2019年に7歳年下の男性、ソン氏との交際を公開し、世間の祝福を受けたパク・ギュリだが、最近交際相手が、深夜に泥酔状態で運転し、交通事故を起こした上に逃走を図ったと報じられた。”財閥3世”と紹介された交際相手の正体とは・・。
2016年に活動を休止した人気ガールズグループ、KARA(カラ)。
かつて(10年ほど前)、K-POPを代表するアイドルグループとして、ここ日本でも、高い人気を誇っていた。
現在は韓国で、演技やテレビ番組出演を中心に、ソロ活動を精力的に行っている。
中でも、2019年に7歳年下の男性、ソン氏との交際を公開し、世間の祝福を受けたパク・ギュリの近況が話題だ。
パク・ギュリの交際相手であるソン氏が、去る6月22日の深夜に泥酔状態で運転し、交通事故を起こした上に逃走を図ったと報じられたためだ。
当時、ソン氏が運転していた車には、パク・ギュリではない女性が同乗しており、この女性がソン氏に「車から降ろしてほしい」と要求したにもかかわらず応じなかったと言い、監禁の容疑も持たれている。
韓国メディアはこの件を一斉に速報で伝え、日本のメディアも、韓国メディアの記事を引用しながら後追いで報道じた。
あるメディアでは、韓国記事のタイトルと本文をそのまま翻訳・掲載しているが、ソン氏について”財閥3世”という、韓国ドラマによく登場する”御曹司”を連想させるワードが使用されていることに、驚きを禁じ得ない。
果たして、パク・ギュリの交際相手は、本当に”財閥3世”なのか・・?
パク・ギュリの交際相手は、なぜ”財閥3世”になったのか
パク・ギュリの交際相手であるソン氏の正確な職業は、キュレーターであり企業家である。
キュレーターとは、博物館や美術館で研究・収集・展示・保存・管理などを行う人のことを指す。ソン氏は、自らのアイデアで、誰もが簡単に美術品を購入できるプラットホーム事業を立ち上げ、韓国美術界のパラダイムを変えた人物と評されている。
弱冠26歳で”美術と財テク”、”美術とブロックチェーン”を融合させるというビジョンとともに、能力ある若い美術家の発掘にも力を入れているという。そして彼が立ち上げた会社『Pica Project』は、2020年に韓国政府機関(企画財政部傘下の、韓国共有経済振興院)から、共有経済優秀企業に選定されることに。
パク・ギュリとは、美術という共通の趣味で出会い、恋人関係に発展したという。
では、なぜソン氏は、これほどの実績を持ちながら、世間から”財閥3世”と認識されているのだろうか? その理由は、ソン氏の祖父が、韓国地方にある中堅建設会社の創業者だからだろう。
その会社名は『ドンウォン建設』。1957年に創業され、建築業を中心に不動産事業や経営コンサルタント業を行っている。2016年基準で、会社の資本金は81億ウォン(約8億円)であり、2018年の年間売上総額は196億ウォン(約19億円)である。
どう見ても、”財閥”には見合わない数字だ。
韓国の租税特例法による基準で言えば『ドンウォン建設』は、”中小企業”に該当する。
交際相手は、財閥でも御曹司でもない
もちろんソン氏は、一般家庭に比べたら、裕福な環境で育ったのかもしれない。
もしくは、会社の収益構造などにより、オーナー一族が”財閥”並みの暮らしをしていたのかもしれない。
しかし、世間一般的に”財閥”と呼ばれる系列会社を持っているグループ型の大企業には到底見えないのだ。
推測の域を出ないが、『ドンウォン』という社名を持つ、水産関連の大企業の存在が、今回の誤解を招いたのではと思われる。
韓国大企業序列の43位に付いている『ドンウォングループ』は、水産業(冷凍食品)を中心に、光学事業や電子事業、運送業を展開している大企業だ。
他にも『ドンウォン』という社名を使っている企業は多く、『ドンウォン建設』と同じく、韓国第2の都市、釜山で建築業を営む上場企業『ドンウォン開発』という会社も存在する。
韓国メディアや情報サイトの中では、ソン氏一家が経営する会社を『ドンウォン開発』と紹介するサイトもあり、多くの韓国人もこれを鵜呑みにしている。
今回は、日本のマスコミまでもが、ソン氏についてしっかり検証せず、”財閥3世”と報じており「元人気女性アイドルが、年下の財閥御曹司と交際しているが、その御曹司が女性を車に監禁し飲酒運転をした」という、韓国ドラマのような”プロット”を作り上げているようにしか見えない。
先日、ある日本のマスコミは、BIGBANG(ビッグバン)の元メンバーV.Iが、捜査と裁判から逃れるために”逃避入隊”をしたと報道。もちろんこれも、韓国メディアの”翻訳記事”である。
しかし、Danmeeでも報じたが、V.Iの入隊は逃避を目的としたものではないことは明らか。韓国兵務庁が、公正な兵役義務のための入隊通知書を発送しており、V.Iは”適齢期”になったため入隊しただけなのだ。
(関連記事)元BIGBANG V.Iを’逃亡入隊’と決めつける韓国メディアと世論【韓国見出し】
真相の検証は、たとえ海外ニュースを報じるメディアの特性上、現地メディアの報道に頼ざるを得ない立場であっても、必ずやるべきことである。
韓国メディアが出している記事を翻訳するだけでは、真相の究明というメディアの機能が停止してしまう。
どれだけ信頼できるメディアであっても、”疑いの目”を持ち、できうる限り検証するという姿勢を貫いていくべきではないだろうか・・。
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