アイドルでありながら優れた演技力を持つ、”演技ドル”。彼らの評価は年々上がっているものの、ここにきて雲行きが怪しくなっているという。その理由が、今期の期待作であるドラマ『スノードロップ』や『学校2021』で主演を務める現役アイドルの”力不足”な演技から。これに対し、視聴者やメディアから酷評が寄せられてしまった。

アイドルでありながら、俳優としても活躍を見せる”演技ドル”。

かつては、その人気を利用して”簡単に”俳優デビューするという、冷たい視線で見られたりもした。
だが最近では、2PMのジュノをはじめ、EXOのD.O.(ディオ/ド・ギョンス)、イム・シワン、パク・ヒョンシクなど、優れた演技力を披露する演技ドルの活躍により、この偏見も払拭されていた。

2PMのジュノは、MBC『赤い袖先(原題:袖先赤いクットン/2001)』を成功裏に収めた

MBC『赤い袖先(原題:袖先赤いクットン/2001)』を成功裏に収めた、2PMのジュノ(写真提供:©スポーツ韓国)

彼らに対して肯定的な意見が増える中、その評価を下げる演ドルがいるのも事実だ。

韓国メディア・デイリアン(dailian.co.kr)はこれを「”演技ドル”の成功を崩す、実力不足のアイドルたち」と題し、「一部の実力不足のアイドルが主人公の座を射止め、演技ドルに対する認識を再び後退させている」と強い口調で批判している。

同メディアが厳しい視線を投げかけているのは、現在放送中のドラマ、JTBC『スノードロップ』とKBS2『学校2021』で主演を務めているアイドル2人についてだ。

BLACKPINKジス、キム・ヨハンに向けられた、冷ややかな視線のワケ

まず、『スノードロップ』で主人公を務めるのは、ガールズグループBLACKPINK(ブラックピンク)のジスだ。

本作は、OTTサービスのディズニープラス(Disney+)で世界一斉配信中の作品とあって、韓国国内だけでなく海外でも視聴可能な作品。
ドラマを視聴した海外ファンのレビューを見ると、ドラマ自体への評価は悪くない。むしろ「構成と演出がとてもいい」「主演俳優のみならず、脇役も魅力的」と、高評価が多い。

JTBC『スノードロップ』はBLACKPINKジスとチョン・ヘインが主演を務める

BLACKPINKジスとチョン・ヘインが主演を務める、JTBC『スノードロップ』(画像出典:JTBCドラマ)

しかし、韓国国内では批判の対象となっている。

というのも、韓国の視聴者は、海外ファンとは違い表情やアクションだけで演技を評価していない。海外ファンが気付くことのできない”韓国語の発声”に噛みつき、マイナス評価をしているのだ。

(関連記事)『スノードロップ』海外ファンは気付けない、韓国人がジスに’うるさい’理由

メディアも同様の見方をしており、前述したデイリアンは「発声と発音さえ、きちんと話せない期待以下の演技力で”下手な演技ドル”と批判されている」とし、その理由を「ぎこちない表情と身振りで没入感を壊すのは、鼻音混じりの発声を矯正できず、台詞をきちんと聞き取れないことから。自分の役名すら発音できていないと指摘されている」と説明している。

ジスへの酷評の背景には、字幕や吹き替え版で本作を視聴する海外ファンには、少し理解し難いかもしれない。

一方、『学校2021』の主演俳優、キム・ヨハンに対しては「未熟な演技力で一部視聴者たちから指摘を受けている」とし、「特に感情の抑揚が全く感じられない”無色無臭”の演技が批判の対象となっている」と報じた。

さらに「共演者である同世代の俳優たちよりも、キム・ヨハンの演技力は劣る評価を受けている」と厳しい意見も述べている。

“力不足”の俳優が主演を務めると‥

キム・ヨハンのほか、チョ・イヒョン、チュ・ヨンウ、ファン・ボルムビョルらが出演する、KBS2『学校2021』

KBS2『学校2021』はキム・ヨハンのほか、チョ・イヒョン、チュ・ヨンウ、ファン・ボルムビョルらが出演(画像出典:KBS)

同メディアは、2人が酷評を受けている理由について「それぞれがドラマの主人公として活躍していることだ」とし、「2人の役割の大きさと重要性が高いことが問題だ」と指摘している。

つまり、出演の分量は多く、与えられた役割も容易ではないため、自分たちの力量がより赤裸々に現われてしまったということだ。

主演俳優の”力不足”な演技は、ドラマ全体の完成度を左右したりもする。そのため、多くの新人俳優たちは小さな役から着実に段階を踏んで、自身の演技力を磨いていく。もちろん稀に、新人が主人公に抜擢され、安定な演技力を展開する場合もあるが、あくまでも”準備”ができた時のことだ。

しかし、キム・ヨハンはこの作品以前に出演したのはウェブドラマ1本であり、ジスに関して言えば、この作品を通じて演技に初挑戦(特別出演作を除く)している。

これについて同メディアは「準備のできていない挑戦は、その当事者たちだけに害になることではない。ドラマ全体の魅力を左右したり、ひいては演技ドルに対する認識に影響を与えたりもする」とし、「ジスとキム・ヨハンの事例のように、性急な挑戦が続いてはならない理由だ」と締めくくっている。

優れた俳優が多く揃う韓国だけに、演技力に対して大衆やメディアからの視線は厳しくなっているよう。

そのような中、ジスとキム・ヨハンは、それぞれの主演作を通じて名誉挽回することはできるのだろうか。アイドルとして成功を収めた彼らの、”底力”に期待したい。







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