韓国にてじわじわと人気を見せている、tvN新月火ドラマ『ハイクラス』。放送前は『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』や『ペントハウス』と同じジャンルのドラマだと思われていたが、ストーリーが進むにつれ『ハイクラス』ならではの展開が繰り広げられていた。視聴者の好奇心を刺激する巧みな演出とは。
韓国にてじわじわと人気を見せている、tvN新月火ドラマ『ハイクラス(原題)』。
日本では『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』(以下、SKYキャッスル)や『ペントハウス』シリーズのような麻辣(マーラー)味ドラマと紹介されがちだが、実際はこれとはひと味違う面白みがあるよう。
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『ハイクラス』は、パラダイスのような島に位置する超豪華インターナショナルスクールを背景に、死んだ夫の女と絡み合うことから繰り広げられるミステリーサスペンス。
韓国の富裕層を題材に、子どもの教育や受験なども盛り込まれていることから、上述した作品と比較線上に置かれていた。
しかし、ストーリーが進行していくと、これとは違った魅力が見えてきた。
『ハイクラス』は、8歳の息子アン・イチャン(チャン・ソンユル)をHSC国際スクールに行かせるため、済州島に行くことになった弁護士ソン・ヨウル(チョ・ヨジョン)の話を軸にストーリーが展開される。
ソン・ヨウルは、”夫の殺人犯”にされたことで、一瞬にして全てを失ってしまった。そんな悪夢のような日々から息子を守るため、超豪華インターナショナルスクールに進学したのだが、スクール内に悪意のあるデマが広がってしまい、母親たちから無視されてしまう。
そのような中、ジェイン(パク・ソイ)の母、ファン・ナユン(パク・セジン)と偶然親しくなり、次第に友情を深めていくが、彼女には裏の顔があり‥。
劇中、スクールの母親たちから”新しく来た人を歓迎する素振りを見せながらも裏では陰口を叩く”という姿が見られることから、絶対的な”ママカースト”の存在が伺える。さらに、それぞれの”裏の顔”も匂わせていることから、水面下での熾烈な心理戦も予感させた。
この展開に、韓国メディア・news1は「上流階級という素材が視聴者に多く消費された側面はあるが、これを紐解く新しいキャラクターとストーリーは、依然として視聴者の好奇心を刺激する」とし、「『ハイクラス』は過熱した受験競争に重点を置くよりも、自分たちだけのリーグを形成して、新しく登場したソン・ヨウルに敵対心を見せる母親たちの巧妙な心理戦で緊張感を与えた」と報じ、ドラマの展開に期待を寄せているようだ。
演出を担当した チェ・ビョンギルは「既存の上流階級ドラマ、受験競争をあおる話とは違い、『ハイクラス』はグループ内に自分たちだけの垣根を作りを、その垣根と地位を守ろうとする人々の欲望を盛り込もうとした」と語っている。
続いて「劇中、PTA代表を務めるナム・ジソン(キム・ジス)を筆頭に、スクールを守ろうとする母親と、その中に入るソン・ヨウルの熾烈な戦いとして見せたかった」とし「女性たちの心理戦がこのドラマの最大の魅力ポイントになるだろう」と説明。”新参者を除け者にする”といった社会的な問題を、ドラマで反映したという趣旨もあるようだ。
譲れないカースト内のポジション、誰にも見せない”本性”、仲間外れにする優越感など、女性たちの激しい心理戦が生々しく描かれている。これが『SKYキャッスル』や『ペントハウス』とは一線を画すドラマと言われる理由のようだ。
同メディアはこれを「それだけでなく、夫の死や彼と関係を持った人物の秘密が1つずつ明らかになり、痴情ミステリーの面白さも増すものと期待される」とし、続いて「さらにどんでん返しを見せたことで、母親たちの関係がどのように変化するか注目される」と、上昇ムードに乗った『ハイクラス』の展開が”もっと”気になる理由を報じている。
今後も、ソン・ヨウルがどうしてスクールの入学資格を貰うことができたのか、亡くなった夫とスクールの関係、夫の死に隠された秘密など好奇心をくすぐる内容を盛り込みつつ、『ハイクラス』ならではの見どころである”女性たちの巧妙な心理戦”が緊張感高めで展開されていくようだ。
これまでの上流階級を描いたドラマとはまた違ったテイストで人気を集めている『ハイクラス』は、シンドローム級の人気を得ることができるのか、注目を集めている。
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