かつて「ドラマ王国」と呼ばれていた韓国の放送局、”MBC”。だが、現在はその座を他局に奪われてしまい、勢いを失っているよう。これまで、日本でも多くの人気を博したドラマを数多く制作していた”MBC”が、2021年下半期に社運を賭けた力作を放送するという。主演に韓国で最もホットな俳優、ナムグン・ミンを迎えた期待作は、視聴者のハートを掴めるのか。
国内外に多くのファンを持つ、韓国ドラマ。
最近では、tvN『愛の不時着』やJTBC『梨泰院クラス』などのように、Netflix(ネットフリックス)を通じて世界配信され手軽に見られるようになった。視聴しやすい環境が整ったことで、各国のドラマファンをさらに熱狂させている。
世界中を魅了するヒット作を生み出したことで、各放送局の名も広く知られるようになった。
特に”tvN”や”JTBC”の名は世界中を闊歩、その中でも”tvN”は「ドラマ王国」の名を獲得し、韓国ドラマ界を一歩リードしている。
2021年も下半期を迎え、韓ドラファンから新作への期待が寄せられている中、旧王者である”MBC”が本気を見せてきた。
かつて”ドラマ王国”として韓国ドラマ界をけん引してきた”MBC”は、これまで数多くの名作、ヒット作を世に届けてきた。
日本でも放送され、韓国と同じく大ヒットとなった『宮廷女官チャングムの誓い(2003)』や『朱蒙 -チュモン- Prince of the Legend(2006)』を筆頭に、『ホジュン 宮廷医官への道(1999)』、『チェオクの剣(2005)』、『太王四神記(2007)』など、壮大なスケールで描く時代劇で大ヒットを放った。
また、現代劇ではトップスターと呼べる俳優を生み出している。
俳優ヒョンビンのブレイク作『私の名前はキム・サムスン(2005)』をはじめ、コン・ユの出世作『コーヒープリンス1号店(2007)』なども”MBC”の作品だ。
ほか、ペ・ヨンジュンの出演で話題を集めた『ホテリアー(2001)』、イ・ソジン、イ・ウンジュ、エリックが主演した『火の鳥(2004)』、ユン・ウネ&チュ・ジフンのW主演となった『宮 ~Love in Palace(2006)』、開局46周年を記念した特別企画ドラマ『イ・サン(2007)』、日本ドラマのリメイクである『白い巨塔(2007)』など、人気スターを起用した作品も多い。
その後も、新羅第27代王・善徳女王の生涯をフィクションを交えて描いた『善徳女王(2009)』、低い身分から最後には順帝の皇后となった奇皇后をハ・ジウォンが演じた『奇皇后 ~ふたつの愛 涙の誓い~(2013)』、キム・スヒョンの名演技が光る『太陽を抱く月(2012)』、次世代スターのイム・シワンが主演を務めた『王は愛する(2017)』などの人気作があり、”キリがないほど”のヒット作を生み出している。
これほど多くのヒット作を送り出してきた”MBC”であるが、残念ながら現在は低迷中だ。
局の顔とも言える”月火ドラマシリーズ”が不振となってしまい、同時間帯がバラエティー番組の放送となるなど、かつての名声を失ってしまった。
王者に君臨する”tvN”に押され、かつての栄光を取り戻せずにいる”MBC”が、2021年下半期に勝負に出る。社運を賭けた大作を準備したのだ。
それが、信じて見る俳優、ナムグン・ミンが主演を務める『黒い太陽』だ。
このドラマは、1年前に行方不明になった国家情報院最高の現場要員が、自分を奈落に落とした内部の裏切り者を捜し出すために組織に復帰したことで繰り広げられる話だ。
韓国ドラマ界のトレンドである、正義のアイコンが巨悪に立ち向かうといった復讐・仕返し劇で、サイダードラマやダークヒーロードラマの要素を含んでいると予想されている。
この中でナムグン・ミンは、国家情報院最高の現場要員であるハン・ジヒョク役を演じる。
アクションブロックバスタージャンルとも言われ、ナムグン・ミンはこれまで以上の完璧な演技と、華麗なアクションを披露する予定だ。
韓国で”最も素晴らしい俳優”と注目を浴びているナムグン・ミンと、トレンドのドラマジャンルがタッグを組んだ『黒い太陽』は、再び”MBC”に「ドラマ王国」という輝かしい名を届けることができるのか。
一方、ドラマ『黒い太陽』は韓国にて、9月17日より放送をスタートする。
MBC『黒い太陽』予告ティーザー(動画出典:Youtube)
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