【編集長コラム】2022年の上半期に放送予定で、俳優ナム・ジュヒョクとキム・テリが主演を務めるtvN新作ドラマ『二十五、二十一』。”1998年”を背景にした本作を、4つの先読みキーワードで考察してみた。
韓国ドラマや映画の俳優界を担うと期待される、次世代俳優代表のナム・ジュヒョクとキム・テリ。
去る9月22日、tvN新作ドラマ『二十五、二十一』で2人そろって主演を務めるというニュースが発表された。

tvN新作ドラマ『二十五、二十一』出演陣(写真提供:©スポーツ韓国)
2022年の上半期に放送予定と言われる『25歳、21歳』は、2人の他に、ボナ(宇宙少女)、チェ・ヒョンウク、イ・ジュミョンがキャスティングされたことが明らかになり、韓国内のドラマファンだけでなく、世界の韓ドラファンの間で話題となっている。
劇中、彼らが生きる1998年は、”IMF”と代弁され、建国以来類を見ない経済不況に陥っていた年であり、その時代に繰り広げられる青春男女のストーリーは、どのように描かれるのだろうか。
まず、IMFについて知っておこう。
IMFとは、正式名を国際通貨基金(International Monetary Fund)とする、国際機構の略称だ。
その役割として、国際収支が著しく悪化した加盟国に対し、融資の実施などがある。韓国は、1997年に政府と金融当局が招いた、通貨危機を阻止するために経済救済を受けており、IMFの管理下で政府と大企業は、緊縮財政を余儀なくされた。そして韓国では、当時の経済不況の総称として使われる言葉である。
今回は、1998年を背景にしたドラマ『二十五、二十一』の、先読みキーワードを考察したい。
記者に扮するナム・ジュヒョクが目にする世界とは

ペク・イジン役を演じるナム・ジュヒョク(画像出典:マネジメントSOOP NAVER POST)
『二十五、二十一』でナム・ジュヒョクは、IMFによる経済不況で、貧困層に転落した家族の長男としてたくましく暮らし、記者になった”落ちぶれたお坊ちゃま”ペク・イジンに扮する。
経済不況が原因で、傾いてしまった家計を立て直すべく労働し、記者という配役になった理由は、本作がメッセージ性を持つドラマであることを示唆している。
1998年、IMF管理下で韓国政府や、いわゆる”財閥”と呼ばれる大手企業に、メスが入れられた。その過程で明るみになった、政財界における癒着関係の弊害は大きいものだった。また非正規雇用など、労働に対する不安定さが本格的に始まった時期でもあり、その副作用は現在まで続いている。
記者に扮したナム・ジュヒョクの目に映る当時の実態は、果たしてどのようなものだろうか‥そして、現在を生きる我々に、どんなメッセージを投げかけてくるのだろうか‥。
“時代の女性”を演じてきたキム・テリ

ナ・ヒド役を演じるキム・テリ(画像出典:Netflix Korea公式Twitter)
キム・テリは今どきの女性より、過去の人物を演じて好評を得たケースが多い女優だ。
彼女の代表作として、映画『1987、ある闘いの真実(2017)』がある。
本作では独裁軍事政権に対抗し、民主化運動に身を投じる女性大学生、キム・ヨニを演じている。
彼女は『二十五、二十一』で、紆余曲折の末フェンシング・サーブルの韓国代表になったナ・ヒドに扮するのだが、1998年に蔓延した韓国社会の不条理と闘う、”もう1人のキム・ヨニ”になる可能性が潜んでいる。
同名楽曲が実在する
女性ボーカリストのキム・ユナが所属しているバンド、紫雨林(ジャウリミム)の楽曲として知られている『25歳、21歳』。
同曲には、以下のような歌詞がある。
あなたの香りが風に乗って吹いてくる
永遠に続くと思っていた25歳と21歳
永遠に続くと思っていた 過ぎ去った日々のあなたとわたし
この曲が、ドラマ『25歳、21歳』の制作に多くのインスピレーションを与えたのであれば、現在を生きる男女が、過去を回想するプロットになる可能性もある。
ひょんなことから再会したミドルエージの男女が、1998年という激動の時代に咲かせた、”恋”という花の香はどう変わっているのだろうか‥。
1998年は、K-POP人気の元年
最近、韓国ドラマでよく見られるトレンドといえば、”懐かしい曲”のリプレイ(Replay)だろう。
このトレンドは、『応答せよ』シリーズで見せ始め、先日放送が終了した『賢い医師生活』シリーズでも取り入れられて、多くの視聴者の共感を引き出した。
もはやtvNドラマの”お家芸”とも言われるようになった”懐メロ”のリプレイが、『二十五、二十一』でも披露されるだろうか。
また1998年は、K-POPが海外で人気を博した元年ともされる。
(上から)H.O.T.、S.E.S.(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:トニー・アンInstagram、namu.wiki)
H.O.T.(エイチオーティー)、S.E.S.(エスイーエス)、神話(SHINHWA/シンファ)を擁したSMエンターテインメントや、イケメンアイドルの代名詞と言われたSechs Kies(ジェクスキス)、イ・ヒョリが活動していたガールズグループFin.K.L.(ピンクル)を抱えていたDSPメディアなど、第1世代アイドルがしのぎを削り競い合っていた年が、1998年なのだ。
当時の韓国アイドルは、まず中国や台湾で人気に火が付き、次第に東南アジアに広がりを見せた。また”ダンスアイドル”という、今世界で旋風を巻き起こしているK-POPの典型が、1997年から1998年にかけてでき上がったとされる。
もし『二十五、二十一』で、”懐かしい曲”をかけてくれるのなら、現在のK-POPアイドルブームの序幕となった名曲の数々が楽しめるかもしれない。
さらに当時、世界的なヒットとなり、韓国中のカップルが映画館で観たと言われる『タイタニック』や、ネットカフェの出現によるインターネットの大衆化などが、『25歳、21歳』の中でどう描かれるのか、今から楽しみだ。
***
韓国国民が持つ、1998年という象徴性は実に大きい。
1人当たりのGDPが7000ドルを切り、注目を浴びる途上国から、一夜で奈落に落ちるという屈辱を味わった年だからだ。
去る7月、国連貿易開発会議(UNCTAD)は、スイス・ジュネーブの国連本部で開いた会議で、韓国の地位を”開発途上国”から”先進国”に変更する案を議決した。
韓国人にとって”先進国”になった歴史的な年にも見られた社会の格差と雇用不安、そして不条理な世の中‥『二十五、二十一』は、視聴者に一体どんなメッセージを投げてくるだろうか。
(投稿:Danmee編集長)
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