去る23日、Brave Girlsが所属しているBraveエンターテインメントは「ファンの皆様に、心よりお詫び申し上げます」と、公式SNSに長文の謝罪文を掲載した。これを受け、韓国ネットは2つのことわざを用いながら、事務所の未熟さを糾弾している。
2021年上半期、K-POP史上類を見ない”大逆転劇”を披露したグループと言えば、断然Brave Girls(ブレイブガールズ)だ。
今年3月、韓国の主要メディアは、「Brave Girls、4年越しの反撃!」「軍人たちのおかげで逆走に成功、ついに1位」「発売から4年で音源チャート1位!”夢のよう”」という見出しで、引退寸前の女性アイドルの”敗者復活”を詳細に紹介。
デビューから11年間、”人気”という単語とは無縁だったため、テレビの露出機会も、その希望さえなかった彼女たちに、一筋の光が差し込むきっかけとなったのは、韓国の軍人だった。テレビ局からは一向にお呼びがかからず、韓国軍専用のテレビチャンネル『国防TV』に出演すると、徐々に人気に火が付き、4年前に発表した楽曲『Rollin’』が、韓国の音源ダウンロードチャートを席巻したのだ。
(関連記事)「戦争に出てもBrave Girlsとなら」K-POP女性アイドルの人気は軍人次第?
Brave Girlsの人気は”一発屋”に終わらず、今夏に公開された『Chi Mat Ba Ram』に続き、K-POP屈指のサマークィーンと称されるTWICE(トゥワイス)の牙城を脅かすほどだった。
実際にBrave Girlsは、韓国国内で大衆的な人気や知名度のバロメーターとされるデジタル音源チャートで、TWICEとの直接対決を制している。
(関連記事)TWICEのサマークィーンの座を脅かす難敵!? Brave GirlsSの鮮烈なカムバック
4人のメンバーは、毎月発表される好感度調査や、ブランド評価でも上位にランクインし、7月のビッグデータ(ネット評判)調査では、女性アーティスト部門でaespa(エスパ)に次ぐ2位(総合4位)にランクイン。ちなみに同調査では、IU(アイユー)が7位、BLACKPINKが8位、TWICEが17位にそれぞれランクインしており、Brave Girlsの人気が推し量れる。
しかし、彼女たちの人気に水を差す出来事が起きてしまった。
去る23日、Brave Girlsが所属しているBraveエンターテインメント(以下、ブレイブ)のイ・ジョンファ副社長(以下、イ氏)は「ファンの皆様に、心よりお詫び申し上げます」と、公式SNSに長文の謝罪文を掲載。
これに先立ちBrave Girlsは、マネージャーのファンに対する横暴やクオリティーの低いグッズが議論を呼び、ファンが一斉に抗議をし物議を醸した。
ファンに対して、横暴に振舞った(韓国メディアによると、メンバーを撮影したと疑い、ファンの携帯電話をチェックしたなど)マネージャーは、会社側に辞表を提出し、受理されたとイ氏は明かしている。
また、55000ウォン(約5000円)で販売された焼酎グラスセットは、粗雑な作りで「原価はいくらなの?」と、ファンの怒りを買うことに。
これを受け、イ氏は「返品を求める方たちには、全額払い戻しします」とし、ファンカフェの管理スタッフの増員や、ファンが指摘する問題点を綿密にチェックし、改善に努めると約束した。
再発防止を約束するなど、ブレイブ側の迅速(?)な対応を受け、ファンコミュニティーでは、2つのことわざに例えてブレイブを嘲笑する声が多く上がっている。
そのことわざとは「牛を失ってから牛舎を修理する」「お肉も食べた経験がある人が食べる」。
「牛を失って‥」は、日本のことわざの「後の祭り」や「泥棒を捕らえて縄を綯(な)う」と、その意味が相通ずることわざで、大きな問題が起きてから改善に取り組む人や、組織を指す言葉だ。韓国のネットユーザーは、マネージャーの横暴や低クオリティーグッズは、事前に防げた問題だと口を揃える。
「お肉も食べた‥」は、何事でも経験を持っている人は、柔軟に対応できるという意味を持つ。2008年に設立されたブレイブは、Brave Girls逆走以前、一度も”売れた”スターを輩出したことがない。そんなブレイブの未熟さを、ネットユーザーは辛らつに皮肉っているのだ。
今年『Rollin’』にハマり、ファンになった人の中には、解散寸前に追い込まれていたBrave Girlsの夢を叶えてあげたいという一心で、CDやグッズを買うなど、熱血にサポートした人も少なくない。残念ながら、そういったファンは今、誰かの”夢”のために利用されたという虚しさを嘆きながら、ファンを辞退している。
韓国中が応援したBrave Girlsの”夢”は、事務所の未熟さにより、”真夏の夜の夢”のように終焉を迎えるかもしれない窮地に立たされている。
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