カン・ハヌルとイ・ジョンソクは、共に3年ぶりにドラマ復帰を果たした。しかし、作品の評価に差が出てしまっているようだ。カン・ハヌルの出演する『インサイダー』と、イ・ジョンソクの出演する『ビッグマウス』、2つのドラマにある“違い”とは。

3年ぶりにドラマ復帰を果たした、俳優のカン・ハヌルとイ・ジョンソク。

イ・ジョンソク(左)とカン・ハヌル

共に3年振りのドラマ復帰となったイ・ジョンソク(左)とカン・ハヌル。(画像出典:MBC、JTBC)

同い年だという2人は、偶然にも復帰作が同じジャンルのドラマで、かつそれぞれ主演を務めている。しかし、そのドラマ人気はというと、少々差が出てしまっている状況だ。

まず、カン・ハヌルが出演したJTBC『インサイダー』は、7月28日にすでに放送を終えている。

彼は本作に出演するにあたり、坊主姿になったり“黒化”した反転姿を披露したのだが、視聴率は2~3%台と低空飛行のまま幕を下ろした。

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一方、当サイトでも“選球眼のある俳優”として紹介した、イ・ジョンソクが出演するMBC『ビッグマウス』は、『インサイダー』が終幕した翌日より放送がスタート。

初回からまずまずの視聴率で、その数字はもうすぐ二桁に手が届きそうだ。

カン・ハヌル主演ドラマ『インサイダー』は7月28日に最終回を迎えた

7月28日に最終回を迎えた、カン・ハヌル主演ドラマ『インサイダー』(画像出典:JTBC 公式Facebook)

『ビッグマウス』と『インサイダー』の両作品は、“濡れ衣を着せられた”男性主人公、“監獄での出来事”をメインにするという点で、テーマとしては似た雰囲気を醸し出している。

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また、監獄が階級構造を持った“もう1つの王国”という誇張された設定や、監獄内外に彼を助ける協力者がいるという点、どん底から“暗黒世界の帝王になる”という点まで重なっている。

同じテイストの作品でありながら『インサイダー』が寂しい結果を招いたのは、どのような理由だろうか。

韓国メディアは、次のような見解を見せている。

カン・ハヌルの、これまでに見せたことのないような狂気に満ちた目の演技、華麗なアクションという強烈な演技変身、加えて激しく繰り広げられた心理戦は、ジャンル物好きのマニア層からは好評を得ていた。

だが複雑なストーリー展開、目を覆いたくなるような残忍なシーンがあったため、不特定多数の視聴者からは良い反応を得ることが難しかったようだ。

これに追い打ちをかけるような“どんでん返し”と、一度に理解しにくい内容から、新たな視聴者を取り込むことはもちろん、これまでの視聴者さえも“離脱”させてしまう結果を招いてしまった。

一方の『ビッグマウス』は、『インサイダー』の持つ緊張感に大衆性を加味させ、さらに主人公のキャラクターを立体的に描き出しすことに成功。キャラクター、叙事、展開と分かりやすく描いたことで、視聴者は物語に共感しているようだ。

韓国にて7月29日よりスタートしたイ・ジョンソク主演ドラマ『ビッグマウス』

イ・ジョンソク主演ドラマ『ビッグマウス』は、韓国にて7月29日よりスタートした(画像出典:MBC)

テレビでの放送では残念な結果となってしまった『インサイダー』だが、放送終了後より公開となった*Netflix(ネットフリックス)では、かなりの好成績を見せている。

*日本での放送・配信は未定

最上位圏にランクインし、シリーズランキングでは2位をマーク(8月6日)。このような熱い反応が見られたのは、演出、脚本、演技の3拍子が揃っているという評価から。

緻密な脚本はもちろん、首席司法研修生キム・ヨハンに扮したカン・ハヌルの司法研修生と服役者、冷徹なプレーヤーを行き来する演技力は、多くの称賛を浴びている。

ドラマを集中的に視聴し、“完走”するNetflixユーザーには好評のようだ。

逆に言えば“ながら見”の多いお茶の間には、不向きな作品だったことがはっきりとした結果を見せた。

互いに実力者同士、その力量は折り紙付きなだけに、観る者を魅了する作品に出合ってほしいものである。

(構成:星野沙)






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