膀胱がんの闘病中だった俳優キム・ソンウォンさんが、去る8日にこの世を去った。数々の話題ドラマで、会長や社長、理事長役など”トップの座”を多く演じ、日本のドラマファンにもお馴染みの俳優だ。ここでは生前の活躍を振り返る。

韓流第1世代であり、”会長”専門俳優として愛されてきたキム・ソンウォンさんが、去る8日にこの世を去った。享年85歳。

遺族によると、故キム・ソンウォンさんは今年初め、膀胱がん末期との診断を受け闘病生活を送っていたが、8日の午前0時30分頃この世を後にした。

故キム・ソンウォンさんは会長役を多く担ってきた俳優だ

会長役を多く担ってきた俳優、故キム・ソンウォンさん(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

キム・ソンウォンさんは、数多くのドラマや映画で、会長や社長、理事長など、知性あふれる地位の高いキャラクターを演じてきたベテラン俳優だ。

日本でも彼の名演は有名で、特に『パリの恋人』や『笑ってトンヘ』などで多くの愛を受けている。

『パリの恋人』では、財閥御曹司のハン・ギジュ(パク・シニャン扮)の父、ハン会長役を熱演。

自動車メーカーGD自動車の会長であり、頑固者でもある彼は、息子のギジュとカン・テヨン(キム・ジョンウン扮)の交際をよく思っていない。そんな気難しいキャラクターを嫌味なく演じた。

SBS『パリの恋人』は、

“2004年の最高傑作”と称された人気ドラマ、SBS『パリの恋人』(画像出典:SBSドラマ)

また、『笑ってトンヘ』では、カメリアホテルの会長、チョ・ピルヨン役を担った。

財閥らしくない気さくさで、目下の人にも親切に接するかと思えば、起業家としての抜群のカリスマ性も誇る。倫理経営を重視する一方、奥さんのためなら何でもするロマンも持っているロマンチストでもある。

キャラクターの性格は様々だったが、いずれもトップに位置するポジションのキャラクターを演じてきた。同じようなテイストになりがちな役柄であるものの、キム・ソンウォンさんは出演作ごとに個性豊かに演じ分けている。

卓越した演技力とキャラクターの表現力を持つキム・ソンウォンさんは、元々は声優だった。

1937年に江原道原州で生まれ、今の中央大学演劇映画学科の前身である徐羅伐芸大に通っていた1957年、CBS声優第2期としてデビューした。

米国ドラマ『逃亡者』シリーズのリチャード・キンブル役や、映画『続・夕陽のガンマン』のテュコ役など、声優として吹き替え版を担当した。

その後、声だけでなく、ビジュアルやフィジカルも一目置かれていたキム・ソンウォンさんは、俳優にスカウトされ活動の幅を広げていく。

TBC時代劇『あなた チョン・ソンダル』で主人公チョン・ソンダルを演じ、俳優として多くの愛を受けた彼はその後、『完全なる愛』『可愛いくても、狂っても』『素晴らしき、私の人生』などで重みのある役どころを担い、熱演を披露している。

また、ミュージカル第1世代俳優でもある彼は、韓国初の創作ミュージカル『サルチャギ・オプ・ソイェ』をはじめ『海上王チャン・ボゴ』、『2番目の太陽』などのステージでも活躍。ミュージカルシーンにおいても大きな貢献をしてきた。

あらゆるジャンルでその才能を発揮させてきた、重鎮俳優キム・ソンウォンさん。今後、ドラマを通じて、貫録と優しさあふれる会長役を見られないのが残念でならない。

(構成:星野沙)




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