最近のBTSコンサートでは、聴覚障害者のために手話通訳士がいる。韓国では、”ろうARMY”という言葉も使われており、BTSのコンサートは、より多くの方が楽しめる環境づくりの配慮が行われているようだ。今回は、”ろうARMY”の方が参加したコンサートのエピソードを紹介する。
BTS(防弾少年団)のコンサートでは、聴覚障害者(ろうあ者)のために手話通訳士がいるのをご存じだろうか?

BTS (画像出典:YouTubeキャプチャー)
現在、BTSが行う国内外のコンサート会場では、より多くの方が楽しめる環境づくりの配慮が行われているようだ。
韓国では、”ろう*ARMY”(第1言語で手話を使うBTSファンダム)という言葉が使われている。
*ARMY(アーミー:BTSファン名称)
今回は複数の韓国メディアが報じている、”ろうARMY”であり、韓国ろうあ者教育研究所のアン・ジョンソン代表(以下、アン代表)のBTSに対する思いについてご紹介する。
3歳の時、熱病で聴力を失ったアン代表とBTSの出会いは2017年。BTSが『ビルボードミュージックアワード』で受賞したニュースを聞いて初めて関心が生まれたという。
アン代表は、アメリカで10年、留学をしながら講師の仕事をしていたため、ビルボードで受賞することがどれほど素晴らしいことかを知っていた。だからこそ、「BTSが受賞した事実に驚き、誇らしかった」と話している。
YouTube(ユーチューブ)で初めて見た映像は『DOPE』。アン代表は「振り付け映像を見て衝撃を受け、その後すっかりはまりARMYになった」と振り返った。
また、アン代表はBTSの魅力をこう伝えている。
「BTSの音楽は、特にダンス曲が好きでした。視覚的に楽しいんですよ。振り付けは視覚的にとても楽しくて、歌の歌詞に意味深いメッセージがあって、40歳を過ぎて、初めて歌の歌詞を見て泣かされました」
そんなアン代表が初めて観覧したBTSのコンサートは、2018年ソウルで開かれた『BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF’ SEOUL』だ。
通訳なしでの観覧であったため、「ファンが合唱をする時、疎外感を経験した」「音が大きかったが、通訳士が必要だと感じた瞬間だった」と打ち明けている。
2度目に見たコンサートは、文字中継の通訳で障害者サービスを受けたそうだ。
そして2019年、アン代表は米ロサンゼルスで行われたコンサートを観覧し、衝撃を受ける。
その理由は「ろうあ者が少なくとも20人おり、(韓国の会場と違って)全員1階の一番前に座り、フロア(通路部分)に手話通訳士が2人もいた」からだ。
「英語の通訳者が1人いらっしゃいました。BTSの歌が韓国語なので、英語通訳士が英語に翻訳された歌詞を教えてくれると、アメリカの手話通訳士が見ながら通訳しました。アメリカの手話通訳の2人が交互にやってくれるんです。(集中力を高めるためには交互に休まないといけませんから)本当に感動しました」
アン代表はこれを機に、BTSの所属事務所に「韓国でコンサートをする時は、ロサンゼルスのように通訳者2人をフロアの前に配置してほしい」と依頼する。
すると、事務所側からは「そのようにします」との返事が来たという。
たまたまかもしれないが、その時期は当時(2019年)リーダーのRMが、聴覚障害者特別支援学校に1億ウォンを寄付した時と重なるそうだ。

話題となった『Permission to Dance』の手話シーン (画像出典:YouTubeキャプチャー)
またアン代表は、BTSが2021年7月に公開し、”ろうARMY”の間でも話題となった曲『Permission to Dance』について言及した。
アン代表がMVを見て一番驚いた部分として「歌詞を手話にしたのではなく、間奏部分に国際手話を入れた部分。神の一手だった」と挙げ、「この”楽しい”を韓国手話または国際手話で、”ダンス”と”平和”を国際手話でリズムに乗りながら自然にやるのを見て、やはりARMYになってよかったと思った」と伝えている。
さらに、BTSが韓国の手話でもなく、国際手話を選んだ部分にも驚いたアン代表は、「グローバルスーパーグループらしい卓越した選択だった」「『Permission to Dance』のMVのおかげで、”ろうARMY”たちに多く出会い、時々*チョンモ(정모)する」と話した。
*チョンモ:チョンギモイム(정기모임/定期モイム)の略。モイムとは「集まり、集い」のことで、定期的に開かれるオフ会の意味。
アン代表は「BTSの影響はさまざまな方面から来る」と見ており、「おかげでコンサートで手話通訳士の配置をアップグレードすることができ、ARMYたちの助けを受けることができ、”ろうARMY”の友達ができて、今後新しい”ろうARMY”も生まれそうだ」「何より文化生活の接近性が10%にもならない私たち、ろうあ者に、少しでも影響を与えたようで、他の公演界にもこのような影響が広がってほしい」と伝えている。
2019年10月、ソウル蚕室総合運動場メインスタジアムで開かれたコンサートには、6人の聴覚障害者が参加し、手話通訳士は2人いた。
また2022年3月、同会場で開催したコンサート『BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE – SEOUL』の最終日には、2人の聴覚障害者のために2人の手話通訳士が配置された。
SNSでは、手話通訳士が早口のラップをも丁寧に通訳している映像が見られる。
BTSのコンサートは、より多くのARMYが楽しめるように配慮され行われているのだ。
(構成:酒井知亜)
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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