソプがある理由により、部下役のキム・セジョンに業務上の指示を曖昧にするのだが、漠然とした状況で仕事に取り組まざるを得ない場面は、実際の社会でも往々にしてあるだろう。
最後まで諦めずに、努力し続けたキム・セジョンから何か感じ取れるものがあるかもしれない。
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私の解放日誌
3作目は、JTBC(Netflix)『私の解放日誌』。
ベッドタウンに住みながらソウルにある企業に勤め、野暮な毎日を過ごす3兄妹が、代り映えしない毎日から抜け出すべく、奮闘する姿が描かれており、登場人物の置かれた境遇やセリフの数々が親近感を感じさせ、現実的な日常が見る者の共感を呼ぶ作品。
特に物語序盤の、満員電車で登場人物が通勤するシーンは、電車を利用する社会人の気持ちを代弁しているかのような描写が印象的だ。
多くの人が“解放されたい”と願う身近な題材から、徐々に深まるエピソードは、社会生活のみならず、人生にもヒントを与えてくれるかもしれない。
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ウ・ヨンウ弁護士は天才肌
4作目は、ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。
天才的な頭脳と自閉スペクトラム症を同時に持つ新人弁護士ウ・ヨンウ(パク・ウンビン扮)の、大型ローファーム生存記を込めたドラマで、彼女が弁護士事務所内で見せる人間関係がポイントの1つ。
中でも俳優のクォン・ミヌが演じた、“人を陥れてまでも這い上がりたい”と言わんばかりの悪役ぶりが印象的で、ウ・ヨンウに対しても容赦ない。まるで厳しい社会を生き抜く現代人を映し出したかのような姿は、視聴者に疑問を投げかけた。
また、“社内に少なくとも1人はいるのでは?”というキャラクターが、現実社会を生きる視聴者にも共感できるはず。
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流れ星
5作目は、tvN『流れ星』。
芸能界の裏側を描いた作品で、スターが輝いていられるよう、彼らが落としした星屑(問題)を処理するため、血、汗、涙を流す芸能事務所スタッフのリアルな奮闘を描いたロマンティックコメディーだ。
エンタメ業界という少々特殊な業種を舞台にしているが、自分のミスでなくても謝罪し、問題を解決しなければならない心の葛藤や、誰かを輝かせるために陰で働く人々の苦労が盛り込まれており、ドラマを見ながら一緒に頷ける視聴者人は多いはず。
一見すると暗くなりがちな内容だが、それを女優のイ・ソンギョンが明るくコミカルに表現しているため、スッと心に入ってくるだろう。
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本記事で紹介したドラマの一部は、Netflix(ネットフリックス)やU-NEXTなどの動画配信サービスから視聴可能。気になった方は、一度ご覧になってはいかがだろうか。作品を楽しみながら、社会生活におけるヒントを得られるかもしれない。
(構成:西谷瀬里)
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