- ホ・ジュンは身分の差を乗り越えて王の医師となった実在の名医で、彼を主人公にした韓国時代劇があります。
- 努力と信念を貫く姿勢が多くの人々の共感を呼び、今なお韓国で愛され続けている人物です。
- 実際の彼はどんな医師だったのか、ドラマチックなエピソードをご紹介します。
韓国の時代劇ドラマには、実在の人物を題材にした感動的な作品が数多くあります。
そのなかでも、伝説の名医ホ・ジュン(許浚/1539~1615)を描いた『ホジュン-宮廷医官への道』(MBC/1999)と『ホジュン ~伝説の心医~』(MBC/2013)は有名。観たことがある人は多いのではないでしょうか。
物語に登場するホ・ジュンは、身分の壁を乗り越え、ついには朝鮮王室最高の医師にまで上りつめた男性。努力と信念を貫く姿は、世代を超えて多くの人の心をつかみました。
もちろんフィクションも盛り込まれていましたが、実際の彼と共通する部分もあったよう。史実によって語り継がれている人物像が垣間見え、本国では物語により深みを感じた人も。
では、韓国で愛されているホ・ジュンは、実際にはどんな人物だったのか。彼にまつわる印象的でドラマチックなエピソードを紹介し、そんな彼を描いたドラマを振り返ります。
正室の慈しみと努力が紡いだ奇跡

『ホジュン-宮廷医官への道』のホ・ジュン(画像出典:MBCドラマ)
身分に縛られた時代、側室の子として生まれたホ・ジュンには、最初から超えられない壁がありました。
下層階級出身者でも官僚になれるチャンスである科挙(官僚登用試験制度)でさえ彼には許されず、当然、世間からも冷たい視線を送られる存在。夢である医学の道に進むことは、非常に難しかったようです。
しかし、そんな彼に手を差し伸べたのが父の正室(嫡母)。彼の学びたいという情熱を見抜いたのか、側室の子どもであるホ・ジュンを支えたと言われています。
ホ・ジュンが医学をどのように学んだのか歴史的資料は残っていないものの、名声を得るほどの腕だったのだとか。彼の不屈の精神と努力、そして、嫡母の温かなサポートがあったからこそ、運命を切り開き、奇跡とも呼べる道を歩むことができたようです。
朝鮮王朝最高の名医へ
そして、内医院(朝鮮時代の宮廷医療機関)に入ってからは、1572年に正四品(18段階ある位階の上から7番目)に。翌年には内医院の責任者となり、朝鮮第14代国王・宣祖(ソンジョ)の治療をして褒美を授かったこともあるそうです。
また1591年には、宣祖の二男である王子・光海(クァンヘ)軍を天然痘から救って、正三品のなかでもさらに上の階級である堂上官の位を与えられるのですが、この後も彼の伝説は、続き、同じく1596年にまたしても王子の命を助けて、正二品(位階の上から3番目)へと昇進。

『ホジュン ~伝説の心医~』(画像出典:MBCドラマ)
最終的には、文禄・慶長の役の際に誰もが避難するなか、宣祖に仕えた忠誠心を称えられて、ついには最高位となる正一品にまで上り詰めました。
残念ながら、宣祖の死後その責任を問われて流刑となるのですが、そこでも医療に従事し、無料で庶民を診察したと言われています。
不遇な運命を乗り越え、最後まで、人を癒すことに専念したホ・ジュン。この姿こそが時代を超えて韓国で愛されている理由のようです。
ドラマで蘇る伝説のホ・ジュン
冒頭で触れたドラマ『ホジュン-宮廷医官への道』と『ホジュン ~伝説の心医~』では、そんな彼の生涯を温かく、時に涙と共に描き出し、重い身分制度があった時代に差別という壁を乗り越えて患者の命を救った姿が。
後者が前者のリメイク版として、時を超えて制作されたのも、ドラマ自体の人気はもちろん、本国で彼がそれだけ愛されている証と言えるでしょう。

『ホジュン ~伝説の心医~』(画像出典:MBCドラマ)
歴史的資料が多く残っていないため、彼の人となりはそこまで分かっていませんが、両作品では、病に苦しむ人々を前に何のためらいもなく手を差し伸べるホ・ジュンの“人としての優しさ”が描かれています。
実際の彼もそうだったのではないかと思わせてくれるシーンの数々は、きっと観る者の胸に響いていることでしょう。
現在、『ホジュン-宮廷医官への道』は、Lemino、FOD、ABEMA、DMM TVで、『ホジュン ~伝説の心医~』は、Amazon Prime Video、ABEMA、U-NEXTで配信中。気になった方はご覧になってはいかがでしょうか。
『ホジュン~伝説の心医~(2013)』予告編(日本語)
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