Netflix(ネットフリックス)で配信中のドラマ『愛の不時着』でさらに知名度を上げた俳優ヒョンビン。北朝鮮の将校というハンサムな軍人役で彼のルックスに惚れた人も多くいることだろう。“ヒョンビン シンドローム”の波に乗って、『愛の不時着』のキャラクターとは一味違う、モダンな姿で話題となった貴重なミュージックビデオを紹介する。

韓国tvNドラマ『愛の不時着』が世界中で耳目を集めて話題を継続している中で、その興行の中心にいる俳優ヒョンビンに対する関心が熱い。

端麗な容姿と繊細な演技で“リ・ジョンヒョク”というキャラクターを作り出したヒョンビンは、これまでも多くの作品でスクリーンとドラマを行き来しながら世の女性たちを魅了してきた。

俳優 ヒョンビン

俳優 ヒョンビン(画像出典:tvN)

特に『愛の不時着』の人気に火が付くと、日本国内でも各媒体が我先にとヒョンビンの魅力に対して分析し、過去の出演作に再びスポットを当てるなど彼のフィルモグラフィーに注目している。

そのような中、ここでは、ヒョンビンのフィルモグラフィーの中でも“超貴重”とも言えるミュージックビデオ(以下:MV)に着目したいと思う。

ヒョンビンが出演してきたMVは、これまでに4作。Herb『It’s my fault(내탓이죠)』(2003)、Lemon Tree『Hey U』(2005)、キム・ボムス『Memory』(2005)、キム・ドンリュル『返事』(2018)だ。

4作というだけでもレアなのだが、その中でもキム・ドンリュルの『返事(原題:答状)』には、日本にまつわるエピソードもある。

ミュージックビデオに出演したヒョンビン

ミュージックビデオに出演したヒョンビン(画像出典:キム・ドンリュル『返事』)

長くからキム・ドンリュルのファンだったヒョンビンは、2017年4月に大阪で開催された日本公式ファンクラブの設立10周年を記念した、一夜限りのファンミーティングイベント「2017 HYUN-BIN Dear My Space~The Space Japan 10th Anniversary~」で、キム・ドンリュルの『感謝(감사)』を甘く切ない歌声で熱唱した。

当時、ヒョンビンは「10周年を迎えたということに感謝しています。いつも変わらず愛と応援を送ってくださる皆さんへの感謝を伝えたいと思いました」とし「歌の歌詞に“感謝”の思いが込められているものを探した結果、この曲にしました。皆さんが耳を傾けてくださって嬉しいです」と語ったことがある。

この事実を知ったキム・ドンリュルは、ヒョンビンと縁を結び、連絡を取り合う間柄に。そして、キム・ドンリュルからMVの出演を提案し、ヒョンビンも快く応じたことがのちに彼らの側近を通じて伝えられた。

キム・ドンリュルは、当時SNSを通じて「忙しいスケジュールでも時間を作って快く撮影に応じてくれたヒョンビン様のおかげで、楽曲がより一層輝いたようです。ありがとうございます」と謝意を表したことがある。

ヒョンビンにオファーをかけたキムドンリュル

ヒョンビンにオファーをかけたキム・ドンリュル(写真提供:©スポーツ韓国)

『返事』には、愛する人との別れによる虚しさや、“孤独”という静かな感情が盛り込まれている。

特に、“思い起こすとあの時 / 君は必死だったのに / 気づくことができず / くだらないこと言っていた僕 / どれだけバカみたいだったんだろう”、“あの時に戻って / 君と会えたら / 話したいことが沢山あるけど / 何よりもただ君を抱きしめてもいい? / 一瞬だけでも”など、現実的ながらも、愛の行き違いと後悔..そして”過去の愛”を取り戻せない無念さや嘆きが盛り込まれている歌詞が印象的だ。

2人が育んだ”愛”という名の時間が、思いもよらない方向に転ずるという哀しく切ない物語ーーまるで『愛の不時着』を彷彿とさせるような感覚的なMVだ。

メローな感性と、切ない表情の演技で歌詞の心情を完ぺきに表現したヒョンビンと、キム・ドンリュルの名品ボイスが出会った歴代級のMV。6分あまりの映像が短く感じられるほど視聴者たちに最高の没入感を与えた超貴重な『返事』のMVをぜひご覧いただきたい。


KIM DONG RYUL『返事(Reply / 답장)』(動画出典:1theK(원더케이))

KIM DONG RYUL『返事(Reply / 답장)』和訳歌詞

너무 늦어버려서 미안
あまりにも遅くなってごめん

나 알다시피 좀 많이 느려서
ご存じのとおり、僕がちょっとのろくさいから

몇 번이나 읽어도
何度読み返しても

난 믿어지지 않았나 봐
僕には信じられないみたい

답을 알 수 없던 질문들
答えが見つからなかった質問の数々

다음날에 많이 웃겨줘야지
次の日、たくさん笑わせてやろう

난 그랬어
それが僕だった。

지금 생각해 보면 그때
思い起こすとあの時

넌 안간힘을 쓰고 있었는데
あなたは必死だったのに

널 알아주지 못하고 더 실없이 굴던 내 모습
気づくことができずくだらないこと言っていた僕

얼마나 바보 같았을까
どれだけバカみたいだったんだろう

내일 맛있는 거 먹자고
明日美味しいもの食べようねと

혹 영화라도 볼까 말하던 내가
映画でも見ようかねと話していた僕が

나 그때로 다시 돌아가
あの時に戻って

네 앞에 선다면
あなたと会えたら

하고 싶은 말 너무나 많지만
話したいことたくさんあるけど

그냥 먼저 널 꼭 안아 보면 안될까
何より只々あなたを抱きしめてもいい?

잠시만이라도
一瞬だけでも

나 그때로다시 돌아갈 기회가 된다면
あの時に戻れたら

그때보다는 잘할 수 있을까
あの時より上手くいけるのかな?

뭔가 그럴듯한 말을 하고 싶은데
あなたに上手く伝わることを書きたいけど、

나 아무래도 내일 쓸까 봐 또 미룰래
どうやら今日は書けない、明日にするね



ヒョンビン

韓国の人気俳優ヒョンビン(ハングル 현빈)。1982年9月25日生まれ。

2003年にKBSのテレビドラマ『ボディガード』(2003)でデビュー。

2005年にMBCドラマ『私の名前はキム・サムスン』(2005)で大ブレイク。韓流スターとして、韓国や日本、中国をはじめアジア全域で人気を博している。

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