BTSのJ-HOPEが、米シカゴで開催された大規模フェスで、初の単独ステージを披露し、10万5000人もの観客を魅了した。ソロアーティストとして確かな存在感を世界に見せつけたJ-HOPEは、実はデビュー前から、ダンサーとしてはかなり有名な存在だったようだ。

去る7月31日(現地時間)、BTS(防弾少年団)のJ-HOPEが、米シカゴの大規模野外フェス『Lollapalooza(ロラパルーザ)』で、初の単独ステージを披露した。

BTSソロ活動のトップバッターを務めたJ-HOPE

BTSソロ活動のトップバッターを務めたJ-HOPE (画像出典:BTS J-HOPE Instagram)

J-HOPEは、10万5000人もの観客の前で、圧巻の爆発的なパフォーマンスを見せ、フェスのフィナーレを華やかに締めくくった。

ステージでは、7月15日にリリースしたソロアルバム『Jack In The Box』の収録曲や、『Dynamite(Tropical Remix)』をJ-HOPE流の振り付けにアレンジしたパフォーマンスなど、計18曲を披露。1時間を超える熱いステージに、多くのファンが魅了された。

ステージの模様はオンラインで生配信されたものの、日本は平日の午前中だったということもあり、見られなかった方も多いだろう。

しかし、そこはさすがのBTS! すでにBTSの公式YouTube(ユーチューブ)チャンネル『BANGTANTV』で公開されている。

1時間16分30秒に渡るフル映像を、ぜひじっくりご堪能いただきたい。

J-HOPEは「ぴょん!」と、ビックリ箱のようにステージに現れた

J-HOPEは「ぴょん!」と、ビックリ箱のようにステージに現れた (画像出典:BTS J-HOPE Instagram)

去る6月14日、多くのファンに衝撃を与えた『バンタン会食』。そこでBTSは「今後はソロ活動を本格的にスタートさせる」と伝え、そのトップバッターは、J-HOPEになりそうだと明かす。

その予告通り、J-HOPEが先陣を切り、ソロアルバムを発売。そしてそれを引っ提げての米の大規模フェス参加、なんと”大トリ”までを務めるという快挙を成し遂げた。

J-HOPEは、世界中にソロアーティストとしての魅力と存在感を、存分に見せつけた。

世界中に存在感をアピールしたJ-HOPE

世界中に存在感をアピールしたJ-HOPE (画像出典:BTS J-HOPE Instagram)

“防弾少年団”の結成当初、”防弾少年団”と聞いてもピンと来ないダンサーや芸能関係者が多かったようだが、J-HOPEの名前を出せば、「あ~、ホソク(J-HOPEの本名)がいるグループか!」と気づく人も多数いたという。

J-HOPEは、すでにアンダーグラウンドでは名を馳せたダンサーだったからだ。

J-HOPEは、光州(カンジュ)広域市出身で、東方神起(TVXQ)のユンホBIGBANGの元メンバーV.I(スンリ)、2NE1(トゥエニーワン)のMINZY(ミンジ)らも通ったダンスアカデミーでダンスを学んだ。

当時のニックネームは「スマイルホヤ」、すぐにかなりの実力を見せつけ、フェスティバルやダンスバトルなど数多くの大会で優勝をしていたという。

J-HOPEは、もともとストリートジャンルやフリースタイルダンスを得意としているが、BTSのステージでは、自身のダンススタイルが目立たないよう、配慮しているのがうかがえる。

『Lollapalooza』で披露したパフォーマンスを見ると、よりそのことがわかるのではないだろうか。

2014年に放送されたBTSのリアリティー番組『アメリカンハッスルライフ』で見せたダンスバトルでは、フリースタイルダンスで米ダンサーに勝利。BTSのメインダンサーとしてのプライドを見せつけている。

熱いパフォーマンスを披露したJ-HOPE

熱いパフォーマンスを披露したJ-HOPE (画像出典:BTS J-HOPE Instagram)

事務所の練習生時代、ダンサーとしての実力は十分だったJ-HOPEだが、ラップの経験はなく、事務所に入所後に初めて学び始める。

しかし、SUGA曰く、J-HOPEは習得が早く、恐ろしい成長ぶりだったそうだ。

J-HOPEのラップは、途中でトーンの高低に急激な変化を与えることも多い。RMやSUGAとは一味違う、彼独特のリズムや抑揚といった個性的なフローをよく使うのが魅力的だ。

もともとボーカルトレーニングを受けていたこともあり、J-HOPEはボーカルにも定評がある。BTSの曲では、メロディーのあるパートも多く務めている。

また、RMやSUGAのように作詞作曲の作業も始め、この分野でも才能を開花させる。

2018年3月2日、初のミックステープ『Hope World』を公開し、世界63カ国のiTunesチャートで1位を獲得した。

続けて2019年9月27日には『Chicken Noodle Soup(feat. Becky G)』を発表、世界69カ国および地域で、iTunes”TOP SONG”チャートで1位となった。MVは絶えず人気が衰えず、すでに3.5億回を超える再生数を誇っている。

2021年6月に行われたBTSのオンラインファンミーティング『BTS 2021 MUSTER SOWOOZOO』では、メンバー全員でこの曲をパフォーマンスし、大きな反響を受けた。

BTS全員で『Chicken Noodle Soup』を披露

BTS全員で『Chicken Noodle Soup』を披露 (画像出典:YouTube BANGTANTV 動画キャプチャー)

J-HOPEは、今回『Lollapalooza』のステージを通じ、ソロアーティストとしての一面を、存分に世界に見せつけた。

ステージ後に行ったV LIVEでは、現地で応援していたジミンが「最高だった」と絶賛するも、「他の人たちの公演はどうするの?」「なんでBTSの公演よりも、かっこ良かったんだよー!」と冗談で怒ってみせた。

どうやらJ-HOPEの活躍は、次にソロ活動を行うメンバーにとって、さらにハードルを上げることに繋がってしまったようだ。

しかし、J-HOPEがソロ活動のトップバッターに選ばれたのは必然であり、成るべくして成ったと誰もが納得できるほど、J-HOPEは頼もしい姿と存在感を世界中に放っていた。

(構成:酒井知亜)






BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。

HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。

デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。

ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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