韓国のアイドルは、歌とダンスの実力が高いだけでなく、自分で高度な作詞、作曲をしたり、振り付け制作までやってしまう才能溢れる人も多数存在する。そしてその中でもよりレベルの高い楽曲は、専門家からの関心が集まることも‥。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
昨年12月、ソウル観光財団が「メンタルヘルスの観点から見た解説映像」として、ある歌の歌詞を分析した映像を公開して話題になった。
それが、BTS(防弾少年団)のメンバー、J-HOPE(ジェイホープ)の自作曲『Dis-ease』だ。
『Dis-ease』は、アメリカの有名音楽メディア『Consequence of Sound(コンシークエンス・オブ・サウンド)』や人気雑誌『Esquire(エスクァイア)』、『REFINERY29(リファイナリー29)』などから”2020年最高の歌”の1つに選ばれ作品性が認められた楽曲でもある。
そして最近この楽曲に対する精神健康医学科の専門医の分析が公開され、再注目されている。
韓国メディア・スポーツ京郷は、「BTS公式アプリ”Weverse(ウィバース)”が1日、『Weverseマガジン』に『BTSが心の癒しを伝える』というタイトルの記事を掲載した」と伝えた。
スポーツ京郷の記事によると、『BTSが心の癒しを伝える』の記事の中では、ジンのソロ曲『Abyss』と昨年11月にリリースしたアルバム『BE』の収録曲『Blue & Grey』、『Dis-ease』、『僕の部屋を旅する方法(Fly To My Room)』に込められた新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)時代の癒しと安らぎについて分析されている。
その中でも「『Dis-ease』は、J-HOPEがメインの作詞・作曲およびプロデューサーとして率先して作った曲で、突然訪れた”休息”を完全に楽しめない状態を、一種の職業病にたとえて、BTS独自のやり方で克服しようという話が盛り込まれている。当初J-HOPEが自分のソロ曲として作った曲だったが、新型コロナウイルスのパンデミックという状況の中で企画されたアルバム『BE』にメンバー全員の声で収録されることになった楽曲」と紹介。
さらに『Dis-ease』について「人々は戦争、自然災害、虐待などで傷を負うと元の人生に戻れないと思ったり、個人の意志で立ち上がらねばならないと言う。一方、J-HOPEが作った『Dis-ease』では、メンバーたちがもう1つの選択肢を提示している。漠然とした希望を掲げるよりも、痛みの状態を告白して癒し、恐怖を捨てて強くなろうという意志を表明することで成長できると言っている」と分析していることを伝えた。
また、インタビューに応じたソウル市自殺予防センターのキム・ヒョンスセンター長(精神健康医学科専門医)の話も記載していると報じ、J-HOPEの『Dis-ease』について「病気になり辛かったが、自分を癒し、立ち直りたいという願いをうまく表現した、癒しと傷を負ったあとの成長がうまく込められた歌詞」と分析し、続けて「辛いことを経験して成長する人もいれば、そのまま倒れてしまう人もいる。辛いことを経験したあと、むしろ成長する人々は個人が苦痛の意味をしっかり噛み締めたということ」と話していることを記事中で述べた。
これについて『Weverseマガジン』は「”外傷後の成長”は”外傷後ストレス障害(PTSD)”と違い、トラウマがむしろ”成長”をもたらすという概念だ」と説明していることも付け加えた。
J-HOPEの作った楽曲は、ARMY(アーミー:BTSファンの名称)のみならず、世間の人々を救う楽曲として専門家からも高く評価されていることがわかる。
BTS『Dis-ease』(動画出典:BANGTANTV YouTube)
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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