6月14日に放送された『リアルなバンタン会食』で発表された、BTSメンバーのソロ活動計画。早くも2週間以上の時間が経ち、本日(7月1日)メンバーのJ-HOPEがソロアルバム『MORE』を公開した。BTSの第2章の幕上げが生み出す様々な価値を考察してみる。
BTS(防弾少年団)が6月14日に行った『찐 방탄회식(リアルなバンタン会食、以下、バンタン会食)』を、K-POP業界では”2兆ウォンの晩さん会”と呼ぶ。
なぜなら、その会食でのある発表により、BTSが所属するレーベルなどを統括するHYBE(ハイブ)の時価総額が、2兆ウォン近く消えたためだ。
その発表とは、”ソロ活動に力を入れる”というもの。
もちろん、ファンと投資家の誤解はあった。BTSの真意とは関係なく「BTSがグループ活動を休止する」という憶測だけが独り歩きしたのだ。
BTSのメンバーやHYBE関係者は鎮火を急いだが、”後の祭り”。HYBEとしては、とてつもない資金が一瞬にして消えてしまった。
ソロ活動は、K-POP業界ではある意味”一般常識”である。しかしBTSの場合は、デビュー10年目を迎えての試みであるため、その波及力と衝撃が大きかったと見られる。
もちろん、メンバーのソロ活動によって「BTSというブランドとコンテンツ力が瓦解していくのでは?」というファンの心配は、今後も続くだろう。
しかし韓国国内では、ソロ活動によるさらに多彩でダイナミックなBTSの”第2章”を期待する声も、次第に増えている。
特に、”売上”という側面では、グループ活動より増加すると予測するマスコミや専門家も多い。
その1つが、韓国メディアのNEWSIS(newsis.com)だ。7月1日、同メディアは「BTS チャプター2が幕上げ・・その未来は’?’ではなく’!’」という記事を通して、BTSの今後をポジティブに予想。
そして、他グループの事例を紹介しながら「ソロ活動が、むしろK-POP市場と影響力をさらに大きくするだろう」と予測している。
事例として挙げられているのは、BLACKPINK(ブラックピンク)とEXO(エクソ)のベッキョン。
以下、その一部抜粋。
2020年のBLACKPINKは、グループ全体のアルバム売上が約172万枚。一方、メンバー3人のソロアルバムの売上は、合計で約146万枚で、グループの売上の85%に達する。また、EXOベッキョンのソロアルバムは、グループアルバムの売上に匹敵するほどだ。
BTSの場合も、ソロ活動により、グループの売上に近いか、それを越える売上を記録するだろう。
NEWSISは、ソロ活動がもたらす肯定的な影響についても触れている。
例えば、グループ活動ではなかなかできない試みもできるという。その一例として、本日(7月1日)発売されるJ-HOPEのソロアルバム『MORE』。
同アルバムは、CDなどのフィジカルアルバムではなく、環境問題への配慮のため、QRコードで認識するシステムを取っている。
フィジカルアルバムでないと、米ビルボードチャートに反映されない。にもかかわらず、このような試みに踏み切るのは、ソロアルバムだから可能な事である。
他にも、現代美術とのコラボレーション(RM)、世界的なファッションブランドとのシナジー(V)など、グループでは生み出せない様々な効果が期待できるという。
BTSの”ソロ活動”は、”ばらばら”のように見える恐れもあるが、”七角形”の頂点が均衡を成す決意である。
ソロ活動がもたらす経済的な価値もそうだが、それを超えるものが世界のファンをわくわくさせている。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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