ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が、最終回を迎えた。主演女優のパク・ウンビンはもちろんだが、脇役を務めたチン・ギョンの演技も圧巻。これを機に、作品ごとに異なるキャラクターに挑戦し、かつ短期間で役になりきる彼女の女優人生を一部振り返る。

ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が、惜しまれつつ8月18日に有終の美を飾った。

主演を務めたパク・ウンビンの卓越した表現力が常に注目を浴び、作品への没入度を高めていたが、その脇を固めていた女優チン・ギョンの演技力も“さすが”の一言。

チン・ギョンは女優。

女優のチン・ギョン。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

富、名声、家柄、美貌、実力の全てを持つ完璧な弁護士で、常に何かを手に入れようと考え、業界1位を誇る法律事務所の代表という肩書きでは満足できず、さらに上を目指すキャラクターを見事に描き出した。

中でも目を引いたのは第8話での演技。主人公に関するある事実が明らかになるのだが、一言も発さずに表情だけで全ての感情を現わす姿は、目を見張るものがあった。

チン・ギョンは、ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で見事な演技を披露した。

ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で見事な演技を披露した、チン・ギョン。(画像出典:ENA『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』映像キャプチャー)

こうして、視聴者の間で話題になった彼女だが、その活躍は今に始まったことではない。これまでにも様々な映画やドラマに登場し、その度に全く異なる役柄になりきってストーリーを牽引してきた。

そして驚くことに、それを短期間にやってのけてしまう。例えるなら彼女は、外部の温度により体温が変化する“変温動物”。作品ごとに、いとも簡単にコロコロとキャラクターを変え、その上、役の魅力まで存分に表現する女優として有名だ。

その好例が、2014年に出演したSBSの『大丈夫、愛だ』と『ピノキオ』。

『大丈夫、愛だ』では、温かい心を持った精神科医で、名脇役のソン・ドンイルと夫婦役を務めた。離婚後も毎年離婚記念パーティーを行うほど仲が良く、友達のように過ごす。妊娠を拒否し、夫を悪者にした過去を後悔し、申し訳ない感情を未練だと感じる複雑な心境を描き、大きな印象を残した。

チン・ギョンは、SBS『大丈夫、愛だ(2014)』で、ソン・ドンイルと夫婦役に扮した。

SBS『大丈夫、愛だ(2014)』で、ソン・ドンイルと夫婦役に扮したチン・ギョン。(画像出典:SBS『大丈夫、愛だ』映像キャプチャー)

そして最終話からわずか2カ月程度で、イ・ジョンソクとパク・シネがW主演の『ピノキオ』に出演。後半部は、自身の過ちを顧みて視聴者に愛される存在となるものの、それまではストーリーにおいて1番の悪役で、テレビ局の社会部記者兼ニュースアンカーとして登場する。事実よりもインパクトあるニュースを伝えることに重きを置き、その過程で被害を受ける人のことを考えない冷酷な人物。

また、ある事情により娘と長い間会えていなかったにもかかわらず、再開を待ち望んでいた我が子に対し、実の母親とは思えないほどの冷たい言葉を発するなど、『大丈夫、愛だ』とは真逆のキャラクターを演じて大きな話題となった。

チン・ギョンは、SBS『ピノキオ』で、冷酷な悪役に扮した。

SBS『ピノキオ』で、冷酷な悪役に扮したチン・ギョン。(画像出典:SBS『ピノキオ』映像キャプチャー)

そして『ピノキオ』が終わり、約5カ月後に女優ハ・ジウォン主演のSBS『君を愛した時間~ワタシとカレの恋愛白書(2015)』で、客室乗務員として登場。職場では部下から尊敬される存在で高い信頼を得ているキャリアウーマンだが、プライベートではアイドルとの結婚を夢見るキュートな一面を持つ人物に扮した。

チン・ギョンは、SBS『君を愛した時間~ワタシとカレの恋愛白書(2015)』で客室乗務員役に扮した。

SBS『君を愛した時間~ワタシとカレの恋愛白書(2015)』で客室乗務員役に扮したチン・ギョン。(画像出典:SBS『君を愛した時間~ワタシとカレの恋愛白書』映像キャプチャー)

これらは全て、チン・ギョンが40歳前半の時のこと。年齢を重ねると、母親役にシフトするケースが多いが、作品ごとに様々な職業の女性を演じ、そのキャラクターにも統一性がない。女優の中でも彼女は、希有な存在と言えるだろう。

事実、上記以外にも、『グッドドクター(KBS2/2013)』では、大学病院のクールなパート看護師役を担当し、ストーリーに若干コミカルな要素をプラスしていた。日本のドラマが原作となった『女王の教室(MBC/2013)』では、教師歴18年のベテラン小学校教師という知的な役にも挑戦。

そして、2016年と2020年に放送されたSBS『浪漫ドクターキム・サブ』シリーズでは、主人公のキム・サブが融通の利かない部分を見せた際に、病院内で唯一彼を制することのできる向かうところ敵なしという看護師長を務めていた。

また、彼女は母親役を演じられないわけではない。『むやみに切なく(KBS/2016)』では、過去事情ある恋を経験した俳優キム・ウビンの母を演じた。

映画では、2015年7月に公開されたチョン・ジヒョン主演の『暗殺』で、夫の反対を押し切り、独立運動を支援する決断力とカリスマ性ある女性として登場。出演シーンは多くなかったものの大きな話題に。

そして、翌月には『ベテラン』で熱血漢なベテラン刑事の妻に扮し、一時はお金に懐柔されそうになるも最終的には思い直し、スカッとするような演技で、観客に正義とは何か問いかけた。

短期間に次々と新たな作品に携わる役者の場合、しっかりと役を演じ分けない以上、視聴者がキャラクターを混同する可能性がある。

しかし、チン・ギョンに関しては、そのような意見が世間から上がってこない。演技力の高さによるものだろう。

そんなどんな役もオールマイティーにこなす彼女が次に選んだ作品は、女優のパク・ミニョンが主演を務めるtvNの新水木ドラマ『月水金火木土』だ。役柄の詳細についてはまだ公になっていないが、彼女が出演するのではあれば面白いに違いないだろう。

(構成:西谷瀬里)






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