先月28日よりスタートした、tvN(Netflix)『海街チャチャチャ』が日韓で好評を博している。本作はシン・ミナ、キム・ソンホをW主演で迎え、映画『どこかで誰かに何かあれば間違いなく現れるMr.ホン』をリメイクしたラブコメディーだ。ここで思い出されるのが、映画で主演を務めた名優の故キム・ジュヒョクさん。韓国では、ドラマのスタートと共に彼を懐かしむ声が届けられている。
8月28日より、韓国にて放送スタートしたtvN『海街チャチャチャ』。
放送前から話題を集めていたこともあって、回を重ねるごとに視聴率も上昇。5日に放送された第4話では最高視聴率を記録した。
日本ではNetflix(ネットフリックス)で視聴でき、早くも韓ドラファンの間で話題になっている作品だ。
『海街チャチャチャ』の主演を務めるのは、女優のシン・ミナと俳優のキム・ソンホ。
都会を離れ、海辺の町で開業した現実主義の歯科医ユン・ヘジン(シン・ミナ)と、できないことは何もない”万能ニート”のホン・ドゥシク班長(キム・ソンホ)が、魅力溢れる海の村コンジンで繰り広げるラブコメディーで、実力派俳優である2人の、テンポよいやりとりが魅力となっている。
主演に加え、味のある演技を披露する名バイプレーヤーも多く出演していることから、視聴者からの期待が大きい作品だ。
(関連記事)韓国ドラマ『海街チャチャチャ』人気の秘密は主演2人の’Wえくぼ’?
『海街チャチャチャ』が期待を集める理由
新ドラマ『海街チャチャチャ』の好評を受け、韓国メディア・フィナンシャルニュースは、「故キム・ジュヒョクが恋しい。シン・ミナ、キム・ソンホ”海街チャチャチャ”」と題し、ドラマの原作となった映画作品について報じている。
同メディアはまず、「第一印象は強烈ではなかったが、善良なイメージのシン・ミナ、キム・ソンホに対する好感が、ドラマを定住させた」とし、「新型コロナウイルスの影響で引きこもり生活を強いられる中、窓越しに広がる青い海の風景も魅力ポイント。刺激的な味よりも、まろやかな味のドラマがいつにも増して必要な瞬間だ」と、穏やかで、爽やかな風を感じられる作品だと称賛を届けた。
これに続いて、「この週末ドラマを待つもう1つの理由は、交通事故で突然世を去り、多くの人々に切なさを感じさせた故キム・ジュヒョクさんが思い出される」とし、作品の原作についてこのように触れている。
『海街チャチャチャ』は、キム・ジュヒョクとオム・ジョンファが主演を務めた映画『どこかで誰かに何かあれば間違いなく現れるMr.ホン』のドラマバージョンだ。
通称『ホン班長』 として記憶されるこの映画は、2004年の公開当時、期待以上の楽しさと感動を与え、驚きのプレゼントのような作品だった。『クァンシクの弟クァンテ(2005)』と共に、キム・ジュヒョクの代表作の1つとして知られている。
『海街チャチャチャ』の放送前後、この映画を思い出したネットユーザーからキム・ジュヒョクを懐かしむコメントも寄せられていたそうだ。
あるネットユーザーが「”ホン班長”、僕はジュヒョクさんのキャラクターが一番気に入っている」とコメントを掲載すると、ほかのネットユーザーから「キム・ジュヒョクの演技が最高の映画だ」とのコメントが続いた。
さらに「あたたかいクリスマスのような映画」、「現実でもホン班長のような男を夢見るようにした映画。感動もあり、面白くもあった映画で、キム・ジュヒョクさんの演技がまた見たくなる映画」という反応が見られている(フィナンシャルニュース)。
日韓で多く愛された名優、故キム・ジュヒョクさん
故キム・ジュヒョクさんは日本でも多く愛された、韓国を代表する実力派俳優だ。
俳優二世として誕生した彼は、1997年に映画『都市秘話』で俳優デビュー。
ドラマの端役で出発し、独立闘士、財閥2世、失業者など、様々なジャンルで多様な役どころを演じるなど、映画やドラマを行き来しながら安定的な演技を披露してきた。
2005年に出演したSBS『プラハの恋人』が、韓国で最高視聴率30%を越え爆発的ヒットを記録し、国外にもその名が知られるように。ドラマ人気を受けて、2009年には日本で単独ファンミーティングを開催している。
また、2013年にKBSバラエティー『1泊2日』のレギュラーになると、作品で見せる渋い演技とは裏腹に笑いの主役になるなど、親しみある”アニキキャラ”を炸裂させて新たな魅力を開花させた。
その後、スクリーン再開作である『ハッピーログイン(2016)』をはじめ、ジャンル問わず多くの映画作品に出演し、フィルモグラフィーを重ねていく。
だが、絶大な人気を誇る中、2017年10月30日に原因不明の交通事故により若くしてこの世を去ってしまう―――。
故キム・ジュヒョクさんが残した名作『どこかで誰かに何かあれば間違いなく現れるMr.ホン』。
ファンからは「何だか心が楽になり、胸が熱くなって暖かくなる映画」、「頭ではなく胸に収めておく映画です。たまに愛が懐かしい時に取り出すと本当に良い映画」と称され、現在も多くの愛を受けている。
その作品が現在、シン・ミナとキム・ソンホのタッグにより、リメイクされた。
映画ファンからの愛と懐かしさを一身に背負った『海街チャチャチャ』は、彼らの期待に応えるべく、映画を越えるような深い愛のカタチを見せてくれるだろう。
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