女優のパク・ミニョンが、tvNのラブコメディードラマ『月水金火木土』に出演する。彼女といえば、“ロコクイーン”として有名だが、初めて同ジャンルに挑戦したのは2016年の中国ドラマだった。しかしある理由により、放送されず今日に至っている。
女優のパク・ミニョンが、tvNの新水木ドラマ『月水金火木土』に出演する。
9月21日の初回放送を前に既に話題を呼んでおり、ラブコメディー作品である本作で、“ロコ(ロマンスコメディー)クイーン”の称号を持つ彼女が、どのような演技を繰り広げるのか、ドラマファンから大きな期待が寄せられている。
ところで、彼女が同称号を得たのは、2018年に放送された『キム秘書はいったい、なぜ?(tvN)』での好演がきっかけだった。以降、『彼女の私生活(tvN/2019)』、『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!(JTBC/2019)』に携わりその実力を発揮、視聴者にときめきを届けてきた。
“ロコ”の印象が強い彼女だが、こうして見ると、同ジャンルへの出演回数が意外と少ないことに驚く。しかもさほど昔のことではない。短期間で、次々とヒット作を生み出したことが、どうやら今のパク・ミニョンのイメージへと繋がっているようだ。
そんな彼女だが、初めて”ロコ”ジャンルに挑戦したのは2016年の中国ドラマ『時光之城』だったのをご存じだろうか。2010年代、韓国で知名度を得た役者は中国に進出するケースが多く、彼女もその1人だった。
まず2015年5月に、タイムスリップ時代劇『錦衣夜行』の主人公に抜擢され撮影を終えると、その翌年に『時光之城』への撮影に入る。
ストーリーは、古生物学を専攻する女子大生とトップスターが、お互いを知っていく中で恋に落ちるというものだ。同年の4月から7月まで撮影を行い、製作発表会を終え予告編まで公開されていた。しかし、ここまできて2作品ともに放送が開始されないという事態に。
韓国芸能界の見方によると、2016年に韓国がTHAAD(アメリカの高高度防衛ミサイル)を配備し、それに中国が猛反発して出した限韓令(韓流制限令)が関係しているという。
韓流エンターテインメントコンテンツの制裁や、韓国人アーティストの中国メディアへの露出を制限するものであるというから、前出の2作品がその影響を受けていてもおかしくはないだろう。
ちなみに、当時は韓国を訪問する中国人観光客が激減し、世界的人気を誇るBTSやBLACKPINKなどのK-POPアイドルでさえ、このような政治的背景がなければ、さらに人気を得ていたと言われている。
余談だが、限韓令が敷かれる以前に、中国進出し成功を収めたことで有名な女優のチュ・ジャヒョンは、同国で非常に高い出演料をもらうトップ女優として知られている。
万が一、パク・ミニョンの初ロコ作品『時光之城』が公になっていれば、韓国で“ロコクイーン”の称号を得る前に、中国で先に”ロコクィーン”なっていたかもしれない。
いずれにせよ、限韓令の影響を受けたことが事実であるならば、役者としての実力はあっても、外的要因により進む道を阻まれるのは、本人にとって悲しい出来事になったのではないだろうか。
(構成:西谷瀬里)
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