今韓国で、最も高い話題性を誇る番組と言えば断然、女性ダンサーサバイバル番組『STREET WOMAN FIGHTER』だ。この番組が、放送開始前に音楽ファンの関心を集めた理由の1つに、元IZ*ONEイ・チェヨンの貢献度が高いとされているが、いざ蓋を開けてみると、プロダンサーとの実力差が歴然としていた。
IZ*ONE(アイズワン)出身のイ・チェヨンが現在出演している、Mnet女性ダンサーサバイバル番組『STREET WOMAN FIGHTER』。
テレビ番組の話題性では、常にトップ争いに仲間入りを果たしており、ここ日本でも徐々に知名度を上げている。
K-POPアイドルの華麗なるパフォーマンスを、陰で支えてきた女性ダンサーにスポットライトを当てた番組として「Mnetだからこそ可能だった企画」「K-POPの底力が実感できた」「タフなストリートダンサーの”ありのまま”をどストレートに描いてる」「地上波では見られない怖い姉ちゃんたちの無情なバトル!」と好評を受けている。
同番組が、放送開始前に音楽ファンの関心を集めた理由の1つとして、イ・チェヨンの貢献度が高いと言われている。IZ*ONEメンバーとして、チームのダンスラインを引っ張って来た彼女が、プロのダンサーとしのぎを削る姿を、音楽ファンは見てみたかったのだろう。
しかし、いざ蓋を開けてみると、プロダンサーとの実力差は歴然だった。番組はストリートダンスの対決をモチーフにしているため、対決する相手を指名するシーンが登場するのだが、イ・チェヨンは「負ける気がしない相手」として指名を受けることの多い、いわば”屈辱のアイコン”となってしまった。
9月7日の放送回では、ワーストダンサーとして指名されたHOOKのソン・ユンギョンが、別のワーストダンサーとしてWANTクルーのイ・チェヨンを選ぶシーンが放送された。
ソン・ユンギョンは「プライドとか関係なく、勝たなければならない状況だった」「そんな私でも勝てそうな、イ・チェヨンさんを選んだ」と言及し、かつてIZ*ONEの”ダンスマシン”と言われていたチェヨンを挑発。
イ・チェヨンは、これまでのプレッシャーから解放されたような、清々しい顔を見せながらソン・ユンギョンとの対決に臨み、周りから「上手くなったよ」「成長したね」と声がかけられた。
(関連記事)元IZ*ONE イ・チェヨン ワーストダンサーに指名されバトルに挑んだが‥
チェヨンがアイドルとして築いてきた、華やかな経歴を一度忘れようとしているかのような、そして「何か見せなきゃ」という焦りから解放されて、真の実力を発揮して頂点へ上り詰めるかのような、まるで1人の”成長ドラマ”のようなプロットだ。
以前、同番組で審査を務めるBoAも「成長した姿を見た。(イ・チェヨンの勝利に)スカッとした」と、回を重ねるごとに成長するイ・チェヨンを褒め称えたことがあるほど。
『STREET WOMAN FIGHTER』を観る音楽ファンにとっては、実力派ダンサーのハイレベルなダンスを堪能する楽しみもあるが、イ・チェヨンの”奮闘記”も楽しみの1つだろう。
しかし、一部の視聴者は、不満をこぼす。
その火付け役は、『STREET WOMAN FIGHTER』に出演しているダンサー、Hollybang所属のTaro。彼女は去る9月1日、自身のSNSに「おい、やめろ! 私とバトルしようぜ! 成長日記の生贄、だんだん腹が立つ」と、公開的にイ・チェヨンと番組側のコンセプトを辛辣に批判したのだ。
これには、音楽ファンも同調。「ダンサーたちに当てていたスポットライトが、いつの間にかイ・チェヨンに移っている‥」「やっぱりスターアイドルじゃないと売れないのか」「イ・チェヨンも*Mnetの娘だからね」「ダンサーたちを脇役に回すな!」などと、批判の声を上げている。
*イ・チェヨンは、Mnetの番組『PRODUCE 48』でIZ*ONEメンバーに選抜されたため。
しかし、大多数の視聴者はこの批判に「(ダンサーたちが)イ・チェヨンを指名するから、彼女にスポットライトが当たるのでしょう?」「番組のファンだけど、イ・チェヨンをゴリ押しするような編集はまったく見当たらない」「イ・チェヨンの成長日記云々を聞いて驚いた。何でそんなネガティブな話題を作ろうとするの?」と、首をかしげる。
むしろ、アイドルのダンスを低評価し、無視するようなダンサーたちの態度に非難が集まった。
韓国のオンラインコミュニティーでは、「番組の主人公になりたいのであれば、イ・チェヨンをディスるのをやめてほしい」「結局同じ畑(業界)でしょ?」「アイドルをディスって快感を得るのは、単なるコンプレックスに過ぎない」と、ダンサーたちを強い口調で批判する声が、多数上がっている。
IZ*ONE(アイズワン)
IZ*ONE(アイズワン / ハングル 아이즈원)は、韓国と日本合同のグローバルガールズグループである。
2018年に韓国の音楽専門チャンネルMnetで放送された日韓合同オーディション番組「PRODUCE 48」を通して、韓国の芸能事務所に所属する練習生57人、日本のAKB48グループに所属するアイドル39人、総勢96人の練習生から、韓国の視聴者投票で選ばれた12人のメンバーによって結成された。
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