6月11日、準強姦などの容疑で起訴されたカン・ジファンの裁判はすべて終わったと思われた。しかし会心の一撃を準備し再び大衆の前に姿を現したカン・ジファン。ドラマよりドラマチックな”トップスターの性犯罪事件”の新展開とは‥

俳優にとって”性犯罪”の前歴は一生付きまとう。
長い自粛を強いられるものの、何とか役者人生は延命できるかも知れないが、おそらくそれも”悪役”だけに回される。以前Danmeeでも取り上げたイ・ギョンヨンが、その代表的なケースである。

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テレビ関係者にとっても、”性犯罪”のレッテルは敬遠対象だ。純愛を貫く役も、正義を守る役も視聴者に感情移入させることが難しいからだ。”犯罪者”なら適役かも知れないが、本人が引き受けないだろう。役者としては大きな機会損失であり、何よりも大事な”好感度”に大きな打撃を受ける。そう、カン・ジファンは2019年に自身の自宅で犯した罪により、役者人生の絶体絶命な危機に立たされている。

1年前、カン・ジファンに何が起きたのか?

カン・ジファン

カン・ジファン(写真提供:©スポーツ韓国)

2019年7月9日夜10時、カン・ジファンは京畿道広州市にある自宅で、性暴力犯罪の処罰などに関する特例法上の準強姦罪で警察に緊急逮捕された。

カン・ジファンは、知り合いの女性A氏とB氏2人と自宅でお酒を飲んだ後、彼女たちが寝ていた部屋に入りA氏に性的暴行を加え、B氏にセクハラをした疑いを受けた。性的暴行を受けたA氏は、ソウルにいる友人に携帯電話のメールを通じて「カン・ジファンの家でお酒を飲んだのだが、今閉じ込められている」と伝え、警察への通報を依頼。A氏の友人から通報を受けた警察は、カン・ジファンの自宅に向かい、A氏などから「就寝中に性的暴行とセクハラにあった」という陳述を確保し、カン・ジファンを緊急逮捕する。

警察の調べに対し、カン·ジファンは「酒に酔っていて全く覚えていない」と供述。

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被害女性へ示談要求? カン・ジファンの謝罪

警察の捜査が進む中、カン·ジファンから性的暴行の被害を受けた女性側が「カン・ジファンの所属事務所から合意(示談)を要求されている」という内容の意見書を警察に提出したとのニュースが打電された。被害女性側の弁護人は「所属事務所が、被害者側に示談を要求する連絡を取っている。今後このような行為がないことを望む」という趣旨の意見書を提出した。

カン・ジファン

性的暴行及びセクハラの疑いで緊急逮捕された俳優カン・ジファン(写真提供:©スポーツ韓国)

事件発生7日後の7月16日、カン・ジファンは警察の調査で初めて容疑を認めた。
広州警察署は、カン・ジファンが「私が間違っていました。被害者の方に申し訳ないです」と全ての疑惑を認めた事を明らかにしたのだ。
これに先立ち、7月15日には自身の弁護士を通じて「全ての疑惑を認め、取り戻すことの出来ない誤りで、大きな傷を負われた被害者の方々に、心より謝罪申し上げます」と伝えた。

示談要求や謝罪により、カン・ジファンに向けられていた大衆の疑惑は解消されることになる。そしてこれをもってカン・ジファンは、正真正銘の”性犯罪者”になってしまった。

2020年6月、有罪で裁判は終わったと思われたが‥

2019年11月21日、結審公判で検察は準強姦などの容疑で起訴されたカン・ジファンに対し懲役3年の宣告と、性的暴行治療プログラム、個人情報の開示、この先5年間児童及び青少年関連施設への就職制限を裁判所に要請。そして2週間後の12月5日、水原地裁・城南(ソンナム)第1刑事部(チェ・チャンフン部長判事)は、準強姦などの容疑で起訴されたカン・ジファンに対して懲役2年6ヶ月・執行猶予3年を言い渡した。

カン・ジファンは最後の陳述で「一瞬の大きな失敗が、多くの方々に大きな苦痛を抱かせてしまった。この事実が、人生を諦めたいほど苦しかった」とし、「少しの間でも、その日に戻ることが許されるのならば、”お酒のグラスを下ろしなさい”と自身に言いたい。私自身、あまりにも憎くて自らも許すことができない」と涙声で語った。

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そして、逮捕から約5ヶ月ぶりに釈放され、帰宅した。

しかし一審判決後、検察はカン・ジファンに対する量刑があまりに軽いと控訴。カン・ジファン側も量刑が過剰なうえ、セクハラを否認する趣旨で控訴する。今年6月11日に裁判所は「この事件の犯行の、具体的な内容や犯行がなされた経緯、犯罪の前歴がない点などの様々な事項を考慮した結果、判決を変える理由がない」とし、検察とカン・ジファンの控訴を全て棄却。控訴審裁判でも原審と同じ判決を下し、すべての法的攻防は終わったかと思われた矢先に、カン・ジファンはこれを不服として控訴する。

カン・ジファンが準備した切り札

予期せぬ展開に、韓国は驚愕した。
8月18日の韓国メディア スポーツ朝鮮が、これまで知られていない事実を突如として公開した。これは何故、カン・ジファンが控訴したかが推測できる事実である。

まず、準強姦被害者であるA氏の身体や下着からカン・ジファンの精液や尿道球腺液が発見されなかったという事。なお、強制わいせつの被害者であるB氏の下着などからは、カン・ジファンのDNAが発見されたが、彼の自宅でシャワーを借りた際に、彼の物を使用した過程で付いたものだと推測されている、との事実も公開された。

また、「カン・ジファンの自宅に閉じ込められた」と知人にメッセージを送った被害者らが、下着姿で自宅の至るところを行き来する様子が自宅内の監視カメラに映っている。この時カン・ジファンは泥酔しており、彼を部屋に運んだのがA氏とB氏だったのである。

この日、カン・ジファンは被害者らに対して慰労金を用意。封筒を開けて慰労金の金額を確認している姿もバッチリ撮られている。トップスターの準強姦及び強制わいせつ事件は「カン・ジファンの家に閉じ込められている」という1通のメッセージから始まったが、どうやらこのメッセージの信憑性は疑われても不思議ではなくなってきた。

昨年から続いている警察の捜査や裁判で、被害者らの証言は一貫性が無いと指摘されてきたが、今回の新事実により事件の真相を再捜査するべきだという声が上がっている。なお、被害者の証言だけに依存した捜査機関や裁判は無罪推定原則を無視した行為との批判も強まっている。

しかし、ここで残る疑問が1つ。カン・ジファンは、何故逮捕されて間もなく謝罪をしたのか‥だ。裁判で実刑を避けるため、早い段階で反省の意を見せる事が最善策とでも思ったのか。泥酔して記憶が曖昧な状態で、真実攻防は意味がないと判断したのか‥今となっては真意は不明だが、カン・ジファンにとっては悪手であることは間違いない。

ドラマよりドラマチックな展開、いや、恐ろしい展開だ。果たして”カン・ジファン”という俳優の起死回生がかかった延長戦の行方はどうなるのか、注目が集まっている。