いよいよ今週に最終回を迎える、ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。日韓だけでなく世界を魅了した本作は、これまでに様々な偉業を成し遂げてきた。ここではドラマが残した数々の記録を振り返ってみる。

世界を魅了中の韓国ドラマ、ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。最終回まで、残すところあと2話となってしまった。

ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は女優のパク・ウンビンが主演を務める

女優のパク・ウンビンが主演を務めた、ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(画像出典:ASTORY 公式Twitter)

韓国の視聴者は、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が放送される水曜日と木曜日を、親しみを込めて”ウ曜日”と呼んでいるそうだ。新語まで誕生させたドラマが今週をもって終幕するとあって、寂しさを感じるドラマファンが多い。だが、これと同時に、シーズン2の制作に対する期待感も持たれているようだ。

日本でもNetflix(ネットフリックス)デイリーランキングの常連となり、芸能界でも話題となった作品だけに、ドラマロスを抱えてしまう視聴者も出現しそうな勢いだ。

ここでは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が残した数々の記録と偉業を振り返ってみたい。

愛らしいキャラクター、ウ・ヨンウ

ウ・ヨンウの愛らしいキャラクターは、キンパのシーンでも感じられる

キンパのシーンでも感じられる、ウ・ヨンウの愛らしいキャラクター(画像出典:『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』映像キャプチャー)

ドラマがこれほどまでに大きな愛を受けたのは、主人公ウ・ヨンウ(パク・ウンビン扮)の愛らしいキャラクターが一番の理由ではないだろうか。

劇中、ウ・ヨンウは、天才的な頭脳と自閉スペクトラム障害を同時に持つ新人弁護士として、独特のやり方で様々な事件を解決していく。

特に、ウ・ヨンウの愛らしさを表現しているのは自己紹介のシーンだろう。彼女は「どちらから読んでもウ・ヨンウです、キツツキ、トマト、スイス、子猫、南」と一気に語り、自閉症の特性を見せた。

しかし、あまりにも堂々とした言い方に、ウ・ヨンウならではの独特の可愛らしさも感じられる。これを聞いた相手も、ウ・ヨンウに対して哀れな気持ちを抱くのではなく、思わず微笑んでしまっているのも視聴者をほっこりとした気分にさせていた。

これに続き、材料が一目で分かるキンパ(韓国の海苔巻き)だけを食べ、愛して止まないクジラについて、まるでラップのように息つく間もなく説明する姿など、その様子に驚きつつも、愛しさを感じずにはいられない。

これまでの作品にあったような、障害者の持つ”特別な能力”だけにスポットを当てるのではなく、他人とは少し違うが、社会の一員としてウ・ヨンウを登場させたことで、一気に親近感をわかせているのだろう。これは、これまでメディアが発達障害を描いてきた見解を一歩前進させたという評価を受けている。

実際の判例をベースに、社会的弱者を取り上げた

実際の判例をモチーフにした、劇中で登場する事件

劇中で登場する事件は、実際の判例をモチーフにしている(画像出典:ENA)

長年連れ添った夫への殺人未遂の疑いをかけられた妻、脱げてしまったウェディングドレス、3兄弟の遺産相続争い、兄への殺害容疑をかけられた自閉症の被告人、道路が建設されることになった田舎の美しい村、子ども解放軍と名乗る男、女性たちに勧告辞職を強要と、様々な事件が登場する。

これらの事件は、弁護士たちが実際の経験を綴ったエッセイにある判例を脚色したものだという。例えば、勧告辞職事件は1999年に起きた農協社内夫婦解雇事件がモチーフとなっている。

劇中、事件は和やかな解決に向かったが、ここには現在の韓国に根付く文化や問題などが垣間見えている。

夫婦や家族間における立場や存在の差、宗教、LGBTなど、現実に依然として存在する女性差別や障害に対する視線、子供の人権問題が取り上げられた。事件に登場したのも、老人や同性愛者、脱北民、ウ・ヨンウとは特性の違う障害者と、社会的弱者が多く見られている。

これらを通して、視聴者は忘れていた価値観や、社会に対する問題意識を改めて見直すことが出来たという評価もある。

驚異的な視聴率

視聴者は熱狂した、ロマンスあふれるシーンに

ロマンスあふれるシーンに、視聴者は熱狂!(画像出典:ENA)

そして何より驚きを与えたのは、視聴率だろう。新しいケーブルチャンネルでの放送にもかかわらず、自己最高視聴率15%という驚異的な数字を記録(ニールセンコリア全国基準、以下同)。

第1話が0.9%でスタートしたものの、その人気は口コミで広まり、第4話で5%、第7話にして10%を突破する勢いを見せた。さらに、ク・ギョファンが特別出演した第9話では、自己最高記録となる15.7%を樹立。

地上波、ケーブル含め、視聴率10%を記録すれば大成功と言われる現在の韓国ドラマ界で、これほどの数字をはじき出すことは容易では無い。逆に言えば、それほど大衆を熱狂させている”モンスターレベル”の人気を誇っている。

この人気は韓国国内に限ったことではない。

Netflixが毎週利用者たちの視聴時間を集計し発表する、”世界トップ10プログラム(ショー)”週間チャートによると、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は7月4日から10日まで2395万時間の視聴時間を見せ、非英語圏作品1位に輝いた。これをスタートに、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』はこのランキングで4回も1位を獲得している。

これほど世界を熱狂させているだけに、最終回は視聴率20%を超えるのではと期待されているようだ。

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寂しいことに、8月18日を最後に放送を終えてしまう『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。毎週、笑顔を届けてくれたウ・ヨンウと会えない事実に喪失感を感じてしまうが、彼女が劇中で披露した奮闘劇は視聴者の心に温かく響き、さらに多くのメッセージを残してくれた。

最終回でウ・ヨンウは、世界の視聴者にどれほどの愛を届けるのか。終幕は悲しいものの、彼女の活躍は楽しみでならない。

(構成:星野沙)






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